
結論「食事・運動・睡眠をそろえて整えることが、老化を遅らせ、寿命を延ばす最も効果的な方法です」
この記事はこんな方におすすめ
✅健康寿命を延ばしたいが、どんな生活習慣が大切か知りたい人
✅食事・運動・睡眠のどれを優先すべきか迷っている人
✅「長生き」より「若々しく元気で過ごす時間」を増やしたい人
✅WHOの運動ガイドラインだけで十分か不安に思っている人
時間のない方・結論だけサクッと知りたい方へ
🔴疑問:老化を遅らせ、寿命を延ばす生活習慣って結局どれ?
🟡結果:食事・運動・睡眠を3つそろえて整える人は、死亡リスクが30〜50%低下
🟢教訓:1つだけ改善するより「3つをまとめて整える」ことがカギ
🔵対象:イギリスの約15万人を平均13年間追跡。日本人にも応用できるが、食文化の違いには注意が必要

※本記事内の画像は主にChat GPTおよびGeminiを用いて、すべてAIで生成しております。
すべてイメージ画像であり、本文の内容を正確に表したものではありません。
あらかじめご了承ください。
はじめに
皆さん、こんにちは!
久々にアンチエイジングの話題です。
やっぱり「できるだけ若々しく、元気で過ごしたい」と思うのは、誰にとっても共通の願いですよね。
そして、どうしても気になるのが「老化」のスピード。
今回ご紹介するのは、なんと15万人を追跡した超大規模研究です。
食事・運動・睡眠、この3つの組み合わせが、老化の進み方や寿命にどのような影響を与えるのかを明らかにしています。
「老けにくい生活って、具体的に何をすればいいの?」
そんなシンプルだけど多くの人が気になる疑問に、科学的に迫った最新の研究をご紹介します。
この研究は、欧州の学術誌『European Review of Aging and Physical Activity』に掲載されたものです。

自己紹介
こんにちは! 某県の大規模病院で外科医として約20年の経験を持つ「医学論文ハンター・Dr.礼次郎」です。
海外の権威ある医学雑誌に掲載された論文を一編ずつ読み解いた、
生の「一次情報」をもとに、医学に詳しくない方にもわかりやすく解説しています。
日々、皆さんに信頼できる医療情報をお届けします!

※本記事は、PubMed掲載の査読付き論文をもとに、現役医師が一次情報をわかりやすく解説しています。
以下に出典を明示し、信頼性の高い医療情報をお届けします。
今回読んだ論文
“Optimal lifestyle patterns for delaying ageing and reducing all-cause mortality: insights from the UK Biobank”
(加齢を遅らせ、全死亡リスクを減らす最適なライフスタイル:UKバイオバンクからの知見)
Ce Liu, Zhaoru Yang, Li He et al.
Eur Rev Aging Phys Act. 2024 Oct 5;21(1):27.
PMID: 39369207 DOI: 10.1186/s11556-024-00362-7
掲載雑誌:European Review of Aging and Physical Activity【ドイツ:IF 3.5(2024)】 2024年10月
研究の要旨
研究目的
食事・運動・睡眠を組み合わせた生活習慣が、生物学的な老化と死亡リスクにどう影響するかを調べること。
研究方法
イギリスの大規模研究(UKバイオバンク)に参加した約15万人を対象に、食事内容、身体活動量、睡眠の質を組み合わせた18種類の生活パターンを作成し、平均13年間追跡した。
研究結果
抗炎症的な食事、中等度以上の運動、良好な睡眠を組み合わせた人は、老化が遅く、死亡リスクも低かった。特に女性と60歳未満で効果が大きく、運動は週3000メッツ分以上で効果が最も強かった。
結論
食事・運動・睡眠をそろえて整えることで、加齢を遅らせ、死亡リスクを下げられる可能性がある。
考察
世界保健機関の最低限の運動量も有益だが、より多く動くほど効果が強い可能性がある。ただし観察研究のため因果関係は断定できない。
研究の目的
この研究の目的は、食事・運動・睡眠という生活習慣を組み合わせたときに、それが生物学的な老化のスピードや死亡リスクにどのような影響を与えるかを明らかにすることです。
世界的に高齢化が急速に進む中、個別の生活習慣ではなく「最適な生活パターン」を見つけることが、公衆衛生の観点で非常に重要と考えられています。
従来の研究では食事や運動、睡眠といった要素ごとの効果は知られていましたが、それらを組み合わせた総合的な影響については十分に解明されていませんでした。
特に、世界保健機関が推奨する最低限の運動量が本当に十分なのか、あるいはより多い運動量が必要なのか、そして食事や睡眠と組み合わせた場合にどのような相乗効果があるのか
――こうした臨床的にも重要な疑問に答えることを狙いとしています。

研究の対象者と背景
研究対象
調査は、イギリスの大規模な健康データベース「UKバイオバンク」を使って行われました。これは50万人以上を長期間追跡している世界最大級の健康調査のひとつです。

今回の解析では、主に 中高年の男女 が対象です。生活習慣や健康状態がベースラインで記録されており、その後の経過が国の記録で追跡されました。
解析に使った“2つのサブセット”
・自己申告の運動データを持つ集団:105,705人(主観データの解析)
・加速度計で測った運動データを持つ集団:42,006人(客観データの解析)
※この2つは条件が異なる別々の集団です。単純に合計して「15万人」とはせず、それぞれ独立して解析されています。
追跡の長さ
追跡は平均で 13年以上 続けられました。死亡情報はイギリスの国の記録から定期的に更新され、最後のレビューは2023年時点まで反映されています。

研究の手法と分析の概要
研究デザイン
観察研究 前向きコホート
つまり、参加者の生活習慣をあらかじめ記録し、その後に起きた出来事(死亡など)を長期間追跡して「関連があるか」を調べる方法です。
介入は行っていません。
集めた主な生活情報
・食事:24時間の食事記録から「炎症を起こしやすいか/抑えるか」を数値化した「食事の炎症性スコア」
・運動:
-自己申告による身体活動量(国際身体活動質問票で回答)
-加速度計を装着して測定された客観的な運動量
・睡眠:長さ・質を統合した「睡眠スコア」
生活パターンの作り方
食事・運動・睡眠を組み合わせ、18種類のライフスタイル・パターンを定義しました。
評価した“老化”の指標
老化のスピードは、単なる年齢ではなく「生物学的年齢」を用いて評価しました。
・体のバランスの乱れ(ホメオスタティック・ディスレギュレーション)
⇒血液検査の異常の多さをまとめた指標。体内の調整機能がどれだけ乱れているかを数値化します。
・推定年齢(クレメラ・ドゥバル法)
⇒さまざまな健康データを組み合わせて「体が何歳相当に見えるか」を算出する方法。
・フェノタイプ年齢(生体表現年齢)
⇒特定のバイオマーカーを使い、将来の死亡リスクをより直接的に反映する年齢指標。
・テロメアの長さ(染色体の端の保護キャップ)
⇒染色体末端の保護キャップの長さ。短いほど老化が進んでいると考えられます。
これらを使って「体がどれくらい老けているか」を多角的に調べました。
評価した“結果”
全ての原因による死亡(all-cause mortality) を国の記録から確認しました。
これにより「どの生活習慣の組み合わせが長生きにつながるか」を検証しました。
統計のながれ(やさしく)
・老化への影響:重み付き回帰モデルで比較
・死亡リスクの違い:コックス比例ハザードモデルを使い、「どのパターンが最も死亡リスクを下げたか」を算出しました。

【補足:各種用語】
前向き観察研究
あらかじめ生活習慣を記録し、その後の変化を長期的に追う研究。因果関係は断定できませんが、現実に近い生活データが得られるのが強みです。
加速度計
手首などに装着して歩数や動きの強さを記録するセンサー。自己申告より正確なデータが得られます。
ハザード比
死亡リスクを比べる指標。1.0が基準で、0.7なら「リスクが30%低下」を意味します。
研究結果
一番の発見
食事・運動・睡眠をすべて良好に整えていた人は、老化の進みが遅く、死亡リスクも大幅に低いことが分かりました。
ここでいう「良好」とは、
・食事:野菜・果物・魚・全粒穀物・豆・ナッツを多くとり、加工肉や砂糖を控える「抗炎症的な食事」
・運動:速歩きなど「やや息が弾む運動」を習慣化し、週3000メッツ分以上の活動量を確保すること
・睡眠:7〜8時間を目安に、中途で目が覚めにくい安定した睡眠をとること
この3つを同時に守っていた人は、死亡リスクが 約30〜50%低下 していました。

運動量のポイント
WHOの推奨する「週600メッツ分」(速歩き30分を週5日程度)でも効果はありました。
しかし 週3000メッツ分以上(速歩きを毎日+他の運動や活動を組み合わせるレベル)で最も効果が大きく、老化を遅らせ、死亡リスクを下げる傾向が明確でした。
メッツの計算方法
メッツ(METs)は「運動の強さ × 運動時間」で求めます。
・例:速歩き(4メッツ)を30分 → 2メッツ時(=120メッツ分)。
・これを1週間毎日行うと 2 × 7 = 14メッツ時(=840メッツ分)。
つまり週3000メッツ分は、速歩き30分を毎日+他の活動を追加してようやく到達できるレベルです。

性別・年齢の違い
効果は特に 女性と60歳未満 で大きく見られました。
早い時期から生活習慣を整えることが、将来の健康に強く関わると考えられます。
生物学的老化との関係
・生物学的年齢が加速している人は、死亡リスクが約30%高い。
・テロメアが長い人は、死亡リスクが約5〜10%低い。
テロメアとは?
染色体の端にある“保護キャップ”。加齢やストレスで短くなり、短いほど老化や病気のリスクが高いとされています。
部分的改善の限界
部分的改善は限定的:食事・運動・睡眠のどれか一つでも欠けると、効果は大幅に減少しました。
体重やBMIだけでは不十分:肥満度よりも、生活習慣や体の生物学的老化のほうが寿命に強く関連しました。
一貫性の確認
・自己申告による運動データ(約10万人)でも、加速度計で測った客観データ(約4万人)でも、同じ方向の結果が出ました。
・「人が申告した数字」だけに頼らず、実際の測定データでも裏付けられたことは、この研究の信頼性を高めています。
まとめ表
要素 | 主な結果 |
抗炎症的な食事+運動+睡眠すべて良好 | 死亡リスク 約30〜50%低下 |
運動:週600メッツ分(WHO推奨ライン) | 効果あり(小) |
運動:週3000メッツ分以上 | 最も効果大 |
女性・60歳未満 | 効果がより大きい |
生物学的年齢の加速 | 死亡リスク 約30%増加 |
テロメア長 | 長いほど死亡リスク 約5〜10%減少 |
食事・運動・睡眠どれか欠ける | 効果はごく限定的 |
体重やBMI | 明確な関連は弱い |

研究の結論
✅️食事・運動・睡眠をすべて整えることで、老化を遅らせ、死亡リスクを30〜50%下げることができる可能性がある。
✅️部分的な改善(食事だけ・運動だけ・睡眠だけ)では効果が小さく、3つをそろえることが重要である。
・この結果は自己申告データでも加速度計の客観データでも一貫して確認された。

【礼次郎の考察とまとめ】
論文著者の考察
生活習慣の組み合わせ効果
食事・運動・睡眠の3つを同時に整えることが「部分的改善」よりもはるかに大きな効果を持つと強調しています。
これは、炎症や酸化ストレス、DNA損傷修復など複数の仕組みが重なり合うからだとしています。
なぜ女性や60歳未満で効果が大きいか
著者らは、女性ホルモン(エストロゲン)や若年期の細胞修復能力が関与している可能性を示唆しています。
また、高齢になってから改善しても効果が弱くなるのは、すでに細胞レベルのダメージが蓄積しているためと推測されています。
生物学的年齢とテロメアの意味
著者らは、生物学的年齢の加速やテロメア短縮が「死のリスクを先取りして示すバロメーター」だと結論づけています。
つまり、これらは生活習慣が体に与える“見えない影響”を映す鏡だという位置づけです。
政策・公衆衛生への応用
WHOの運動推奨ライン(600 メッツ分/週)は最低限として有効だが、より高い活動量(3000 メッツ分以上)で最大の恩恵があることから、都市計画や職場制度などで人々が自然に動ける環境づくりが重要だと述べています。
睡眠に関する提言
睡眠も「ただ時間が長ければ良い」のではなく、規則的で中途覚醒が少ない安定した睡眠が重要で、教育や社会的な啓発が必要だとしています。

実生活への応用
「じゃあ何をすればいいの?」と思った方へ、もう一歩具体的に落とし込んでみます。
食事
野菜・果物・魚・豆・ナッツ・全粒穀物を毎日の食卓に入れる。
加工肉や菓子・甘い飲料は控える。
運動
理想は「速歩き30分を毎日」+筋トレや階段利用などを組み合わせ、週3000 メッツ分をめざす。
最初はWHO基準(週600 メッツ分)から始めてもよい。
睡眠
7〜8時間を目安に、夜更かしや昼夜逆転を避け、できるだけ規則正しい生活リズムを整える。
部分的改善では足りない
1つだけでは大きな効果が出にくいため、3つの要素を“パッケージ”として取り入れることが大切。
若いうちから始める
60歳未満から整えておくと効果がより大きく出る。

大事なのは「完璧を目指す」ことではなく、時間がかかっても少しずつ整えることです。
日々の生活に少しずつ取り入れていきましょうね!
締めのひとこと
若さのカギは、日々の小さな生活習慣にあり!

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!
もし本記事が参考になったら、他の記事もぜひのぞいてみてください。
これからも皆さまの知的好奇心を満足させられる情報をお届けできるよう努力していきます。
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