【座りすぎでも大丈夫?】1日9000歩が「座りっぱなし」の死亡リスクを打ち消す

座りすぎのデスクワーク環境と、屋外でウォーキングする様子を対比したイラスト。長時間座位から歩行習慣への移行を象徴する健康イメージ。

結論「1日中デスクワークで座りっぱなしのあなたへ。「歩くだけ」でそのリスク、帳消しにできるかもしれません。」

この記事はこんな方におすすめ

✅毎日デスクワークで、1日10時間以上座っていることが多い方
✅「座りすぎは早死にする」と聞いて不安になっている方
✅忙しくてジムに行く時間はないが、健康のために何かしたい方
✅結局、1日何歩けば健康に良いのか正解を知りたい方

時間のない方・結論だけサクッと知りたい方へ

🔴 疑問:「仕事で1日中座りっぱなしなんだけど、ウォーキングするだけで本当に病気や早死にのリスクは下がるの?」

🟡結果: 下がります。たとえ1日10.5時間以上座っていても、1日9,000〜10,500歩歩くことで、死亡リスクを約39%も下げられることが分かりました。

🟢教訓: ベストは「座る時間を減らして歩くこと」ですが、座る時間を減らせなくても「歩数を増やすこと」だけは諦めないでください。まずは1日4,000歩を目指しましょう。

🔵対象:イギリスのバイオバンクに参加した平均61歳の男女約72,000人を対象とした信頼性の高い大規模調査です。

※本記事内の画像は主にChat GPTおよびGeminiを用いて、すべてAIで生成しております。
すべてイメージ画像であり、本文の内容を正確に表したものではありません。
あらかじめご了承ください。

はじめに

皆さん、こんにちは!

「仕事で一日中座りっぱなし…体に悪いのはわかっているけれど、どうにもならない」と、あきらめや不安を感じていませんか?

デスクワークが中心の現代社会において、「座りすぎ」は避けて通れない課題です。

ふと気づけば数時間動いていない、なんてことは誰にでもよくあることでしょう。

そんな時、「この生活を続けていて大丈夫なのだろうか」と心配になるのは当然のことです。

本日ご紹介するのは、そんな「座りすぎ生活」を送るすべての人にとって、希望の光となるような研究です。

スポーツ医学の分野で世界的に権威のあるイギリスの『British Journal of Sports Medicine』に掲載された、最新の知見を一緒に読み解いていきましょう。

noteで簡略版も公開しています↓↓↓

座りすぎでも9000歩で死亡リスク39%減!英最新研究|Dr.礼次郎
「座りすぎは早死にする」という定説が覆されました。 たとえ1日10時間以上座り続けていても、ある習慣によって死亡リスクを最大39%も下げられることが判明したのです。 こんにちは! 某県の大規模病院で外科医として約20年の経験を持つ「医学論文...

自己紹介

こんにちは! 某県の大規模病院で外科医として約20年の経験を持つ「医学論文ハンター・Dr.礼次郎」です。

海外の権威ある医学雑誌に掲載された論文を一編ずつ読み解いた、

生の一次情報をもとに、医学に詳しくない方にもわかりやすく解説しています。

日々、皆さんに信頼できる医療情報をお届けします!

信頼できる医学情報を発信する外科医・Dr.礼次郎が指を指すイラスト

※本記事は、PubMed掲載の査読付き論文をもとに、現役医師が一次情報をわかりやすく解説しています。
以下に出典を明示し、信頼性の高い医療情報をお届けします。

今回読んだ論文

“”Do the associations of daily steps with mortality and incident cardiovascular disease differ by sedentary time levels? A device-based cohort study””

(1日あたりの歩数と死亡率および心血管疾患発症リスクとの関連は、座っている時間の長さによって異なるか? デバイスベースのコホート研究)

Matthew N Ahmadi, Leandro F M Rezende, Gerson Ferrari, et al.

Br J Sports Med. 2024 Mar 8;58(5):261-268. doi: 10.1136/bjsports-2023-107221.

PMID: 38442950 DOI: 10.1136/bjsports-2023-107221

掲載雑誌:British Journal of Sports Medicine【アメリカ IF 16.2(2024)】 2024年より

研究の要旨(Abstract)

研究目的 

1日の歩数が「死亡率」や「心血管疾患(心臓病や脳卒中)」のリスクを下げる効果は、座っている時間が長い人でも同様に得られるのかを明らかにすること。

研究方法 

イギリスの約72,000人の成人を対象に、手首に活動量計(加速度計)を7日間装着してもらい、その後約7年間にわたり健康状態を追跡調査しました。

研究結果 

座っている時間の長さに関わらず、1日の歩数が多いほど死亡リスクと心血管疾患リスクは低下しました。
最もリスクが低くなるのは約9,000〜10,500歩でした。

結論 

座りすぎの人であっても、歩数を増やすことは健康リスクを下げるために非常に有効です。

考察 

歩数を増やすことは、座りすぎによる健康への悪影響を相殺する可能性があります。
これは公衆衛生のガイドライン作成において重要な指標となります。

研究の目的

これまでの多くの研究で「歩数が多いほど健康に良い」「座りすぎは体に悪い」ということは分かっていました。

しかし、「座りすぎている人が、たくさん歩いた場合、その悪影響は帳消しになるのか?」 という点については、十分な証拠がありませんでした。

特に、これまでの研究は「アンケート(自己申告)」によるものが多く、正確な「座っている時間」や「歩数」を測定できていないという弱点がありました。

そこで本研究は、ウェアラブルデバイス(加速度計) を用いて客観的なデータを測定し、座っている時間と歩数の関係を白黒はっきりさせようとしたのです。

研究の対象者と背景

この研究の対象は、大規模な生体医学データベース「UKバイオバンク」に参加した72,174名の男女です。

年齢

平均61.1歳(±7.8歳)

性別

女性が約58%

健康状態

調査開始時点で心血管疾患やがんの既往がない人たちを対象としています。

対象は主にイギリスの白人(約96%)ですが、運動生理学的なメカニズム(歩くことで血圧やコレステロールが改善するなど)は人類共通です。

ただし、体格や生活習慣の違いはあるため、歩数の目標値などは多少調整して考える必要がありますが、基本的な「歩くことの恩恵」は日本人にも十分当てはまると考えられます。

研究の手法と分析の概要

研究チームは、2013年から2015年にかけて参加者の手首に高性能な加速度計(Axivity AX3)を装着し、24時間×7日間の身体活動データを収集しました。

座っている時間の定義

起きている時間のうち、座ったり寝転んだりしている時間。

本研究では、データ分析の結果リスクが顕著になる分岐点として特定された1日10.5時間を境に、「座りすぎ(High)」と「座りすぎではない(Low)」に分類しました。

追跡期間

平均6.9年間追跡し、その間に発生した死亡や心血管疾患のイベントを記録しました。

分析の工夫

年齢、性別、喫煙歴、飲酒、食事、病歴、睡眠時間などの影響を取り除く(調整する)ことで、純粋な「歩数と座る時間」の影響をあぶり出しています。

【補足:各種用語】

ハザード比 (HR) 

あるグループのリスクを「1」としたとき、別のグループのリスクが何倍かを示す数値。
0.61なら「リスクが約4割減る」という意味です。

加速度計(アクセロメータ) 

スマホやスマートウォッチに入っている、動きの速さや方向を感知するセンサー。
自己申告よりも正確に「実際に何歩歩いたか」「何分座っていたか」を測れます。

心血管疾患 (CVD) 

心筋梗塞や脳卒中など、心臓や血管に関する病気の総称です。

研究結果

ここからが本題です。デバイスで測定された客観的なデータが示した、驚きの事実を見ていきましょう。

座りすぎでも「歩けば」死亡リスクは激減する!

これが今回の最大の発見です。1日10.5時間以上座っている「座りすぎグループ(High)」であっても、歩数が増えるにつれて死亡リスクは明確に下がっていきました。

最適な歩数(ベストスコア) 

1日9,000〜10,500歩歩いた時に、死亡リスクは最も低くなりました。

リスク低下率 

基準(2,200歩)と比較して、座りすぎグループでもリスクが39%低下(ハザード比0.61)しました。

座っていないグループとの比較 

面白いことに、座っている時間が短いグループ(Low)の最大リスク低下率(ハザード比0.69)と比べても、座りすぎグループの歩行による効果は同等か、むしろ大きく見えました。

「4,000歩」から効果は出始める

「1万歩なんて無理!」と思った方、安心してください。

データによると、リスクが大幅に下がり始める「最小有効量」は、座っている時間の長さに関わらず1日4,000〜4,500歩付近であることが分かりました。

つまり、ここを超えれば健康効果の恩恵を受け始められるということです。

心臓病リスクについては「座らない」方が有利

死亡率に関しては「歩けば帳消し」に近い結果でしたが、心血管疾患(心筋梗塞など)の発症リスクに関しては少し様子が違いました。

同じ歩数(例えば9,700歩)を歩いていても、座っている時間が短い人の方が、心血管疾患のリスクはさらに低かったのです(座りすぎ群のハザード比0.79に対し、座らない群は0.71)。

つまり、心臓の健康を守るためには、「歩くこと」に加えて「座る時間を減らすこと」もやはり重要だということが示唆されました(統計的に有意な差ではありませんでしたが、傾向として見られました)。

陰性所見:変化がなかったこと 

重要な点として、座っている時間が長いからといって、歩数の効果が「無効化」されることはありませんでした。

つまり、「どうせ座りすぎだから運動しても無駄」ということは科学的に否定されたのです。

どんなに座っている時間が長くても、1日約1万歩を目指して歩くことで、死亡リスクを大幅に下げることができます。

まずは4,000歩を超えることから始めましょう。

研究の結論

「座りすぎ」の免罪符は「1日1万歩」

本研究の結論は、「座っている時間が身体に及ぼす悪影響を、日々の歩行(身体活動)が相殺できる」 という強力なメッセージです。

座りすぎが死亡リスクを高めることは間違いありませんが、それは「動かないこと」とセットになった時に最悪の結果を招きます。

逆に言えば、「座っていても、しっかり動けば体は守れる」 のです。

礼次郎の考察とまとめ

論文著者らの考察

著者らは、今回の結果が「歩数」という分かりやすい指標を公衆衛生のガイドラインに盛り込むための強力なエビデンスになると述べています。

特に、座っている時間が長いハイリスクな人々にとって、歩数を増やすことは、肥満や高血圧といった「座りすぎの副作用」を緩和し、結果として寿命を延ばすことにつながると考えています。

ただし、心血管疾患予防の観点からは、やはり座る時間を減らす努力も併せて行うべきだとしています。

日常生活へのアドバイス

この論文から、日本人の私たちが明日から活かせる教訓は以下の通りです。

「座りすぎた日」こそ、帰り道は遠回りを! 

「今日は座りっぱなしだったな」と思ったら、それを罪悪感にするのではなく、「じゃあその分、歩いて帰ろう」と行動に変えましょう。

その歩行がリスクを相殺してくれます。

まずは「4,500歩」を死守する 

1万歩はハードルが高いですが、研究では4,000〜4,500歩から明確な効果が出ています。

スマホの歩数計を見て、これを超えているか毎日チェックしてみてください。

デスクワークの合間の「ちょこちょこ歩き」 

座っている時間が長くても、トータルの歩数が稼げればOKです。

トイレに行くとき、コピーを取りに行くとき、意識的に遠回りをして歩数を稼ぎましょう。

「デスクワークだから早死にする」なんて、もう言わせません。あなたのその足が、寿命を延ばす最強のツールなのです。

締めのひとこと

「椅子に縛られた体も、一歩踏み出せば自由になれる。」

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!

もし本記事が参考になったら、他の記事もぜひのぞいてみてください。

これからも皆さまの知的好奇心を満足させられる情報をお届けできるよう努力していきます。

本ブログでは、Pubmed医中誌Clinical Keyヒポクラm3日経メディカルケアネットなどの信頼性ある医療情報サイトを参考に、論文の検索・選定を行っています。
記事の内容は、筆者自身が論文を読み解き、わかりやすく要約・執筆しています。

画像は主にChat GPT・Geminiを使用しAIで作成しております。

あくまでも、すべてイメージ画像です。

本文の内容を正確に表した画像ではありませんのでご注意ください。

免責事項

本記事でご紹介した内容は、あくまで特定の査読済み医学論文の科学的知見を解説することのみを目的としており、筆者(Dr.礼次郎)個人の、診療上の推奨や個人的な意見ではありません。

特定の治療方法、治療薬、生活スタイル、食品などを批判する意図や、推奨する意図は一切ございません。

本記事は、医師による診断や個別の医療アドバイスに代わるものではありません。

実際の治療方針や服薬については、必ず主治医にご相談ください。

読者の皆様は、記事の内容をご自身の責任において吟味し、適切に判断してご利用ください。

記事内の画像やイラストは、AIを用いて内容をイメージ化したものであり、本文の内容を正確に表したものではありませんので、あらかじめご了承ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました