たった10分で脳と体が覚醒?「NSDR」が昼寝を超える最強の休息法かもしれない【NSDR第3弾】

NSDR(Non-Sleep Deep Rest)を行い、脳の認知機能回復と握力など身体パフォーマンスの回復が促されている様子を示したレトロ調医療イラスト

結論「たった10分間の「意識的な休息(NSDR)」は、ただ座っているよりも握力を高め、脳の反応速度を上げ、ストレスを劇的に減らすことが判明しました。」

この記事はこんな方におすすめ

✅昼寝をすると逆に頭がボーっとしてしまう方
✅短時間で効率的にリフレッシュして仕事のパフォーマンスを上げたい方
✅「瞑想」に挑戦したけれど、難しくて続かなかった方
✅重要な会議やスポーツの試合前に、コンディションを整えたい方

時間のない方・結論だけサクッと知りたい方へ

🔴疑問:昼寝でも瞑想でもない、たった10分の「横になって音声ガイドを聴くだけの休息(NSDR)」で、本当に身体や脳のパフォーマンスは上がるのでしょうか?

🟡結果:ただ座って休んだ人たちに比べ、NSDRを行った人たちは握力が約4%向上し、脳の反応速度が速くなり、認知テストの正確性もアップしました。さらに、ストレス感が減り、気分がスッキリするという結果が出ました。

🟢教訓:スマホを見てダラダラ休憩する10分があるなら、イヤホンをして目を閉じ、「NSDR(ヨガニドラ)」の音声ガイドを聴きながら脱力しましょう。眠らずに脳と体を回復させる強力な武器になります。

🔵対象:オーストラリアの、普段から運動をしている健康な若者65名が対象です。人間の基本的な生理反応に基づくため、忙しい日本人にも十分応用可能と考えられます。

※本記事内の画像は主にChat GPTおよびGeminiを用いて、すべてAIで生成しております。
すべてイメージ画像であり、本文の内容を正確に表したものではありません。
あらかじめご了承ください。

はじめに

皆さん、こんにちは!

皆さん、こんにちは! 「お昼過ぎになるとどうしても集中力が切れる…でも昼寝をする場所も時間もない…」と悩んでいませんか?

昨日に引き続き、NSDR(Non-Sleep Deep Rest)を取り上げること第3弾となります。

ついつい休憩時間にスマホでSNSを眺めてしまい、休憩したはずなのに余計に目が疲れてしまった、なんて経験は誰にでもあるはずです。

わたしも、リフレッシュのつもりで動画を見続けてしまい、気付いたら休憩時間が終わっていて自己嫌悪…という失敗をよくしていま す。

本日ご紹介するのは、そんな悩みを解決するかもしれない「10分間のNSDRが身体・認知・ストレス反応に与える急性効果を解析した研究」です。

今回取り上げる論文は、心理学と健康の応用科学を専門とする国際的な医学雑誌『Applied Psychology: Health and Well-Being』に掲載された、信頼性の高い報告です。

今回は、たった10分で心身をリセットできるかもしれないこの魔法のような休息法について、一緒に読み解いていきましょう。

noteで簡略版も公開しています↓↓↓

10分で脳と体が覚醒?最強の休息法「NSDR」の驚くべき効果|Dr.礼次郎
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自己紹介

こんにちは! 某県の大規模病院で外科医として約20年の経験を持つ「医学論文ハンター・Dr.礼次郎」です。

海外の権威ある医学雑誌に掲載された論文を一編ずつ読み解いた、

生の一次情報をもとに、医学に詳しくない方にもわかりやすく解説しています。

日々、皆さんに信頼できる医療情報をお届けします!

信頼できる医学情報を発信する外科医・Dr.礼次郎が指を指すイラスト

※本記事は、PubMed掲載の査読付き論文をもとに、現役医師が一次情報をわかりやすく解説しています。
以下に出典を明示し、信頼性の高い医療情報をお届けします。

今回読んだ論文

“”The acute effects of nonsleep deep rest on perceptual responses, physical, and cognitive performance in physically active participants””

(身体活動を行う参加者における知覚反応、身体的および認知的パフォーマンスに対する非睡眠時深い休息(NSDR)の急性効果)

Omar Boukhris, Haresh Suppiah, Shona Halson, et al.

Appl Psychol Health Well Being. 2024 Nov;16(4):1967-1987. doi: 10.1111/aphw.12571. Epub 2024 Jul 2.

PMID: 38953770 DOI: 10.1111/aphw.12571

掲載雑誌:Applied Psychology: Health and Well-Being【イギリス IF 6.5(2023)】 2024年より

研究の要旨(Abstract)

研究目的

運動習慣のある人を対象に、10分間のNSDR(非睡眠時深い休息)が、身体能力、認知機能、そして気分やストレスにどのような即効性のある影響を与えるかを検証しました。

研究方法

65名の参加者を「NSDRを行うグループ」と「ただ座って休むグループ(対照群)」にランダムに分け、介入前後のパフォーマンスや心理状態の変化を測定・比較しました。

研究結果

NSDRを行ったグループは、対照群と比較して、握力、脳の反応速度、課題の正確性が有意に向上しました。また、疲労感やストレス、ネガティブな感情も大幅に改善しました。

結論

NSDRは、短時間で身体的および認知的な準備状態(レディネス)を高め、気分を改善するための有効な戦略であると結論づけられました。

考察

NSDRは、昼寝のように睡眠慣性(起きた後のダルさ)を引き起こすことなく、副交感神経を活性化させ、リラックスと覚醒を両立させる効果的なリカバリー方法であると考えられます。

研究の目的

この研究が解決しようとした問いは、「睡眠不足やストレスを抱える現代人(特にアスリート)にとって、昼寝や瞑想に代わる『より手軽で確実な回復法』はないか?」という点です。

従来、パフォーマンス回復には「昼寝」が良いとされてきましたが、昼寝には「起きても頭がボーッとする(睡眠慣性)」リスクや、場所の確保が難しいという課題がありました。

また、「瞑想」は習得が難しく、挫折する人も少なくありません。

そこで研究チームは、意識を保ったまま深いリラックス状態を作る「NSDR(Non-Sleep Deep Rest)」という手法に着目し、たった10分で心身にプラスの効果が出るのかを科学的に確かめようとしたのです。

研究の対象者と背景

この研究の対象となったのは、以下の人々です。

人数・属性

65名の身体的に活動的な男女(男性42名、女性23名)。

年齢

平均約21歳。

背景

オーストラリアの大学の研究に参加した、普段から週に平均9時間程度運動をしているレクリエーション・アスリートたちです。

対象はオーストラリアの若者ですが、NSDRが作用するのは自律神経系(リラックスの神経)という人間の根本的な生理機能です。

人種による大きな違いが出にくい部分であるため、私たち日本人にとっても十分に当てはまる結果だと考えられます。

ただし、普段全く運動しない人や高齢者の場合、身体反応の程度は多少異なる可能性があることは念頭に置いておきましょう。

研究の手法と分析の概要

研究の信頼性を担保するために、以下のような厳密な手法がとられました。

デザイン

ランダム化比較試験(RCT)。

参加者をくじ引きのようにランダムに2つのグループに分けました。

NSDR群(34名)

暗い部屋でマットに横になり、10分間の音声ガイド(呼吸法やボディスキャン)を聴く。

対照群(31名)

別の部屋で10分間、スマホなども見ずにただ静かに座って過ごす。

評価方法

身体テスト

握力計での測定、垂直跳び(CMJ)。

脳のテスト

パソコンを使った反応速度テスト(PVT-B)と、判断の正確さを測るテスト(サイモン課題)。

アンケート

眠気、気分の状態、疲労回復感などを点数化。

分析のポイント

 10分間の「前後」で数値がどう変化したかを比較し、さらに「ただ座っていたグループ」と比べて「NSDRグループ」の変化が偶然ではないか(統計的に有意か)を厳密に計算しています。

【補足:各種用語】

NSDR(Non-Sleep Deep Rest)

眠らずに、意識はあるけれど深いリラックス状態にあること。
ヨガニドラ(眠りのヨガ)やボディスキャンなどがこれに含まれます。

PVT-B(精神運動警戒課題)

画面に光が出たらスペースキーを押す単純なテスト。
集中力の持続や反応速度を測ります。

サイモン課題

画面に出る図形の色や位置に惑わされずに、正しいキーを押すテスト。
脳の「抑制機能」や「判断力」を測ります。

有意(ゆうい)

統計学的に「偶然ではなく、意味のある差がある」と判断されること。

研究結果

ここからが一番面白いところです。たった10分の休息で、驚くべき差が出ました。

「握力」がアップした!(身体パワーの向上)

ただ座っていたグループは握力がわずかに低下(-1.1%)したのに対し、NSDRを行ったグループは、なんと握力が約4%も向上しました。

これは、たった10分のリラックスで、神経系の疲労が取れ、筋肉に力が入るようになったことを示唆しています。

「脳の反応」が速く、正確になった!(認知機能の向上)

脳のスタミナと切れ味も劇的に良くなりました。

反応速度

NSDRグループは、単純な反応速度が約6.1%速くなりました。

判断の正確さ

複雑な判断を要するテスト(サイモン課題)でも、正答率が約2%向上しました。 

対照群ではこれらの改善は見られませんでした。

ストレスが減り、気分が最高に

アンケートの結果も圧勝でした。NSDR後は、「身体的な準備が整った」「感情のバランスが取れた」「全体的に回復した」という感覚が大幅にアップ。

逆に、「筋肉の緊張」「ネガティブな感情」「全体的なストレス」「怒り・混乱・疲労」といったマイナスの数値はガクンと下がりました。

変化がなかったこと(重要な陰性所見)

一方で、変化しなかったものもあります。

ジャンプ力(垂直跳び)

これには変化がありませんでした。

ジャンプのような全身を使う複雑な動作には、10分では足りなかったのかもしれません。

眠気

NSDRをしても「眠気」のスコアは変わりませんでした。

これは「リラックスはしたけれど、眠くなってボーッとしているわけではない(覚醒している)」という、理想的な状態を示しています。

これらはすべて統計的に信頼できる(有意な)変化でした。

つまり、NSDRは「眠らずに疲れを取り、頭をシャキッとさせ、パワーを取り戻す」魔法のような10分間だったのです。

研究の結論

NSDRは、短時間で心身の”戦闘準備”を整える最強のツールである

この研究の結論は、NSDRが単なるリラクゼーションに留まらず、身体機能と脳機能の両方を即座にブーストさせる実用的なメソッドであることを科学的に証明しました。

特に、昼寝のような「寝起きのだるさ」という副作用なしにこれらを達成できる点が、科学的知見として非常に大きな意味を持ちます。

礼次郎の考察とまとめ

論文著者らの考察

著者らは、NSDRが「副交感神経(リラックスの神経)」を活性化させたことで、筋肉の無駄な緊張が取れて血流が良くなり、結果として筋力が発揮しやすくなったのではないかと推測しています。

また、脳に関しては、NSDR中の脳波が「浅い睡眠」に近い状態になり、それが脳のメモリを整理して認知機能を回復させた可能性があります。

ただし、著者らは「今回は脳波などを直接測っていないので、メカニズムの解明は今後の課題だ」とも正直に述べています。

日常生活へのアドバイス

この論文から私たちが学び、明日から使えるヒントは以下の通りです。

「スマホ休憩」をやめる

ただ座ってスマホを見るだけの休憩(対照群の状態)では、疲労回復効果は薄いことがわかりました。休憩時は情報を遮断しましょう。

ここぞという時の10分前に行う

重要なプレゼン、商談、あるいはスポーツの試合の直前に10分間NSDRを行いましょう。

握力(パワー)と判断力が上がるので、最高のパフォーマンスが出せるはずです。

YouTubeを活用する

特別な修行は不要です。

「NSDR」や「ヨガニドラ」「ボディスキャン」と検索し、出てきた10分程度の音声ガイドに従って、横になるか椅子に深く座るだけでOKです。

眠らなくていい

NSDRのコツは「意識を保ったまま休む」ことです。

眠ってしまわなくても、ガイドを聞き流しているだけで効果があります。

「休むこと」もまた、能動的な「トレーニング」の一部なんですね。

忙しい私たちは「休む=サボり」と思いがちですが、たった10分でこれだけ能力が戻るなら、やらない手はありません。

わたしも手術の合間には、コーヒーではなくイヤホンを手に取ろうと思います。

締めのひとこと

「たった10分の”何もしない勇気”が、あなたの隠れた能力を覚醒させる鍵になる。」

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!

もし本記事が参考になったら、他の記事もぜひのぞいてみてください。

これからも皆さまの知的好奇心を満足させられる情報をお届けできるよう努力していきます。

本ブログでは、Pubmed医中誌Clinical Keyヒポクラm3日経メディカルケアネットなどの信頼性ある医療情報サイトを参考に、論文の検索・選定を行っています。
記事の内容は、筆者自身が論文を読み解き、わかりやすく要約・執筆しています。

画像は主にChat GPT・Geminiを使用しAIで作成しております。

あくまでも、すべてイメージ画像です。

本文の内容を正確に表した画像ではありませんのでご注意ください。

免責事項

本記事でご紹介した内容は、あくまで特定の査読済み医学論文の科学的知見を解説することのみを目的としており、筆者(Dr.礼次郎)個人の、診療上の推奨や個人的な意見ではありません。

特定の治療方法、治療薬、生活スタイル、食品などを批判する意図や、推奨する意図は一切ございません。

本記事は、医師による診断や個別の医療アドバイスに代わるものではありません。

実際の治療方針や服薬については、必ず主治医にご相談ください。

読者の皆様は、記事の内容をご自身の責任において吟味し、適切に判断してご利用ください。

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