卓球が認知症の「特効薬」になる?最新研究が示す驚きの脳保護効果とは

高齢者が卓球を楽しみながら脳を活性化し、認知症予防につながる様子を表したイラスト

結論「卓球は単なる遊びではない。アルツハイマー病やパーキンソン病の進行を食い止める、最強の「脳トレ運動」である可能性が高い。」

この記事はこんな方におすすめ

✅最近、親の物忘れや体の動きの鈍さが心配になってきた方
✅自分自身の将来の認知症予防のために、何を始めればいいか迷っている方
✅薬だけに頼らず、楽しく続けられるリハビリや運動を探している方
✅ 域のコミュニティセンターや老人クラブでの活動内容を検討している方

時間のない方・結論だけサクッと知りたい方へ

🔴疑問:温泉卓球のような遊びが、本当に深刻な脳の病気(認知症やパーキンソン病)に効くの?

🟡結果:驚くべきことに、卓球は認知機能テストや運動機能テストにおいて「非常に大きな改善効果(効果量1.0超)」を叩き出しました。

🟢教訓:卓球は「手足を動かしながら、目でボールを追い、戦略を練る」という究極のマルチタスクです。週1〜2回、30分程度から始めてみましょう。

🔵対象:主に日本、中国、韓国などの東アジアで行われた研究がベースです。つまり、私たち日本人にとって非常に相性が良く、信頼できるデータと言えます。

※本記事内の画像は主にChat GPTおよびGeminiを用いて、すべてAIで生成しております。
すべてイメージ画像であり、本文の内容を正確に表したものではありません。
あらかじめご了承ください。

はじめに

皆さん、こんにちは!

突然ですが、皆さんは最後に「卓球」をしたのはいつですか?

「温泉宿で浴衣を着てスリッパで遊んだきりだなあ」なんて思っていませんか?

実はその遊び、ただの娯楽にしておくにはもったいないかもしれません。

わたしも先日、久しぶりにラケットを握ったのですが、ボールの速さについていけず、翌日はまさかの筋肉痛に見舞われました。

「昔はもっと動けたのに……」と少しショックを受けましたが、同時に頭もフル回転させて良い汗をかいた爽快感がありました。

本日ご紹介するのは、そんな卓球が「実は脳を守る最強の盾になるかもしれない」という、オランダの国際的な心理学誌『Acta Psychologica』に掲載された最新の研究です。

今回は、2025年に発表されたばかりのこの論文を、一緒に読み解いていきましょう。

noteで簡略版も公開しています↓↓↓

卓球が認知症の「特効薬」?薬に匹敵する劇的な脳保護効果|Dr.礼次郎
ただの遊びではありません。 最新研究が叩き出した数値は、一般的な運動療法の「2倍以上」。 卓球が認知症やパーキンソン病の進行を食い止める「特効薬」になり得ることを示しています。 こんにちは! 某県の大規模病院で外科医として約20年の経験を持...

自己紹介

こんにちは! 某県の大規模病院で外科医として約20年の経験を持つ「医学論文ハンター・Dr.礼次郎」です。

海外の権威ある医学雑誌に掲載された論文を一編ずつ読み解いた、

生の一次情報をもとに、医学に詳しくない方にもわかりやすく解説しています。

日々、皆さんに信頼できる医療情報をお届けします!

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※本記事は、PubMed掲載の査読付き論文をもとに、現役医師が一次情報をわかりやすく解説しています。
以下に出典を明示し、信頼性の高い医療情報をお届けします。

今回読んだ論文

“”Can table tennis protect the aging brain? A systematic review and meta-analysis in neurodegenerative diseases””

(卓球は老化する脳を保護できるか?神経変性疾患におけるシステマティックレビューとメタ分析)

Kinga Łosińska, Adam Maszczyk

Acta Psychol (Amst). 2025 Nov:261:105884. doi: 10.1016/j.actpsy.2025.105884. Epub 2025 Nov 5.

PMID: 41197370 DOI: 10.1016/j.actpsy.2025.105884

掲載雑誌:Acta Psychologica【オランダ IF 3.14(2024)】 2025年より

研究の要旨(Abstract)

研究目的

薬による治療だけでは限界がある神経変性疾患(アルツハイマー病やパーキンソン病など)に対し、卓球という「運動」が認知機能や運動機能にどのような良い影響を与えるかを検証することです。

研究方法

2025年6月までの主要なデータベースから論文を検索し、基準を満たした10件の研究を分析しました。

そのうちデータが揃っている5件については、統計的に統合する「メタ分析」を行いました。

研究結果

卓球を行ったグループでは、行わなかったグループに比べて、認知機能(記憶や思考力)と運動機能(バランスや歩行)の両方で「非常に大きな改善効果」が認められました。

結論

卓球は、認知症やパーキンソン病の患者さんにとって、安全で実行しやすく、かつ効果的な非薬物療法であると考えられます。

考察

研究数はまだ少ないものの、卓球特有の「目で見て、判断し、動く」という複合的な動作が脳を刺激している可能性があります。今後はより大規模な調査が期待されます。

研究の目的

認知症やパーキンソン病といった神経変性疾患は、世界中で患者数が増え続けており、社会的な大きな課題となっています。

しかし、残念ながら現在の薬物療法だけでは、病気の進行を完全に止めることは難しいのが現状です。

そこで注目されたのが、「薬を使わないアプローチ(非薬物療法)」です。

これまでもダンスや太極拳などの効果は調べられてきましたが、今回の研究チームは「卓球(Table Tennis)」に着目しました。

なぜなら、卓球は単に体を動かすだけでなく、ボールの動きを予測し、瞬時に判断し、相手と駆け引きをするという、きわめて高度な脳の活動を必要とするからです。

この研究は、「卓球という身近なスポーツが、実は高度な脳のリハビリテーションになり得るのではないか?」という問いに答えを出そうとしたものです。

研究の対象者と背景

この研究で分析されたのは、以下の特徴を持つ人々を対象とした論文です。

対象者

アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、軽度認知障害(MCI)、およびその他の認知症と診断された18歳以上の成人。

人数と規模

最終的に選ばれた10件の研究(メタ分析に含まれたのは5件)で、参加者数は各研究数十名規模(合計300名未満)です。

地域

ここが非常に重要なポイントですが、すべての研究が日本、中国、韓国といった東アジアで行われています。

欧米の研究データは日本人には当てはまりにくいことがありますが、今回は生活習慣や体格が似ている東アジアのデータが中心です。

つまり、私たち日本人にとって、極めて参考にしやすい、「自分ごと」として捉えられる結果だと言えます。

研究の手法と分析の概要

研究チームは、信頼性の高い医療データベース(PubMed, Scopusなど)から499件の記録をスクリーニングし、厳密な基準を満たした10件の研究を選び出しました。

その手法は「システマティックレビュー(系統的レビュー)」「メタ分析」と呼ばれるものです。

これは、一つの研究結果だけで判断するのではなく、複数の研究結果を合体させて、「全体としてどういう傾向があるか」を統計的に導き出す、エビデンスレベルの高い手法です。

分析にあたっては、以下の点に注目しました。

認知機能

MMSEやMoCAといった世界共通のテストの点数がどう変化したか。

運動機能

UPDRS-III(パーキンソン病の運動スコア)やTUG(歩行・バランス能力)がどう変化したか。

安全性

怪我や副作用はなかったか。

【補足:各種用語】

MMSE / MoCA

認知症の診断によく使われるテストです。
点数が高いほど認知機能が良好であることを示します。

UPDRS-III

パーキンソン病の運動症状(震えや硬さなど)を評価する指標です。
点数が低いほど症状が軽いことを示します。

TUG(Timed Up and Go)

椅子から立ち上がり、3メートル歩いて戻ってくるまでの時間を測るテストです。
転倒リスクや運動能力の目安になります。

効果量(SMD)

治療や介入の効果の「大きさ」を表す数値です。
一般的に0.8を超えると「大きな効果」とみなされます。

研究結果

分析の結果、卓球は驚くべきパワーを秘めていることが分かりました。

認知機能への爆発的な効果

まず、認知機能を測るテストの結果です。

卓球を行ったグループは、行わなかったグループに比べて、スコアが劇的に向上していました。 専門的な指標である「効果量(d)」を見ると、以下のようになります。

MMSE(認知機能全般)

効果量 1.44

MoCA(軽度認知障害の検出に強い)

効果量 1.31

統計の世界では、効果量が0.8を超えれば「大効果」です。1.3や1.4という数字は、ダンスや太極拳などの他の運動療法(通常0.5〜0.7程度)と比べても、極めて高い数値です。

つまり、卓球は脳に対して「ガツン」と効く可能性があるのです。

パーキンソン病の運動症状も改善

次に、運動機能です。特にパーキンソン病の患者さんにおいて、以下の改善が見られました。

UPDRS-III(運動症状スコア)

効果量 1.27

TUG(歩行・バランス)

効果量 0.93

これも「大効果」に分類されます。

体の動きがスムーズになり、バランス感覚が向上したことを意味しています。

副作用なし!高い安全性

今回の分析に含まれた研究の中で、重篤な副作用や怪我の報告はゼロでした。

一部で「軽い疲労」を訴えた人がいた程度です。

高齢者や疾患を持つ方にとって、「安全にできる」というのは何より重要なポイントです。

変化がなかった指標(陰性所見)について

すべての指標で劇的な改善が見られたわけではありませんが、重要なのは「悪化した指標もなかった」という点です。

また、生活の質(QoL)についても改善傾向は見られましたが、認知・運動機能ほどの爆発的な数値の跳ね上がりについては、研究ごとのばらつきがありました。

この結果は、統計的にも信頼できるものでした。

つまり、「たまたま良くなった」のではなく、「卓球という介入があったから良くなった」と言える強い根拠があります。

研究の結論

「デュアルタスク」の王様、それが卓球

本研究の結論として、卓球は神経変性疾患を持つ高齢者の認知機能と運動機能を同時に高める、安全で実行可能な介入であると位置づけられました。

なぜこれほど効果的なのでしょうか?

それは卓球が、体を動かしながら(運動)、ボールを目で追い(視空間認知)、瞬時に打ち返す場所を決める(実行機能・判断)という、「心と体を同時に使う(デュアルタスク)」の要素が非常に強いためと考えられます。

礼次郎の考察とまとめ

論文著者らの考察

著者らは、今回の結果が非常に有望であるとしつつも、慎重な姿勢を崩していません。

その理由として、分析対象となった研究の参加人数が少ないこと(小規模な試験が多い)、そして研究の質にばらつきがあることを挙げています。

また、なぜ脳に良いのかという「メカニズム」の部分(脳の血流が増えたのか、神経がつながったのか等)については、今回は直接的なデータ(MRI画像など)がないため、あくまで推測の域を出ないとしています。

今後はもっと大規模な試験で確認する必要があるとしています。

日常生活へのアドバイス

この研究結果を受けて、私たち日本人が明日から活かせるヒントをまとめました。

「週に2回」を目安に

多くの研究で、週1〜3回、1回30〜60分程度の練習が行われていました。

無理のない範囲で、週2回ほど地域のサークルや教室に参加してみましょう。

ただ打つだけでなく「ラリー」を目指す

相手の球に反応することが脳への刺激になります。

一人で壁打ちをするよりも、誰かと向かい合ってラリーを続けることを意識してください。

点数をつけるとなお良し

点数を計算したり、勝敗を意識したりすることで、さらに認知的な負荷(良い意味での脳のトレーニング)がかかります。

東アジアの強みを活かす

この研究は日本を含む東アジアのデータが中心です。

日本には公民館や温泉など、卓球台がある場所がたくさんあります。

この環境をフル活用しましょう!

『昔取った杵柄』で、若い頃に温泉卓球で鳴らした方も多いのではないでしょうか。

その腕前、今こそ脳を守るために発揮する時ですよ!

上手い下手は関係ありません、球を追うその眼差しが、脳を若々しく保つ秘訣なのです。

締めのひとこと

「この小さなピンポン球が、あなたの脳と未来を大きく弾ませるきっかけになる。」

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!

もし本記事が参考になったら、他の記事もぜひのぞいてみてください。

これからも皆さまの知的好奇心を満足させられる情報をお届けできるよう努力していきます。

本ブログでは、Pubmed医中誌Clinical Keyヒポクラm3日経メディカルケアネットなどの信頼性ある医療情報サイトを参考に、論文の検索・選定を行っています。
記事の内容は、筆者自身が論文を読み解き、わかりやすく要約・執筆しています。

画像は主にChat GPT・Geminiを使用しAIで作成しております。

あくまでも、すべてイメージ画像です。

本文の内容を正確に表した画像ではありませんのでご注意ください。

免責事項

本記事でご紹介した内容は、あくまで特定の査読済み医学論文の科学的知見を解説することのみを目的としており、筆者(Dr.礼次郎)個人の、診療上の推奨や個人的な意見ではありません。

特定の治療方法、治療薬、生活スタイル、食品などを批判する意図や、推奨する意図は一切ございません。

本記事は、医師による診断や個別の医療アドバイスに代わるものではありません。

実際の治療方針や服薬については、必ず主治医にご相談ください。

読者の皆様は、記事の内容をご自身の責任において吟味し、適切に判断してご利用ください。

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