
結論「ただお腹を満たすためではなく、一口を丁寧に『味わう』だけで、自然と理想的な食べ方が身につくことが判明しました」
この記事はこんな方におすすめ
✅ついつい早食いになってしまい、太りやすいと感じている方
✅「よく噛んで食べなさい」と言われても、どうすればいいか分からない方
✅健康的に痩せたい、または血糖値や肥満をコントロールしたい方
✅歯の健康と食事の仕方の関係に興味がある方
時間のない方・結論だけサクッと知りたい方へ
🔴疑問:「ゆっくりよく噛んで食べる」ことが健康に良いのは分かっていても、なかなか実践できないのはなぜでしょうか?どうすれば自然にその習慣が身につくのか、その決定的な要因を調査した研究を紹介します。
🟡結果:40代から70代の日本人1,644人を対象とした調査で、「味わって食べること」がゆっくりよく噛む習慣と最も強く関連していることが分かりました。味わって食べる人は、そうでない人に比べて、ゆっくりよく噛む確率が11倍以上も高かったのです。また、「一口で口に詰め込みすぎないこと」も重要な鍵となっていました。
🟢教訓:「噛む回数を数える」といった努力よりも、まず「料理の味をしっかり楽しむ(味わう)」ことに集中しましょう。また、一口の量を控えめにすることも効果的です。これだけで、無理なく健康的な食べ方へとシフトできる可能性があります。
🔵対象:日本全国の40代〜70代の男女が対象です。日本の「食育推進基本計画」の指標に基づいた調査であり、我々日本人の日常生活にそのまま直結する極めて信頼性の高いデータです。

※本記事内の画像は主にChat GPTおよびGeminiを用いて、すべてAIで生成しております。
すべてイメージ画像であり、本文の内容を正確に表したものではありません。
あらかじめご了承ください。
はじめに
皆さん、こんにちは!
皆さんは毎日の食事をじっくり味わって食べてますか?
私は子供の頃から早食いで、しかも外科医という職業柄、「食事時間は早ければ早いほど良い」という自己暗示のような悪癖がついてしまい、まるで作業のようにガツガツと胃袋に流し込んでしまいます。
「もっとゆっくり食べなきゃ」と思いつつ、気づけば数分で完食、なんてことも多くて……
ほんとはゆっくりと味わって食べたいのに、早食いしてしまい後でひどく胃もたれして後悔することが多い日々です。
本日ご紹介するのは、そんな現代人の「早食い」問題を解決するヒントをくれる、非常に興味深い研究です。
イギリスの権威ある科学雑誌『Scientific Reports』に掲載されたこの論文は、日本人の食事習慣と口の健康状態を詳しく分析したものです。
一年の始まりである元日に、これからの一年の食を心から楽しむために、「ゆっくりよく噛む」ことの重要性を一緒に読み解いていきましょう。

noteで簡略版も公開しています↓↓↓

自己紹介
こんにちは! 某県の大規模病院で外科医として約20年の経験を持つ「医学論文ハンター・Dr.礼次郎」です。
海外の権威ある医学雑誌に掲載された論文を一編ずつ読み解いた、
生の「一次情報」をもとに、医学に詳しくない方にもわかりやすく解説しています。
日々、皆さんに信頼できる医療情報をお届けします!

※本記事は、PubMed掲載の査読付き論文をもとに、現役医師が一次情報をわかりやすく解説しています。
以下に出典を明示し、信頼性の高い医療情報をお届けします。
今回読んだ論文
“”Dietary and oral factors associated with eating slowly and chewing well: a National web-based study””
(ゆっくり食べること、およびよく噛むことに関連する食事・口腔因子の解明:全国規模のウェブ調査)
Midori Ishikawa, Masanori Iwasaki, Rumi Tano, et al.
Sci Rep. 2025 Nov 19;15(1):40677. doi: 10.1038/s41598-025-17631-9.
PMID: 41258148 DOI: 10.1038/s41598-025-17631-9
掲載雑誌:Scientific Reports【イギリス IF 3.9(2024)】 2025年より
研究の要旨(Abstract)
研究目的
日本の食育目標である「ゆっくりよく噛んで食べる人」を増やすため、その習慣を左右する食事行動や口の状態を明らかにすることです。
研究方法
日本全国の40代〜70代の男女1,644人を対象に、食事の仕方や口の健康、社会背景に関する大規模なウェブアンケート調査を実施しました。
研究結果
「味わって食べること」と「一口に詰め込みすぎないこと」が、ゆっくりよく噛む習慣と極めて強く関連していました。
結論
食べ物の味を十分に楽しむ(味わう)意識を持つことが、自然とゆっくり噛む動作を促し、健康的な食習慣につながる可能性があります。
考察
単に「噛む」という動作を強調するよりも、食文化を楽しみ、一口の量を調整するアプローチが、公衆衛生上も有効であると考えられます。
研究の目的
なぜ、わざわざ「ゆっくりよく噛む」ことを研究する必要があるのでしょうか?
先行研究では、「早食い」が肥満や過体重と深く関わっていることが示されています。
ゆっくり食べることは満腹中枢を刺激し、食べ過ぎを防ぐだけでなく、インスリンなどのホルモン分泌にも良い影響を与えるからです。
しかし、日本では「ゆっくりよく噛んで食べる人」の割合が近年伸び悩んでおり、国としてもこの割合を増やしたいと考えています。
そこで本研究は、「どういう人がゆっくりよく噛めているのか?」という具体的な要因を突き止めるべく、特にこれまであまり注目されてこなかった「味わう」という感覚や、一口の量に着目して調査を行いました。

研究の対象者と背景
この研究の舞台は日本です。
対象者の詳細
人数
1,644人(男性822人、女性822人)
年齢
40代から70代まで均等に配分
居住地
日本全国
この研究は日本人のモニターを対象としているため、我々日本人の生活習慣や食文化、そして日本の歯科保健の現状を完璧に反映しています。
欧米の研究とは異なり、人種や文化の壁を気にする必要がなく、そのまま自分事として受け止められるデータと言えます。

研究の手法と分析の概要
研究チームは、ウェブベースの大規模な質問票を用いてデータを収集しました。
単に「ゆっくり食べていますか?」と聞くだけでなく、実際の食事のスピードや、噛まずに飲み込んでいないかといった詳細な指標を設定しています。
さらに、所得や教育歴などの社会的要因から、歯の痛みや歯周病の状態といった口腔内の要因まで、多岐にわたる項目を網羅しました。

【補足:各種用語】
オッズ比(OR)
ある事象の起こりやすさを比較する統計的な指標です。
例えば「味わって食べる人」のゆっくり噛むオッズ比が11であれば、そうでない人に比べて11倍その傾向が強いことを意味します。
P値(P value)
結果が偶然によるものではないかを示す数値です。
一般的に0.05(5%)未満であれば、統計的に信頼できる(有意である)と判断されます。
• ロジスティック回帰分析
数の要因が、特定の行動(今回はゆっくりよく噛むこと)にどれほど影響を与えているかを計算する手法です。
研究結果
衝撃の発見!「味わう」だけで習慣は変わる
最も注目すべき結果は、食事の「味わい方」の影響力です。
統計分析の結果、以下の行動が「ゆっくりよく噛む」ことと極めて強い関連を示しました。
味わって食べる
関連性の強さは約11倍以上(男性 OR 11.20 / 女性 OR 11.48)。
口いっぱいに詰め込まない
関連性の強さは約2.6〜3.3倍(男性 OR 3.34 / 女性 OR 2.60)。
これは、単に「よく噛もう」と意識するよりも、「この料理、どんな味がするんだろう?」と意識を向ける方が、はるかに強力に食習慣を改善できることを示唆しています。

歯の健康状態も無視できない
また、口の状態も食習慣を左右することが示されました。
男性の場合
歯の周りの骨(歯槽骨)が溶けていないことが重要。
女性の場合
歯の痛みがないことが重要。
特に60代や70代の高齢層では、歯周病がないことや口の乾燥(ドライマウス)がないことが、良い食習慣の土台となっていました。

変化がなかった指標(陰性所見)
興味深いことに、「食事の多様性(いろいろな種類の食品を食べること)」自体は、ゆっくりよく噛む習慣と直接的な関連は見られませんでした。
つまり、何を食べるかよりも「どう食べるか(味わいや一口の量)」が、噛む習慣には重要だということです。
この結果があなたに意味すること
この研究は、早食いを直したいなら「回数を数える」という苦行をやめ、「食事を楽しむ」というポジティブなアプローチに切り替えるべきだと教えてくれています。
味わうことで自然と一口の量が減り、噛む回数が増える……これは、誰でも明日から始められる最高に美味しい健康法なのです。
研究の結論
結論として、「味わって食べること」がゆっくりよく噛むための最も効果的なドライバ(推進力)であることが明らかになりました。
これは日本の農林水産省が進める「郷土料理を味わう」といった食育キャンペーンが、単なる文化継承だけでなく、肥満予防や口腔健康の向上という医学的なメリットにも直結することを裏付ける重要な知見です。

礼次郎の考察とまとめ
論文著者らの考察
著者らは、特に40代以上において、味わう習慣が年齢に関わらず有効である可能性を指摘しています。
一方で、ウェブ調査ゆえの「自己申告」による限界(実際の測定値ではない点)や、因果関係(味わうからゆっくりなのか、ゆっくりだから味わえるのか)の特定にはさらなる研究が必要であるとも述べています。
日常生活へのアドバイス
論文のデータから、わたしが提案する明日からのアクションはこれです!
「味の探検家」になる
一口ごとに、甘み、塩味、酸味、そして「だし」の旨みを探してみてください。
味わおうとするだけで、脳は自然と咀嚼を促します。
スプーンや箸を置く
一口の量を詰め込みすぎないよう、一度口に入れたら道具を置くくらいの余裕を持ちましょう。
歯のメンテナンスを怠らない
特に男性は歯周病ケア、女性は痛みの放置をしないことが、一生「ゆっくりよく噛んで」美味しく食べるための絶対条件です。

早食いは、現代社会のスピード感の犠牲かもしれません。
でも、この研究が示すように、一口を「味わう」という心の余裕を持つことが、結果として自分自身の体を守ることにつながるのです。
まずは今日のご飯、最初の一口だけでもじっくりと舌の上で転がしてみてください。
締めのひとこと
「食べることは、単なる栄養補給ではなく、自分を慈しむ時間です」

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!
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これからも皆さまの知的好奇心を満足させられる情報をお届けできるよう努力していきます。
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記事の内容は、筆者自身が論文を読み解き、わかりやすく要約・執筆しています。
免責事項
本記事でご紹介した内容は、あくまで特定の査読済み医学論文の科学的知見を解説することのみを目的としており、筆者(Dr.礼次郎)個人の、診療上の推奨や個人的な意見ではありません。
特定の治療方法、治療薬、生活スタイル、食品などを批判する意図や、推奨する意図は一切ございません。
本記事は、医師による診断や個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
実際の治療方針や服薬については、必ず主治医にご相談ください。
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