
結論「この30年で世界は激変しました。全人類のデータ解析により、地球上の肥満人口が10億人を超え、「やせ」よりも「肥満」が圧倒的多数派になったことが証明されました。」
この記事はこんな方におすすめ
✅信頼できる「世界最高レベル」の健康情報や統計データを知りたい方
✅自分や子供の体型変化が、個人的な問題なのか環境の問題なのか知りたい方
✅「昔に比べて太りやすくなった」と感じているが、その原因を深く理解したい方
✅ネット上の曖昧な健康情報ではなく、科学的根拠(エビデンス)に基づいた知識を求めている方
時間のない方・結論だけサクッと知りたい方へ
🔴疑問:世界の人々の体型は、過去30年でどう変わったのか?「やせ」と「肥満」、どちらが人類の脅威なのか?
🟡結果:1990年以降、世界の肥満率は成人で2倍以上、子供・青年で4倍に急増しました。2022年時点で肥満人口は総計10億人を超え、多くの国で「低体重」の問題を「肥満」が上回りました。
🟢教訓:肥満の急増は個人の意思だけでなく、加工食品の普及など「環境の変化」が主因です。食事の「質」を見直すことが最大の防御策です。
🔵対象:世界200の国と地域、合計2億2200万人(5歳〜成人)の実測データ。世界最高峰の医学誌『The Lancet』による、医学史上でも類を見ない規模と信頼性を誇る解析結果です。

※本記事内の画像は主にChat GPTおよびGeminiを用いて、すべてAIで生成しております。
すべてイメージ画像であり、本文の内容を正確に表したものではありません。
あらかじめご了承ください。
はじめに
皆さん、こんにちは!
「最近、健康に関する情報が多すぎて、何を信じればいいのかわからない…」
そんなふうに感じたことはありませんか?
ネットニュースやSNSでは、個人の体験談や小規模な調査結果がまるで世界の真実かのように語られることがよくあります。
しかし、本日ご紹介するのは、そうした有象無象の情報とは次元が異なる、医学研究の頂点に位置する報告です。
掲載されたのは、イギリスが誇る世界最高峰の医学雑誌『The Lancet(ランセット)』。
そして驚くべきは、その調査規模です。
なんと世界200の国と地域から、2億2200万人分もの身長・体重データを集めて解析しています。
これは単なる一研究を超えた、人類の健康状態を記録した歴史書と言っても過言ではありません。
「人類は過去30年でどれほど巨大化したのか?」
この問いに対し、これ以上ない精度と信頼性で答えを出した「究極のデータ」を、一緒に読み解いていきましょう。

noteで簡略版も公開しています↓↓↓

自己紹介
こんにちは! 某県の大規模病院で外科医として約20年の経験を持つ「医学論文ハンター・Dr.礼次郎」です。
海外の権威ある医学雑誌に掲載された論文を一編ずつ読み解いた、
生の「一次情報」をもとに、医学に詳しくない方にもわかりやすく解説しています。
日々、皆さんに信頼できる医療情報をお届けします!

※本記事は、PubMed掲載の査読付き論文をもとに、現役医師が一次情報をわかりやすく解説しています。
以下に出典を明示し、信頼性の高い医療情報をお届けします。
今回読んだ論文
“”Worldwide trends in underweight and obesity from 1990 to 2022: a pooled analysis of 3663 population-representative studies with 222 million children, adolescents, and adults””
(1990年から2022年までの低体重と肥満の世界的な傾向:2億2200万人の子供、青年、成人を含む3663の人口代表研究のプール解析)
NCD Risk Factor Collaboration (NCD-RisC)
Lancet. 2024 Mar 16;403(10431):1027-1050. doi: 10.1016/S0140-6736(23)02750-2. Epub 2024 Feb 29.
PMID: 38432237 DOI: 10.1016/S0140-6736(23)02750-2
掲載雑誌:The Lancet【イギリス IF 88.5(2024)】 2024年より
研究の要旨(Abstract)
研究目的
1990年から2022年までの世界200の国と地域における、低体重(やせ)と肥満のそれぞれの割合、およびそれらが組み合わさった「複合的な負担」の推移を解明すること。
研究方法
身長と体重が実際に測定された3,663件の人口代表研究(参加者総数2億2200万人)のデータを収集し、ベイズ階層モデルという高度な統計手法で解析しました。
研究結果
この約30年間で、世界中のほとんどの国で肥満率が上昇しました。
成人の肥満人口は8億人以上、子供・青年は約1億6000万人に達し、合計で10億人を超えました。
結論
世界の栄養問題の主役は「低体重」から「肥満」へと完全に移行しました。
特に低所得・中所得国での肥満増加が著しいです。
考察
健康的な食品へのアクセス改善など、この急激な「栄養転換」に対応した政策(質の高い食事へのアクセス確保など)が急務です。
研究の目的
この研究が挑んだ課題は、「地球規模での栄養状態の完全なマッピング」です。
これまでも国ごとのデータはありましたが、最新かつ世界全体を網羅した包括的なデータは2016年のもので止まっていました。
また、「低体重」と「肥満」は別々の問題として扱われがちですが、実際には一つの国の中でこの二つが同時進行したり、入れ替わったりしています。
研究チームは、1990年から2022年という30年以上のスパンで、子供から大人までを一気通貫で分析することで、世界が直面している「二重の負担(やせと肥満)」の実態を明らかにしようとしました。

研究の対象者と背景
対象者
世界200の国と地域の一般住民(5歳以上)。
規模
3,663の研究から集められた2億2200万人のデータ。
データ期間
1990年〜2022年。
特筆すべき点
自己申告(「私は体重〇kgです」という回答)ではなく、実際に測定されたデータのみを使用しているため、極めて客観性が高いです。
日本人への適用
日本のデータももちろん含まれています。

ただし、世界全体が「肥満」へシフトする中、日本を含む一部のアジア地域や高所得国の女性においては、「やせ」も依然として課題であるという特殊性も示唆されています。
研究の手法と分析の概要
この研究の凄みは、その統計処理の緻密さにあります。
世界中のデータを集めると、どうしてもデータが取れていない国や年代が出てきます。
そこを埋めるために、「ベイズ階層モデル」という非常に高度な統計手法を使っています。
これにより、データが少ない国の推計も、近隣諸国や地域のトレンド、時間の流れを加味して高精度に算出しています。
まさに「データの空白を科学で埋める」作業を行い、地球全体の体型変化を可視化したのです。

【補足:各種用語】
BMI(Body Mass Index)
肥満度を表す国際的な指標。
体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m) で算出します。
本研究では成人の場合、30以上を「肥満」、18.5未満を「低体重」と定義しています。
二重負荷(Double Burden)
同じ地域や社会の中で、「低体重(栄養不足)」と「肥満(栄養過多)」の両方が健康問題として存在している状態のこと。
プール解析
複数の研究データを集めて統合し、一つの大きなデータセットとして再解析する手法。
単独の研究では見えない傾向や、より信頼性の高い結果を導き出すことができます。
研究結果
肥満人口が爆発的に増加、ついに10億人を突破
2022年の時点で、肥満と判定された人数の推定値は以下の通りです。
成人
約8億7900万人(1990年から激増)
子供・青年(5〜19歳)
約1億5900万人
これらを合計すると、約10億3800万人となり、世界人口の8人に1人が肥満という計算になります。
1990年と比較すると、成人の肥満率は2倍以上、子供・青年では4倍に跳ね上がりました。
「やせ」から「肥満」への完全なるパラダイムシフト
1990年当時、世界の多くの国では「肥満」よりも「やせ(低体重)」の方が深刻な問題でした。
しかし2022年には状況が逆転しました。
統計的に見て、世界の国の約90%(女性の場合)において、肥満人口が低体重人口を上回っています。
人類の歴史上、これほど短期間に体型が劇的に変化した例はありません。

子供たちの変化スピードが凄まじい
特に衝撃的なのは子供たちのデータです。
女子の肥満率
1.7% → 6.9%
男子の肥満率
2.1% → 9.3% わずか30年で約4倍です。
これは遺伝子の変化では説明がつかず、環境の変化がいかに大きかったかを物語っています。

変化しなかった指標(陰性所見)
一方で、「低体重」が完全に解決されたわけではありません。
南アジア(インドなど)やアフリカの一部では、依然として低体重の割合が高いまま推移しています。
これは、世界が豊かになった一方で、取り残された地域や層が存在することを示しています。
この結果の意味
このデータは、肥満の増加が「個人の怠慢」ではなく、「世界的な構造変化」であることを示しています。
アメリカやヨーロッパだけでなく、ポリネシア・ミクロネシアや中東、カリブ海諸国でも肥満率は極めて高く、もはや地球全体の課題であることが証明されました。
【驚愕の例外】日本だけが「逆走」している
ここが日本人にとって最も重要なデータです。
世界中が肥満に向かう中、日本の成人女性(および韓国の女性)だけは、統計的に意味のあるレベルで「低体重(やせ)」が増加したと報告されています。
さらに、世界の高所得国(High-income countries)の中で、日本(女性)は唯一、「肥満率」よりも「低体重率」の方が高い国として残り続けています。
絶対数で見ても、日本はインドやエチオピアといった発展途上国と並んで、世界で最も低体重の成人が多い国の一つに数えられています。
世界は「肥満環境」に飲み込まれましたが、日本は逆に「過度なやせ信仰」という別の問題に直面している可能性があります。
研究の結論
「栄養の二重負荷」の中身が、歴史的な転換を遂げました。
かつて人類の敵は「飢え(低体重)」でしたが、今や「質の悪い飽食(肥満)」が、低所得国を含めた世界全体の主要な脅威となりました。
特にポリネシア・ミクロネシアなどの島国では、成人の肥満率が60%を超えるなど、事態は深刻です。
この研究は、全世界に向けて「食環境の改善」を強く訴える警鐘となっています。

礼次郎の考察とまとめ
論文著者らの考察
著者らは、この世界的な肥満爆発の原因として「食環境の変化」を挙げています。
都市化、スーパーマーケットの普及、そして何より「加工食品」へのアクセスの容易さです。
高カロリーで栄養価の低い食品が、世界の隅々まで安価に届くようになった結果が、このデータに表れています。
また、気候変動やパンデミックによる食料価格の高騰が、貧困層に対し「質の良い食材」を遠ざけ、逆に「安価で太りやすい加工食品」への依存を深めるリスクについても警告しています。

日常生活へのアドバイス
2億人以上のデータが示す「人類の巨大化」の波に飲み込まれないために、私たちが明日からできることをまとめました。
「環境」のせいにしてもいい(まずは自分を責めない)
このデータが示す通り、肥満は世界的なトレンドです。
もし体重管理がうまくいかなくても、それはあなたの意志が弱いからではなく、現代社会が「肥満を促進する環境」だからです。
まずはこの事実を知り、無駄な罪悪感を手放しましょう。
「超加工食品」との付き合い方を見直す
論文は、加工食品の流通が肥満の主因の一つであることを示唆しています。
カロリー計算も大切ですが、それ以上に「原形をとどめた食材(野菜、肉、魚、米など)」を食べる比率を少しでも増やすことが、最強の対抗策になります。
子供の未来を守るための「家庭内環境」
子供の肥満率は4倍になっています。
子供は食べるものを選べません。
家の中に置くお菓子やジュースを減らし、健康的な選択肢を増やすことは、親ができる最大のプレゼントです。
「やせ」のリスクも忘れない
世界が肥満に向かう中、日本の女性など一部の層では「やせ願望」による低体重が依然として問題視されています。
この論文でも日本は特異な例として触れられています。
「細ければいい」という価値観にとらわれず、適切な栄養摂取を心がけることも、私たち日本人には必要です。

2億人のデータ解析という「科学の力」が、私たちの現状を容赦なく映し出しました。
しかし、現状を知ることこそが改善への第一歩。
数字に圧倒されず、今日の一食を大切にすることから始めましょう。
締めのひとこと
「10億人という数字の波に飲まれず、自分らしい健康のペースを守りましょう。」

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!
もし本記事が参考になったら、他の記事もぜひのぞいてみてください。
これからも皆さまの知的好奇心を満足させられる情報をお届けできるよう努力していきます。
本ブログでは、Pubmed、医中誌、Clinical Key、ヒポクラ、m3、日経メディカル、ケアネットなどの信頼性ある医療情報サイトを参考に、論文の検索・選定を行っています。
記事の内容は、筆者自身が論文を読み解き、わかりやすく要約・執筆しています。
免責事項
本記事でご紹介した内容は、あくまで特定の査読済み医学論文の科学的知見を解説することのみを目的としており、筆者(Dr.礼次郎)個人の、診療上の推奨や個人的な意見ではありません。
特定の治療方法、治療薬、生活スタイル、食品などを批判する意図や、推奨する意図は一切ございません。
本記事は、医師による診断や個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
実際の治療方針や服薬については、必ず主治医にご相談ください。
読者の皆様は、記事の内容をご自身の責任において吟味し、適切に判断してご利用ください。
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