
結論「回復速度を最大化する「最初の4時間」。炭水化物とタンパク質の同時摂取が、次のパフォーマンスを最大1.6%向上させることが判明しました。(フォント24、赤マーカー、赤太字、斜字)
この記事はこんな方におすすめ
✅ 1日に複数回の試合やトレーニングがあるハードな競技者
✅ 次の運動まで24時間もない時、何を食べるべきか迷っている人
✅ ただ休むだけでなく、積極的に「回復」を早めたいコーチや選手
✅ カフェインや重曹など、サプリメントの賢い使い方を知りたい人
時間のない方・結論だけサクッと知りたい方へ
🔴 疑問:次の試合まで数時間しかない時、最速で体力を回復させてパフォーマンスを落とさないためには、具体的に何をどう摂取すればいいの?
🟡 結果:最初の4時間は体重1kgあたり1時間につき1.0〜1.2gの炭水化物が必須。さらにタンパク質(20〜40g)や、状況に応じてカフェイン、重曹を組み合わせると回復と次のパフォーマンスが向上することが確認されました。
🟢 教訓:炭水化物を最優先しつつ、牛乳などのタンパク質入り飲料を活用しましょう。カフェインや重曹は「ここぞ」という時に効果的ですが、個人差があるので練習でのテストが必要です。
🔵 対象:各国のトップアスリートや活動的な人々を対象とした多数の研究を統合した、国際的なスポーツ医学の権威あるレビュー結果です。日本人アスリートにも十分応用可能です。

※本記事内の画像は主にChat GPTおよびGeminiを用いて、すべてAIで生成しております。
すべてイメージ画像であり、本文の内容を正確に表したものではありません。
あらかじめご了承ください。
はじめに
皆さん、こんにちは!
スポーツに打ち込んでいる皆さんの中には「次の試合まであと3時間…この間にどう体力を戻すか?」なんて、極限の空腹と疲労に襲われたことはありませんか?
わたしも外科医として長時間の手術が続く日は、合間の栄養補給が午後の手技の精度を決めると言っても過言ではありません。
ついついカップラーメンを急いで流し込むこともありますが、それが正解なのかいつも悩みます。
本日ご紹介するのは、そんな「次の出番までの時間が短い!」という切実な状況に答えてくれる、スポーツ栄養学の集大成のような研究です。
掲載されている『Sports Medicine』は、スポーツ科学分野では世界最高峰のIFを誇る超一流誌。
今回は、そこから発表された「短時間リカバリーのための栄養戦略」を一緒に読み解いていきましょう。

自己紹介
こんにちは! 某県の大規模病院で外科医として約20年の経験を持つ「医学論文ハンター・Dr.礼次郎」です。
海外の権威ある医学雑誌に掲載された論文を一編ずつ読み解いた、
生の「一次情報」をもとに、医学に詳しくない方にもわかりやすく解説しています。
日々、皆さんに信頼できる医療情報をお届けします!

※本記事は、PubMed掲載の査読付き論文をもとに、現役医師が一次情報をわかりやすく解説しています。
以下に出典を明示し、信頼性の高い医療情報をお届けします。
今回読んだ論文
“”Nutritional Strategies to Improve Post-exercise Recovery and Subsequent Exercise Performance: A Narrative Review””
(運動後の回復と後続の運動パフォーマンスを向上させるための栄養戦略:ナラティブレビュー)
Alireza Naderi, Jeffrey A Rothschild, Heitor O Santos, et al.
Sports Med. 2025 Jul;55(7):1559-1577. doi: 10.1007/s40279-025-02213-6. Epub 2025 Apr 12.
PMID: 40221559 DOI: 10.1007/s40279-025-02213-6
掲載雑誌:Sports Medicine【スイス IF 9.4(2024)】 2025年より

研究の要旨(Abstract)
研究目的
激しい運動の後、次の運動までの回復時間が短い(数時間〜24時間以内)場合に、どのような栄養摂取が回復を早め、次のパフォーマンスを最大化するかを明らかにすることです。
研究方法
「PubMed」や「Google Scholar」などの主要なデータベースから、炭水化物、タンパク質、脂質、水分、および各種サプリメント(カフェイン、クレアチン、重曹など)に関する質の高い研究論文を収集し、分析したナラティブレビュー(記述的総説)です。
研究結果
炭水化物の摂取(特に最初の数時間)が最も重要であり、タンパク質の追加摂取も筋肉修復に有効でした。また、水分補給には牛乳や電解質飲料が適しており、特定の条件下ではカフェインや重曹もパフォーマンス向上に寄与することが示されました。
結論
短期間の回復には、十分な炭水化物とタンパク質の摂取、および適切な水分補給が基礎となります。さらに個々の状況に合わせてサプリメントを組み合わせる「個別化」された戦略が、次の試合や練習でのパフォーマンス維持に不可欠です。
考察
栄養戦略の効果は、運動の種類や個人の体質(性別やトレーニング状況)によって異なる可能性があります。今後は、より実践的な状況(実際の競技会など)での検証や、女性アスリートを対象とした研究が必要です。
研究の目的
この研究が解決しようとしたのは、「1日に複数回の試合があるトーナメントや、毎日の激しい練習の合間に、何をどう摂取すれば『完全に回復』できるのか?」という現場の切実な課題です。
これまでも「運動後は炭水化物」と言われてきましたが、具体的に「どの種類を?」「他の栄養素と組み合わせるとどうなる?」といった細かい戦略までは統一されていませんでした。
本研究は、炭水化物だけでなく、タンパク質、脂質、水分、さらには注目のサプリメントまでを網羅し、短時間リカバリーのための決定版ガイドラインを作ろうとしたものです。

研究の対象者と背景
この論文は「ナラティブレビュー」という形式をとっており、特定の被験者一人ひとりを調査したものではなく、過去に行われた多数の高品質な研究(ランダム化比較試験など)を統合して分析しています。
対象
世界各国の持久系アスリート、チームスポーツ選手、レジスタンストレーニングを行う人々など、幅広い活動的な男女が含まれます。
注意点
多くの研究は男性アスリートを対象としており、女性特有の生理学的反応(月経周期など)についてはまだデータが不足している部分があります。
しかし、基本的な代謝の仕組みは共通しているため、日本人のアスリートや運動愛好家にとっても極めて有益な情報源となります。

研究の手法と分析の概要
研究チームは、膨大な文献の中から信頼性の高いエビデンス(科学的根拠)を選び出すために、以下の基準で分類・分析を行いました。
調査対象
「後続の運動パフォーマンス(Subsequent Exercise Performance)」に影響を与える栄養素。
評価の枠組み
エビデンスの強さを3段階に分類しました。
グレードI(強い証拠)
炭水化物など、効果が確実視されているもの。
グレードII(中程度の証拠)
重曹やクレアチンなど、効果はあるが条件によるもの。
グレードIII(限定的な証拠)
脂質や微量栄養素など、まだ研究が少ないもの。
「なぜこの手法か?」というと、単一の研究ではたまたま出た結果かもしれないものを、複数の研究を横断的に見ることで、「本当に効くもの」と「怪しいもの」をふるいにかけるためです。

【補足:各種用語】
グリコーゲン
筋肉や肝臓に蓄えられる「糖」のエネルギー貯蔵形態。ガソリンのようなもので、これが枯渇するとスタミナ切れになります。
ナラティブレビュー
特定のテーマについて、既存の研究論文を集めて著者がストーリーとしてまとめた総説のこと。
重曹(炭酸水素ナトリウム)
一般的には掃除や料理に使われますが、スポーツ界では体が酸性に傾くのを防ぐ「緩衝剤」として注目されています。
研究結果
今回のレビュー論文で判明した、短時間リカバリー(数時間〜24時間以内)における「勝てる栄養戦略」の全貌を解説します。最大の発見は、**「最初の4時間の過ごし方が、次の試合のパフォーマンスを決定づける」**という点です。
【最重要】炭水化物の「量」と「頻度」の正解
まず、エネルギーの源であるグリコーゲン(ガソリン)を回復させるための鉄則です。
量
運動終了直後の4時間は、体重1kgあたり1時間につき「1.0〜1.2g」の炭水化物摂取が必要です。
頻度(ここが重要!)
これは「1時間に1回まとめて食べる」という意味ではありません。
研究では「少量ずつ頻繁に(Small and more frequent doses)」摂取することが推奨されています。
例
体重60kgの選手の場合、1時間あたり約60〜72gの炭水化物が必要です。
これを「30分おきにおにぎり1個ずつ」や「15分おきにドリンクとバナナを交互に」といった形で、胃腸に負担をかけないよう小分けにして体内へ送り込むのがベストです。
タンパク質の「ちょい足し」効果
炭水化物だけでも回復は可能ですが、そこにタンパク質を加えることで「回復の保険」がかけられます。
炭水化物の摂取量が十分でない場合でも、タンパク質(0.3〜0.4g/kg、約20〜40g)を一緒に摂ることで、筋肉の修復が進み、グリコーゲン合成が助けられます。
牛乳やチョコレートミルクは、水分・糖質・タンパク質・電解質を同時に摂れるため、非常に優秀なリカバリードリンクであることが再確認されました。

「ここぞ」のサプリメント戦略
次の試合まで本当に時間がない場合、以下のサプリメントが助けになります。
カフェイン
体重1kgあたり3〜8mgを炭水化物と同時に摂ると、グリコーゲンの回復が約66%早まるデータや、次の運動のパフォーマンスが向上する可能性があります(ただし、睡眠への影響に注意)。
重曹(炭酸水素ナトリウム)
体重1kgあたり0.2〜0.4gを摂取すると、体内の酸性化を防ぎ、次の激しい運動(特に格闘技やスプリント)での持久力を維持できる可能性があります。
変化がなかった指標(陰性所見)
脂質を摂っても回復が早まるわけではありませんでしたが、逆にグリコーゲンの回復を邪魔することもありませんでした。
つまり、消化さえ良ければ、少し脂っこい食事が混ざっても過度に恐れる必要はありません。
統計的有意性と解釈
炭水化物とタンパク質を同時摂取した場合、次の運動パフォーマンスが0.6%〜1.6%向上するというデータがあります。
「たった1%?」と思うかもしれませんが、オリンピックや僅差の試合において、この1%はメダルと4位を分ける決定的な差となります。
短時間リカバリーのための栄養推奨まとめ
| 栄養素・要素 | 推奨される摂取量・方法 | 具体的なアクション例(体重60kg想定) |
| 炭水化物 | 最初の4時間は毎時 1.0〜1.2g/kg<br>※少量ずつ頻繁に摂取する | おにぎり、バナナ、ゼリー飲料を20〜30分おきにこまめに食べる。 |
| タンパク質 | 20〜40g(または0.3〜0.4g/kg) | 運動直後にプロテインやサラダチキン、牛乳をプラスする。 |
| 水分 | 失った体重の**150%**の量を飲む | 汗で1kg減ったら、1.5リットルを数回に分けて飲む。 |
| カフェイン | 体重1kgあたり3〜8mg | 次の試合の1時間前にコーヒーやカフェイン錠剤を活用(要事前テスト)。 |
| 重曹 | 体重1kgあたり0.2〜0.4g | 激しい運動が続く場合のみ検討。胃腸への負担があるため注意が必要。 |
この結果は、私たちが漫然と行っていた「とりあえず食べる」という行為を、「戦略的に、こまめにチャージする」という行為に変えるだけで、ライバルに差をつけられることを意味しています。

研究の結論
「こまめな炭水化物」をベースに、「タンパク質」で補強し、「サプリ」でブーストせよ。
短期間(24時間以内)での回復において、最も重要なのは「枯渇したグリコーゲン(燃料)をいかに速く満タンにするか」です。
そのためには、運動直後から高頻度で炭水化物を身体に送り込み続けることが最優先事項です。
その上で、筋肉の修復を助けるタンパク質や、パフォーマンスを底上げするカフェイン・重曹を「個人の体質に合わせて」組み合わせるのが、現代スポーツ科学が導き出した最適解です。

礼次郎の考察とまとめ
論文著者らの考察
著者らは、炭水化物の摂取についてはほぼ結論が出ているものの、「性差(男女の違い)」や「個人差」についてはまだ解明されていない部分が多いと指摘しています。
特に女性アスリートはホルモンバランスの影響を受けるため、男性と同じ戦略が常にベストとは限りません。
また、抗酸化物質(ビタミンCやEなど)の大量摂取は、長期的にはトレーニング効果(筋肉の適応)を弱めてしまう可能性も示唆しており、試合期と練習期で使い分ける必要があると述べています。

日常生活へのアドバイス
この論文から、私たち日本人が明日から使える具体的なアクションプランはこちらです!
運動直後の「ゴールデンタイム」を逃すな
運動が終わったら、着替えよりも先にまずは「おにぎり」や「バナナ」を口に入れましょう。
最初の数時間が勝負です。
「牛乳」は優秀なリカバリードリンク
水分、タンパク質、炭水化物、電解質が全て入った牛乳は、実は最強のスポーツドリンクの代わりになります。
運動後にコップ1〜2杯を。
1日2試合なら「合わせ技」で
昼休憩には炭水化物(うどんやおにぎり)に加え、消化の良いタンパク質(サラダチキンやプロテイン)を摂りましょう。
脂っこいカツ丼は消化に時間がかかるので避けるのが無難です。
ここぞという時の「コーヒー」
次の運動まで少し休み、再開する1時間ほど前にコーヒーを飲むと、疲労感を飛ばしてパフォーマンスを上げられる可能性があります(ただし飲み過ぎによる夜の不眠には注意!)。

「疲れたらとりあえず焼肉!」と思いがちですが、科学的には「まずはおにぎりと牛乳」が正解のようですね。
焼肉は試合が全部終わった後のご褒美にとっておきましょう!
締めのひとこと
「次の試合の勝敗は、試合が終わった直後の「一口」で決まっている。」

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!
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これからも皆さまの知的好奇心を満足させられる情報をお届けできるよう努力していきます。
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記事の内容は、筆者自身が論文を読み解き、わかりやすく要約・執筆しています。
免責事項
本記事でご紹介した内容は、あくまで特定の査読済み医学論文の科学的知見を解説することのみを目的としており、筆者(Dr.礼次郎)個人の、診療上の推奨や個人的な意見ではありません。
特定の治療方法、治療薬、生活スタイル、食品などを批判する意図や、推奨する意図は一切ございません。
本記事は、医師による診断や個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
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