【完全決着】「タンパク質の摂りすぎで癌になる」は嘘?ドイツ栄養学会の研究で「関連なし」と判明

高タンパク質食品(ステーキ・サーモン・豆腐・卵・ナッツ・牛乳)と、それらの安全性を示す笑顔の医師を描いた栄養医学イラスト

結論「タンパク質をたくさん摂っても、主要ながん(大腸・乳がん等)のリスクは上がらない」というのが、現時点での科学的な結論です。」

この記事はこんな方におすすめ

✅筋トレや健康維持のためにプロテインを飲んでいるが、将来の癌リスクが心配な方
✅「肉を食べすぎると癌になる」というネット情報を信じて、極端な食事制限をしている方
✅家族の食事を作る際、タンパク質をどこまで増やしていいか迷っている方
✅噂レベルの健康情報ではなく、医師が解説する「一次情報」で安心したい方

時間のない方・結論だけサクッと知りたい方へ

🔴疑問:健康のために良かれと思ってタンパク質を多く摂ると、細胞の増殖が促され、逆に「がん」になりやすくなるのではないか?

🟡結果:世界中のデータを統合した大規模調査の結果、タンパク質の総摂取量が増えても、乳がん・前立腺がん・大腸がん・卵巣がん・膵臓がんのリスクは増加しないことが判明しました。

🟢教訓:「タンパク質の摂りすぎ=がん」という心配は不要です。特定の食品(加工肉など)には注意が必要ですが、栄養素としてのタンパク質自体を恐れず、バランスよく摂取しましょう。

🔵対象:一般の成人(高齢者含む)を対象とした観察研究のまとめです。欧米のデータが中心ですが、生物学的な反応として日本人にも十分参考になる知見です。

※本記事内の画像は主にChat GPTおよびGeminiを用いて、すべてAIで生成しております。
すべてイメージ画像であり、本文の内容を正確に表したものではありません。
あらかじめご了承ください。

はじめに

皆さん、こんにちは!

最近、スーパーの棚には「高タンパク」を謳ったヨーグルトやスナックが溢れていますよね。

「筋肉に良い」「ダイエットに効く」と言われる一方で、「摂りすぎると早死にする」「癌になる」なんて怖い噂も耳にしませんか?

一体何を信じればいいのか、わからなくなってしまいますよね。

美味しいものを食べたいけれど、病気にはなりたくない。これは万人の悩みです。

本日ご紹介するのは、そんな「タンパク質論争」に科学的な決着をつけるべく行われた、ドイツ栄養学会による大規模な研究です。

ヨーロッパの権威ある栄養学雑誌の知見を、一緒に読み解いていきましょう。

noteで簡略版も公開しています↓↓↓

タンパク質で癌になるは嘘?独学会の研究で「関連なし」と判明|Dr.礼次郎
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自己紹介

こんにちは! 某県の大規模病院で外科医として約20年の経験を持つ「医学論文ハンター・Dr.礼次郎」です。

海外の権威ある医学雑誌に掲載された論文を一編ずつ読み解いた、

生の一次情報をもとに、医学に詳しくない方にもわかりやすく解説しています。

日々、皆さんに信頼できる医療情報をお届けします!

信頼できる医学情報を発信する外科医・Dr.礼次郎が指を指すイラスト

※本記事は、PubMed掲載の査読付き論文をもとに、現役医師が一次情報をわかりやすく解説しています。
以下に出典を明示し、信頼性の高い医療情報をお届けします。

今回読んだ論文

“”Protein intake and cancer: an umbrella review of systematic reviews for the evidence-based guideline of the German Nutrition Society””

(タンパク質摂取とがん:ドイツ栄養学会の科学的根拠に基づくガイドラインのためのシステマティックレビューのアンブレラレビュー)

Tilman Kühn, Nicole Kalotai, Anna M Amini, et al.

Eur J Nutr. 2024 Aug;63(5):1471-1486. doi: 10.1007/s00394-024-03380-4. Epub 2024 Apr 21.

PMID: 38643440 DOI: 10.1007/s00394-024-03380-4

掲載雑誌:European Journal of Nutrition【ドイツ IF 4.85(2024)】 2024年より

研究の要旨(Abstract)

研究目的

タンパク質の摂取量が、がんの発症リスクを高めるかどうかを明らかにすること。

研究方法 

既存のシステマティックレビュー10本を統合・再評価する「アンブレラレビュー(包括的レビュー)」を実施しました。

研究結果 

タンパク質の総摂取量は、乳がん、前立腺がん、大腸がん、卵巣がん、膵臓がんのリスクと関連しませんでした。

結論 

現在の証拠では、タンパク質の摂取量が多いことががんのリスクを高めるとは言えません。

考察 

動物実験などで懸念されていた「タンパク質による発がん促進」は、ヒトの観察研究では確認されませんでした。

研究の目的

この研究が解決しようとした最大の問いは、「普段の食事でタンパク質を多く摂ることは、本当に発がんリスクを高めるのか?」という点です。

これまで、実験室レベルの研究では、タンパク質摂取を制限すると「IGF-1(インスリン様成長因子1)」というホルモンが減り、がんの増殖が抑えられることが示唆されていました。

つまり、「タンパク質を食べる=がん細胞のエサをやる」ことになるのではないか?

という懸念が医学界にも存在していたのです。

そこでドイツ栄養学会は、ガイドライン作成のために、「特定の食品(肉など)」の影響と、栄養素としての「タンパク質そのもの」の影響を切り分けて、本当にリスクがあるのかを白黒はっきりさせる必要があったのです。

研究の対象者と背景

この研究は、ひとつの病院や地域で行われたものではなく、過去に発表された信頼性の高い複数の論文をまとめて解析しています。

対象データ

2024年1月までに発表された、前向きコホート研究(健康な人を長期間追跡調査した研究)を含むシステマティックレビュー10本。

参加者

一般の成人(高齢者やレクリエーションレベルのアスリートを含む)。

除外対象

妊婦、授乳婦、トップアスリート、子どもは含まれません。

背景

主に欧米の研究データが中心です。

欧米人は日本人よりも肉の摂取量が多い傾向にありますが、「タンパク質が体内でどう作用するか」という生理学的な仕組みは共通しています。

したがって、日本人が欧米レベルまでタンパク質摂取を増やしても安全か?

という視点で見る場合、このデータは非常に有用な「上限の安全性」を示す指標になります。

研究の手法と分析の概要

今回使われた手法は「アンブレラレビュー(Umbrella Review)」と呼ばれるものです。

これは、「個々の研究論文」をまとめた「システマティックレビュー」を、さらにまとめて分析するという、いわば「まとめのまとめ」です。

エビデンス(科学的根拠)のピラミッドにおいて、頂点に位置する信頼性の高い手法です。

評価ツール

AMSTAR 2(レビューの質を評価)やNutriGrade(栄養学的な証拠の確実性を評価)という厳格な基準を使って、各論文の信頼性をチェックしました。

分析内容

総タンパク質、動物性タンパク質、植物性タンパク質の摂取量と、各種がん(大腸、乳、前立腺、卵巣、膵臓)の発生率に関連があるかを統計的に処理しました。

【補足:各種用語】

IGF-1(インスリン様成長因子1) 

細胞の成長や増殖を促すホルモン。
タンパク質を摂ると分泌が増え、筋肉の合成を助けますが、同時にがん細胞の増殖も助けてしまうのではないかと疑われていました。

コホート研究 

ある集団を長期間追跡し、「タンパク質を多く食べていた人」と「少なかった人」で、将来の病気のなりやすさに差が出るかを調べる研究手法です。

相対リスク(RR) 

ある要因(タンパク質摂取)がある人が、ない人に比べて何倍病気になりやすいかを示す数値。「1.0」ならリスクは変わりません。

研究結果

さて、ここからが皆さん一番知りたい結果の発表です。

結論から言うと、「タンパク質は犯人ではなかった」という安心できる内容でした。

「総タンパク質」を増やしてもがんは増えない!

最も重要な発見は、食事からのタンパク質の総摂取量が多くても、主要ながんのリスクは上昇しなかったということです。

具体的なリスク比(RR)の傾向は以下の通りです。

乳がん

関連なし(リスク比は1.0付近)

前立腺がん

関連なし

大腸がん

関連なし

卵巣がん

関連なし

膵臓がん

関連なし

論文内のデータ解析において、タンパク質摂取量が多いグループと少ないグループを比較しても、発がんリスクは統計的に有意な差を示しませんでした。

つまり、タンパク質を多く摂っている人が、特にがんになりやすいという事実は確認されなかったのです。

動物性・植物性でも「差なし」

「動物性タンパク質は体に悪くて、植物性は良いのでは?」と思うかもしれません。

しかし、今回の分析では動物性タンパク質も植物性タンパク質も、がんリスクとの明確な関連は見られませんでした。

「動物性は危険」というイメージをお持ちの方には、意外な結果かもしれません。

変化がなかったことの意味(陰性所見)

「関連なし」と聞くと、「何もわからなかったのか」と思うかもしれません。

しかし、医学においては「悪影響がないことが確認された」というのは、「食べても安全である」という強力な証明になります。

唯一の例外?:乳製品と前立腺がん

多くのデータで関連なしとされる中、一部の研究で「乳製品由来のタンパク質」を多く摂ると、前立腺がんのリスクがわずかに上がる可能性が示唆されました。

ただし、これは「乳製品のカルシウム」など他の成分が影響している可能性もあり、タンパク質だけが原因とは断定できないとされています。

研究の結論

総タンパク質摂取量と、乳がん・大腸がん等のリスクに関連はない

これが、現時点での科学の結論です。

特に大腸がんと乳がんに関しては、関連がない可能性が高いと判定されました。

他のがんについてはデータ数がまだ十分ではありませんが、少なくとも「タンパク質=危険」という強い証拠はどこにも見当たりませんでした。

礼次郎の考察とまとめ

論文著者らの考察

著者らは、理論上は「タンパク質摂取がIGF-1を増やし、がんを促進する」というメカニズムがあり得るものの、実際の人間社会のデータではそれが確認されなかったと述べています。

その理由として、食品にはタンパク質以外にも様々な成分が含まれており、例えば「牛乳には大腸がん予防になるカルシウムが含まれている」といったプラスの要素が、マイナスの要素を打ち消している可能性があるとしています。

日常生活へのアドバイス

この論文から、私たち日本人が明日から活かせる教訓は以下の通りです。

「タンパク質恐怖症」にならないで! 

「プロテインを飲むとがんになる」という噂に怯える必要はありません。

今回の研究は、常識的な範囲の摂取なら安全であることを示しています。

「単体」ではなく「食事全体」を見よう 

今回の結果で面白かったのは、動物性タンパク質そのものに罪はなかった点です。

リスクの正体は、おそらく一緒に食べる「加工肉の添加物」や「焦げ」です。

タンパク源を肉だけにせず、魚や大豆などバリエーションを持たせましょう。

極端な制限は無意味、バランスが最強 

がんを恐れてタンパク質を極端に減らすと、逆に筋肉が落ちて健康を損なう恐れがあります。

この論文が示した「関連なし」という結果は、「今の食事バランスを大きく変える必要はない」というメッセージでもあります。

「お肉を食べると元気になる!」という皆さんの実感は、あながち間違いではありません。

過剰な不安を手放して、今日のステーキや焼き魚を美味しくいただきましょう!

締めのひとこと

「あなたの体を作る大切なタンパク質、これからはもっと仲良く付き合えそうですね。」

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!

もし本記事が参考になったら、他の記事もぜひのぞいてみてください。

これからも皆さまの知的好奇心を満足させられる情報をお届けできるよう努力していきます。

本ブログでは、Pubmed医中誌Clinical Keyヒポクラm3日経メディカルケアネットなどの信頼性ある医療情報サイトを参考に、論文の検索・選定を行っています。
記事の内容は、筆者自身が論文を読み解き、わかりやすく要約・執筆しています。

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免責事項

本記事でご紹介した内容は、あくまで特定の査読済み医学論文の科学的知見を解説することのみを目的としており、筆者(Dr.礼次郎)個人の、診療上の推奨や個人的な意見ではありません。

特定の治療方法、治療薬、生活スタイル、食品などを批判する意図や、推奨する意図は一切ございません。

本記事は、医師による診断や個別の医療アドバイスに代わるものではありません。

実際の治療方針や服薬については、必ず主治医にご相談ください。

読者の皆様は、記事の内容をご自身の責任において吟味し、適切に判断してご利用ください。

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