仕事での運動は健康に良い?男女で違う「働きながらの身体活動」と死亡リスクの関係

職場で体を動かして働く男女と、休日に公園でウォーキングを楽しむ女性を描いた健康的なライフスタイルのイラスト

結論「仕事で体を動かすことは男女ともに長生きに繋がり、特に女性は余暇の運動もプラスするとさらに健康効果が高まります。」

この記事はこんな方におすすめ

✅ 仕事で体を動かすことが多いけれど、健康に良いのか知りたい方
✅ 肉体労働をしているから、休日は運動しなくてもいいと考えている方
✅ 男女で運動の健康効果に違いがあるのか興味がある方
✅ 日常生活の中で効率よく死亡リスクを下げたい方

時間のない方・結論だけサクッと知りたい方へ

🔴疑問:仕事でたくさん体を動かしていれば、それだけで健康になれるのでしょうか?休日の運動は必要ないのでしょうか?

🟡結果:仕事で体を動かすことは、男性でも女性でも死亡リスクを下げる効果がありました。特に、女性は仕事での活動に加えて、休日に150分以上の運動をすることで、死亡リスクがさらに大きく下がることが分かりました。

🟢教訓:仕事で体を動かしているからといって安心せず、特に女性は余暇にも適度な運動を取り入れることで、さらに健康な体を作ることができます。

🔵対象:アメリカの20歳以上の成人約3万人を対象とした調査です。身体の仕組みは共通しているため、日本人にも十分に参考になる結果です。

※本記事内の画像は主にChat GPTおよびGeminiを用いて、すべてAIで生成しております。
すべてイメージ画像であり、本文の内容を正確に表したものではありません。
あらかじめご了承ください。

はじめに

皆さん、こんにちは!

日々の仕事で体をたくさん動かしているから、「休日はゴロゴロしたい」と思いますよね。

わたしも立ちっぱなしの手術や病棟を歩き回る業務が多いので、休日はついついソファから動かずに過ごしてしまうことがよくあります。

本日ご紹介するのは、まさに「仕事での身体活動」が私たちの健康や寿命にどう影響するのかを調べた研究です。

この論文は、イギリスの公衆衛生分野の専門誌「BMJ Public Health」に掲載されました。

今回は、仕事中の動きと休日の運動の組み合わせがもたらす健康効果について、一緒に読み解いていきましょう。

自己紹介

こんにちは! 某県の大規模病院で外科医として約20年の経験を持つ「医学論文ハンター・Dr.礼次郎」です。

海外の権威ある医学雑誌に掲載された論文を一編ずつ読み解いた、

生の一次情報をもとに、医学に詳しくない方にもわかりやすく解説しています。

日々、皆さんに信頼できる医療情報をお届けします!

信頼できる医学情報を発信する外科医・Dr.礼次郎が指を指すイラスト

※本記事は、PubMed掲載の査読付き論文をもとに、現役医師が一次情報をわかりやすく解説しています。
以下に出典を明示し、信頼性の高い医療情報をお届けします。

今回読んだ論文

“”Occupational physical activity and risk of all-cause, cardiovascular disease and cancer mortality among adults in the USA: a national cohort study””

(米国成人における仕事での身体活動と全死亡、心血管疾患、およびがん死亡リスク:全国コホート研究)

Yinchu Li, Jingkuo Li, Lubi Lei, et al.

BMJ Public Health. 2025 Dec 9;3(2):e002164. doi: 10.1136/bmjph-2024-002164. eCollection 2025.

PMID: 41394024 DOI: 10.1136/bmjph-2024-002164

掲載雑誌:BMJ Public Health【イギリス 2023年創刊のためIF未】 2025年より

Occupational physical activity and risk of all-cause, cardiovascular disease and cancer mortality among adults in the USA: a national cohort study - PubMed
OPA had a beneficial association with cancer mortality in women and risk of all-cause mortality in both sexes. OPA and L...

研究の要旨(Abstract)

研究目的

仕事での身体活動と余暇の運動が、がんや心血管疾患、および全死亡のリスクにどのように関係しているかを男女別に調べることです。

研究方法

アメリカの健康栄養調査に参加した20歳以上の約3万人を対象に、身体活動をアンケートで評価し、国の死亡記録と照らし合わせて分析しました。

研究結果

男性は高いレベルの仕事での活動が、女性は十分なレベルの仕事での活動が全死亡リスクの低下と関連し、さらに女性では余暇の運動を組み合わせると最もリスクが低下しました。

結論

仕事での身体活動は男女ともに死亡リスクの低下と良い関連があり、特に女性では余暇の運動を組み合わせることでさらに心血管疾患などのリスクが減るという結果でした。

考察

男女の労働環境や生理学的な違いが影響している可能性があり、働き方や性別に応じた健康づくりのアプローチが重要であると考えられます。

研究の目的

余暇に行うスポーツや運動が健康に良いことは広く知られていますが、

「仕事中の肉体労働や身体活動が健康にどう影響するか」

については、実はこれまでの研究で結果が分かれていました。

仕事での運動はかえって心臓の健康に悪影響を与える可能性があるという「身体活動パラドックス」と呼ばれる現象も報告されていたのです。

そこで今回の研究は、仕事での身体活動が本当に寿命や病気のリスクを下げるのか、

そして余暇の運動と組み合わせた場合にどのような効果があるのかを、男女の違いにしっかりと着目して明らかにしようとしました。

研究の対象者と背景

この研究では、アメリカの健康や栄養状態を調べる大規模な調査(NHANES)のデータを使用しました。

2007年から2018年に参加した20歳以上の成人、計29,404人(男性14,446人、女性14,958人)が対象です。

対象はアメリカに住む人々ですが、人種の内訳は白人、黒人、ヒスパニックなど多様です。

欧米人と日本人では体格や生活習慣に違いがあるものの、体を動かすことによる基本的な生理学的効果は人類共通です。

したがって、この研究が示す運動の健康効果の大きな傾向は、日本人にも十分に当てはまると考えられます。

研究の手法と分析の概要

研究チームは、信頼性の高い結果を導き出すために綿密な分析を行いました。

対象者が1週間のうちに「仕事」「余暇」でそれぞれどれくらい体を動かしているかを、アンケートを使って調査しました。

運動の強さを考慮して時間を計算し、対象者を

「活動なし」
「週150分未満」
「週150〜300分」
「週300分以上」

の4つのグループに分けています。

その後、国の死亡記録と照らし合わせ、中央値で約6.7〜6.8年間にわたって対象者を追跡調査しました。

年齢、人種、体重、喫煙、飲酒、持病など、寿命に影響を与えそうな多くの要因を統計的に調整する手法を用いて分析しています。

この手法を用いることで、単純な比較ではなく、運動そのものの効果をより正確に測ることができるのです。

【補足:各種用語】

全死亡リスク

原因を問わず、あらゆる理由で死亡する危険性のことです。

心血管疾患

心筋梗塞や心不全など、心臓や血管に関わる病気の総称です。

ハザード比(HR)

ある要因がある場合とない場合で、出来事(今回は死亡)が起こる危険性が何倍になるかを示す数値です。
1より小さければリスクが低いことを意味します。

研究結果

調査期間中に、男性1,560人、女性1,150人が亡くなりました。

分析の結果、仕事で体を動かすことが寿命を延ばす上で素晴らしい効果をもたらすことが明らかになりました。

男女ともに仕事での運動は全死亡リスクを下げる

仕事で全く体を動かさない人と比べて、仕事で体を動かす人は死亡リスクが低いことがわかりました。

しかし、その効果的な時間には男女差がありました。

男性

週に300分以上の活発な仕事の活動をしている人は、全く活動しない人に比べて全死亡リスクが23%低下しました(統計的に有意)。

女性

週に150〜300分の活動で、全死亡リスクが36%低下しました(統計的に有意)。

女性のがん死亡リスクへの効果

さらに女性においては、週150分未満という比較的短い仕事での活動でも、がんによる死亡リスクが59%も低下するという驚きの結果が出ました。

一方で、男性の仕事での活動量とがん死亡や心血管疾患死亡との間には、明らかな減少の傾向(陰性所見)は見られませんでした。

これは、男性が悪化しているわけではなく、仕事の運動単独では特定の病気を防ぐほどの強い効果が確認できなかったということです。

休日の運動との組み合わせ効果

この研究のもう一つの大きな発見は、仕事と余暇の運動の組み合わせです。

特に女性において、仕事で週150分以上体を動かしている人が、さらに余暇でも週150分以上の運動をすると、心血管疾患による死亡リスクが73%も劇的に低下(ハザード比 0.27)しました。

結果のまとめ表

以下の表に、重要なポイントをまとめました。

項目男性への影響女性への影響
仕事での身体活動による全死亡リスクの低下週300分以上でリスク23%低下週150〜300分でリスク36%低下
がん死亡リスクの低下有意な関連なし週150分未満でもリスク59%低下
心血管疾患死亡リスクの低下有意な関連なし有意な関連なし
仕事+余暇の運動の相乗効果組み合わせによる有意な追加効果なし仕事週150分以上+余暇週150分以上で心血管死亡リスクが73%低下

このように、仕事で体を動かすことは男女ともに私たちの健康を守ってくれます。

特に女性にとっては、日々の仕事に加えて、休日も少しアクティブに過ごすことが、より確実な健康へのパスポートになると言えるでしょう。

研究の結論

仕事での活動の価値と男女に合わせた健康づくりの重要性

仕事での身体活動は、男女ともに全死亡リスクを下げる有益なものでした。

特に女性は、仕事で体を動かしている上に余暇の運動を加えることで、さらに大きな恩恵を受けられることが確認されました。

この結果は、私たちが日々の働き方と休日の過ごし方を見直すための重要な科学的知見です。

礼次郎の考察とまとめ

論文著者らの考察

研究者たちはこの男女差の背景について、労働市場における男女の職業内容の違い(男性の方が過酷な肉体労働に就きやすいなど)や、ホルモンバランス、心血管疾患の基礎的なリスクの違いが影響しているのではないかと考察しています。

また限界として、アンケートに基づく自己申告データであることや、10分未満の短い運動が計測されていない点が挙げられています。

日常生活へのアドバイス

今回の結果を踏まえて、日本人の私たちが明日から活かせる具体的なアクションをいくつか提案します。

仕事中の動きを「運動」と捉え直す

職場でよく歩いたり、荷物を運んだりする作業も立派な身体活動です。

健康に良いとポジティブな気持ちで動きましょう。

女性は休日の軽い運動をプラスする

仕事で動いている女性も、週末にウォーキングなどの運動を週150分(1日20〜30分程度)追加すると、心臓の健康がさらに強く守られます。

男性はしっかり動くことを意識する

男性が健康効果を得るには週300分以上のまとまった活動が必要な傾向があります。

仕事での動きが少ない場合は、意識的に階段を使うなど運動量を増やしましょう。

「仕事で疲れたから休日は動かない」という気持ちは痛いほどわかります。

でも、その休日の少しの運動が、実は皆さんの命を強く守る盾になるんです。

まずは無理のない範囲でお散歩から始めてみませんか?

日々の仕事の動きに、休日の少しのアクティブさを加えて、健康的で豊かな未来を手に入れましょう!

締めのひとこと

働きながら体を動かすこと、それは命を延ばす魔法の貯金です。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!

もし本記事が参考になったら、他の記事もぜひのぞいてみてください。

これからも皆さまの知的好奇心を満足させられる情報をお届けできるよう努力していきます。

本ブログでは、Pubmed医中誌Clinical Keyヒポクラm3日経メディカルケアネットなどの信頼性ある医療情報サイトを参考に、論文の検索・選定を行っています。
記事の内容は、筆者自身が論文を読み解き、わかりやすく要約・執筆しています。

画像は主にChat GPT・Geminiを使用しAIで作成しております。

あくまでも、すべてイメージ画像です。

本文の内容を正確に表した画像ではありませんのでご注意ください。

免責事項

本記事でご紹介した内容は、あくまで特定の査読済み医学論文の科学的知見を解説することのみを目的としており、筆者(Dr.礼次郎)個人の、診療上の推奨や個人的な意見ではありません。

特定の治療方法、治療薬、生活スタイル、食品などを批判する意図や、推奨する意図は一切ございません。

本記事は、医師による診断や個別の医療アドバイスに代わるものではありません。

実際の治療方針や服薬については、必ず主治医にご相談ください。

読者の皆様は、記事の内容をご自身の責任において吟味し、適切に判断してご利用ください。

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