加熱式たばこでも肺は守れない?禁煙と比べた驚きの最新研究結果【動物実験】

加熱式たばこは肺を守れない|紙巻きたばことの比較と禁煙後の健康な肺を示す医療イラスト

結論「紙巻きから加熱式に変えても肺は守れない。免疫力の回復は禁煙に遠く及ばない」

この記事はこんな方におすすめ

✅加熱式たばこに切り替えたら安全だと思っている方
✅肺の健康や感染症への抵抗力を本気で取り戻したい方
✅禁煙しようか迷っている方
✅手術や持病のために禁煙を勧められている方

時間のない方・結論だけサクッと知りたい方へ

🔴疑問:禁煙せずに加熱式たばこに変えれば肺は回復するのか?
🟡結果:初期の感染防御力はほぼ改善せず、禁煙に比べ大きく劣る。
🟢教訓:肺と免疫を守る唯一の方法は「やめる」こと。
🔵対象:米国のマウス実験だが、人間にも当てはまる可能性が高い。

※本記事内の画像は主にChat GPTおよびGeminiを用いて、すべてAIで生成しております。
すべてイメージ画像であり、本文の内容を正確に表したものではありません。
あらかじめご了承ください。

はじめに

皆さん、こんにちは!

わたしは外科医として日々手術に携わっています。

手術を予定されている患者さんには、原則として全員に禁煙をお願いしています。

なぜかというと、喫煙を続けたまま手術を受けると、肺炎などの術後合併症のリスクが一気に高まり、場合によっては人工呼吸器管理が必要になり、命に関わることさえあるからです。

それほど禁煙は大事なので、どうしてもやめられない方には手術そのものを延期・中止することもあります。

ところが近年、「加熱式たばこなら大丈夫ですよね?」とか、「紙巻きはやめたけど加熱式は吸ってました」というケースが少なくありません。

我々のスタンスは、紙巻きも加熱式も葉巻もすべて「ノー」。

理由は、加熱式たばこは登場してまだ歴史が浅く、安全性が確立されていないからです。

外科医としては、紙巻きと同じリスクを持つ可能性がある以上、同列に扱います。

そんな中、最近になってようやく「加熱式たばこ」の長期的な影響を検証する科学的な研究が出てきました。

今回ご紹介するのは、その一つ。

米国の呼吸器専門誌『Respiratory Research』に掲載された最新の実験研究で、加熱式たばこが肺感染症に与える影響を、紙巻きや禁煙と直接比較しています。

では早速読み解いていきましょう!

自己紹介

こんにちは! 某県の大規模病院で外科医として約20年の経験を持つ「医学論文ハンター・Dr.礼次郎」です。

海外の権威ある医学雑誌に掲載された論文を一編ずつ読み解いた、

生の一次情報をもとに、医学に詳しくない方にもわかりやすく解説しています。

日々、皆さんに信頼できる医療情報をお届けします!

信頼できる医学情報を発信する外科医・Dr.礼次郎が指を指すイラスト

※本記事は、PubMed掲載の査読付き論文をもとに、現役医師が一次情報をわかりやすく解説しています。
以下に出典を明示し、信頼性の高い医療情報をお届けします。

今回読んだ論文

“Can switching from cigarettes to heated tobacco products reduce consequences of pulmonary infection?”

(紙巻きたばこから加熱式たばこへの切り替えは、肺感染症の影響を軽減できるか?)

Respir Res. 2024 Oct 19;25(1):381.

PMID: 39427167 DOI: 10.1186/s12931-024-02992-y

掲載雑誌:Respiratory Research【イギリス:IF 5.0(2024)】 2024年10月

研究の要旨

研究目的

紙巻きたばこから加熱式たばこ(Heated Tobacco Products:HTP)への切り替えが肺感染症の経過を改善できるか検証。

研究方法

マウス120匹を使い、喫煙歴を持たせた後、8週間HTP・禁煙・継続喫煙で飼育し、肺に細菌感染を起こして免疫反応と損傷を測定。

研究結果

HTP切り替え群は細菌除去や一部免疫反応が改善したが、炎症・損傷マーカーは改善せず。禁煙群ではほぼ全項目で大幅改善。

結論

HTP切り替えは有害影響を大きく改善しない。禁煙が圧倒的に有効。

考察

加熱式たばこも有害成分を含み、完全な代替にはならない。健康保護には禁煙が必要。

研究の目的

この研究の目的は、紙巻きたばこからフィリップモリス社製の加熱式たばこ「IQOS」に切り替えることで、急性肺感染症に対する体の反応や回復力がどの程度改善されるのかを検証することです。

背景として、加熱式たばこは煙を出さず有害物質も少ないと宣伝されている一方で、その健康効果に関する独立した科学的証拠は不足しています。

著者らは以前の研究で、IQOSの使用も紙巻きたばこに近い肺への悪影響を持つ可能性を示しており、

今回は特に「感染症にかかったときの免疫反応や肺の損傷」がどう変化するかに注目しました。

また、IQOSへの切り替えが、紙巻きたばこを吸い続けた場合や完全禁煙と比べて、どの程度有利かを直接比較することも目的にしています。

研究の対象者と背景

実験モデル

この研究はマウスを用いた動物実験です。

対象はC57BL/6NCr系統のマウス120匹(オス60匹、メス60匹)です。

喫煙歴の付与

すべてのマウスに8週間の紙巻きたばこ煙曝露を行い、「喫煙歴」を持たせました。

この時点で全てのマウスは肺にたばこ由来の影響を受けています。

グループ分け

その後、3つの曝露条件に分けてさらに8週間飼育しました。

継続喫煙群:紙巻きたばこを吸い続ける

切り替え群:紙巻きたばこからIQOSに切り替える

禁煙群:空気のみ(完全禁煙)

各グループはオス・メスを半数ずつ含み、1群40匹(20匹×性別)です。

実験場所

米国ニューヨーク州バッファローにあるRoswell Park Comprehensive Cancer Centerで実施されました。

研究の手法と分析の概要

実験デザイン

介入研究(動物実験)です。

喫煙歴を持つマウスに対して、異なる曝露条件を設定し、その後に肺感染症を人工的に起こして比較しました。

感染モデル

加熱式たばこや禁煙の影響を測るために、

全マウスの気管に非型インフルエンザ菌(non-typeable Haemophilus influenzae:NTHI)を直接注入しました。

この細菌はヒトの肺炎やCOPD悪化の原因菌としても知られています。

測定項目

感染後0時間・4時間・12時間の時点でマウスを安楽死させ、以下の項目を評価しました。

・肺内の細菌除去率

・免疫細胞の浸潤(炎症反応の強さ)

・肺損傷マーカー(総タンパク、アルブミン漏出)

・炎症酵素(ミエロペルオキシダーゼ[MPO]、好中球エラスターゼ[NE])

曝露条件の統一

・紙巻きたばこ・IQOSともに、1日5時間、週5日、合計16週間の曝露

・ニコチン摂取量は血中コチニン濃度を測定して同等になるよう調整

統計解析

・Kruskal-Wallis検定で群間の差を比較

・多重比較補正(Benjamini, Krieger, Yekutieli法)を実施し、偶然による差を除外

・有意差はp<0.05で判定

研究結果

細菌除去能力

感染後4時間で

禁煙グループは細菌数が大きく減少し、12時間後にはほぼ完全に除去

IQOS切り替えグループは12時間後に中程度まで改善したが、4時間後では紙巻きと同等に低い除去率。

継続喫煙グループは回復が最も遅く、細菌が長く残りました。

時間経過禁煙IQOS切り替え継続喫煙
4時間後高い除去率低い除去率低い除去率
12時間後ほぼ除去中程度除去低い除去率

特に感染初期(4時間後)では、切り替え群と継続喫煙群はほぼ同等で、肺が細菌を排除する能力は禁煙群に比べて大きく劣っていました。

急性期の感染防御力は禁煙しない限り回復しないことが示されました。

早期免疫反応

禁煙群は感染直後から免疫細胞が効率よく動員され、炎症も短期間で収束。

IQOS切り替え群と継続喫煙群は、この初動が遅れ、細菌の排除も遅くなりました。

免疫細胞の動員

感染が起こると、体はまず白血球などの「免疫細胞」を感染部位に集めます。
これが早いほど細菌を排除しやすく、炎症も早く落ち着きます。

炎症反応と免疫細胞

禁煙群では免疫細胞の過剰流入が抑えられ、炎症が早期に収まりました。

IQOS切り替え群は免疫細胞総数はやや減ったが炎症は長引く傾向。

炎症性T細胞(CD4+ IL-17A+やCD4+ RORγt+)は禁煙で大きく減少、切り替えでは限定的。

好中球(CD11b+ Ly6G+)は切り替え群で12時間後に増加し、一時的に細菌除去を助けた可能性があります。

T細胞と好中球

・T細胞:免疫の司令塔。特定の病原体に対して強い反応を起こします。
・好中球:細菌を食べて殺す免疫細胞。数が多すぎると周囲の組織も傷つけます。
・IL-17A・RORγt:T細胞の活性化や炎症の強さを示す指標です。

サイトカイン応答

炎症性サイトカイン(IL-6、TNF-αなど)は禁煙群で早く低下し、炎症鎮静化が早期に進行。

IQOS切り替え群は中間的、紙巻き継続群は高値が長く続きました。

サイトカイン

「サイトカイン」は免疫細胞同士がやり取りする信号。
IL-6やTNF-αは「炎症を強くする信号」で、これが高い状態が続くと体に負担がかかります。

炎症の広がり方(局所 vs 全身)

炎症が肺だけで収まるのか、それとも全身に広がってしまうのかも重要です。

禁煙群では炎症はほぼ肺に限局し、血液中の炎症マーカーは軽度でした。

しかしIQOS切り替え群や紙巻き継続群では、血中でも炎症マーカーが高いままで、全身に炎症が広がっている可能性があります。

これは心臓や血管、代謝系の病気リスクにも関わるため、肺だけの問題にとどまりません。

この全身性炎症の持続には、切り替え群でも紙巻きと同等に残ったニコチン曝露が関与している可能性があります。

ニコチンは免疫細胞の働きを抑制し、炎症を鎮める速度を遅らせることが知られています。

肺損傷の程度

総タンパク量やアルブミン漏出は禁煙群で最も低値。

IQOS切り替えは一部改善したが、感染初期は高く、紙巻き継続との差は小さめでした。

総タンパク量・アルブミン漏出

これらは血管から肺に漏れ出したたんぱく質の量を示します。
多いほど血管や肺の壁が傷んでいる証拠になります。

炎症マーカーと組織損傷

MPO:切り替え群は継続喫煙と差がなく、禁煙のみ大幅低下。

NE:切り替え群は高値を維持し、肺組織損傷のリスクが依然として高いことが示されました。

MPO・NE

・MPO(ミエロペルオキシダーゼ):好中球が放出する酵素で、炎症の強さを示します。
・NE(エラスターゼ):組織を壊してしまう酵素。量が多いと肺の損傷が進みます。

ニコチン曝露量と免疫影響

紙巻き群とIQOS群の体内ニコチン曝露量は同程度で、これは免疫抑制や炎症遷延の一因と考えられます。

禁煙群ではニコチン曝露がなく、これが免疫反応の早期改善に寄与した可能性があります。

ニコチン曝露

ニコチンは神経に作用するだけでなく、免疫細胞の働きも鈍らせることがあります。

性別影響

オス・メス間で傾向差はほぼ認められませんでした。

生存率・回復傾向

各群で生存率に大きな差はなかったものの、禁煙群は呼吸状態や活動性の改善が早く、

IQOS切り替え群は中間的、紙巻き継続群は回復が遅れる傾向が見られました。

再感染リスクの示唆

炎症性細胞やサイトカインが長く残ると再感染や慢性炎症のリスクが高まります。

禁煙群ではこれが早期に収束した一方、切り替え群と継続群では残存期間が長く、再感染の可能性が示唆されました。

切り替え群や継続喫煙群では炎症が長引くため、肺のバリア機能が弱まり、次の感染症にかかりやすくなります

研究の結論

✅️加熱式たばこへの切り替えは、禁煙の代わりにはならない

この研究では、加熱式たばこ(IQOS)へ切り替えても、肺の感染防御力や炎症の収まり方は紙巻きたばこ継続と大差がないことが示されました。

一方で、完全禁煙は免疫の回復、炎症の早期鎮静化、肺損傷の軽減において最も有効でした。

主な結論ポイント

✅️細菌の排除能力は禁煙で最大改善、切り替えでは改善が限定的。

✅️炎症反応は禁煙で早期に収束、切り替えでは長引く。

✅️ニコチン曝露は紙巻きと切り替えで同等で、免疫抑制に影響。

✅️全身炎症も切り替えでは残存し、再感染リスクが残る。

【礼次郎の考察とまとめ】

論文著者による考察:なぜこうなったのか

著者らは、加熱式たばこは紙巻きより有害物質が少ないとされるものの、

ニコチンの摂取量はほぼ同等である点を指摘しています。

ニコチンは免疫細胞の機能を抑制し、炎症反応を遅らせる作用があるため、肺が細菌を早く排除できず、炎症が長引くと考えられます。

また、加熱式たばこにも有害化学物質や微粒子が含まれ、気道や肺の組織を刺激し続ける可能性があります。

日常生活への落とし込み

今回の研究はマウスを使った動物実験ですが、

加熱式たばこは紙巻きたばこより害が少ないわけではなく、有害であることが明確に示されました。

肺の感染防御力や炎症の収まり方において、紙巻きから加熱式に切り替えても十分な改善は得られません。

もちろん、動物で得られた結果がそのまま人間に当てはまるとは限りません。

今後は人間を対象とした研究が待たれます。

さらに、肺炎や風邪などの感染症リスクだけでなく、肺がんをはじめとする各種がん、心筋梗塞や脳卒中といった心血管疾患、糖尿病などの生活習慣病

――加熱式たばこの有害性を評価すべき課題は山積みです。

それでも、今回の結果は「加熱式たばこは安全」という誤解に終止符を打つ大きな一歩。

外科医として、ようやく自信を持って「加熱式たばこもダメです」と言える時代が来たと感じています。

一般の人にとって大事なのは、「紙巻きよりマシだから安全」ではないということ。

加熱式でも肺への負担は続き、感染症への抵抗力は十分に戻りません。

特に手術を控えている人や、肺疾患(COPD、喘息など)のある人にとっては、加熱式も大きなリスク要因です。

生活へのヒント

・禁煙の「第一歩」として加熱式を使うのではなく、完全禁煙を目指す。

・感染症が流行する季節(冬場など)は特に禁煙の重要性が高まる。

・ニコチン依存は心理面と身体面の両方に作用するため、禁煙外来やサポートを活用する。

・「減らす」より「やめる」ほうが、体は早く良い方向に変わる。

おまけ:実生活に役立つ・自分専用AIプロンプト

今回はありません:動物実験研究のため

今回はマウスでの動物実験ですので、人間の読者の皆さんの実生活に役立つAIプロンプトはございません。

締めのひとこと

やめた人だけが手に入れる、本当の回復力


以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!

もし本記事が参考になったら、他の記事もぜひのぞいてみてください。

これからも皆さまの知的好奇心を満足させられる情報をお届けできるよう努力していきます。

本ブログでは、Pubmed医中誌Clinical Keyヒポクラm3日経メディカルケアネットなどの信頼性ある医療情報サイトを参考に、論文の検索・選定を行っています。
記事の内容は、筆者自身が論文を読み解き、わかりやすく要約・執筆しています。

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