
結論「オメガ3は全身のタンパク質代謝を活性化させるが、「筋肉を直接作るスイッチ」にはならない可能性が高い。」
この記事はこんな方におすすめ
✅ 健康のためにスーパーでは必ず「低脂肪牛乳」や「脂肪ゼロヨーグルト」を選んでいる方
✅ コレステロールや中性脂肪が気になり、乳製品のコクや旨味を我慢している方
✅ 「動物性脂肪=悪」というイメージを持っており、食事の脂質を極端に減らしている方
✅ 将来の心臓病や脳卒中のリスクを少しでも減らしたいと考えている健康志向の方
時間のない方・結論だけサクッと知りたい方へ
🔴 疑問:「心臓病予防のためには、普通の牛乳より『低脂肪乳』の方が体に良い」という常識は本当なのか?
🟡 結果:世界的な専門家会議と最新データの総括によると、乳製品が「低脂肪」か「通常(全)脂肪」かで、心血管疾患のリスクやコレステロール値への影響に差はないことが判明しました。
🟢 教訓:無理に美味しくない低脂肪製品を選ぶ必要はありません。脂肪分よりも、「加工肉やスナック菓子」を減らすことの方が心臓の健康には圧倒的に重要です。
🔵 対象:北米・欧州・アジアを含む世界各国の数十万人規模のデータを用いた国際的な専門家合意です。日本人の食生活にも十分応用できる知見です。

※本記事内の画像は主にChat GPTおよびGeminiを用いて、すべてAIで生成しております。
すべてイメージ画像であり、本文の内容を正確に表したものではありません。
あらかじめご了承ください。
はじめに
皆さん、こんにちは!
皆さんは普段、ヨーグルトや牛乳を買うとき、「なんとなく健康に良さそうだから」という理由で「低脂肪」や「脂肪ゼロ」を選んでいませんか?
「本当は濃厚な味の方が好きなんだけど、健康のために我慢…」と思っている方も多いのではないでしょうか。
健康診断の前になると急に低脂肪タイプに切り替えて、味の薄さにがっかりした経験、ありますよね。
でも、もしその我慢にあまり意味がないとしたらどうでしょう?
本日ご紹介するのは、アメリカの権威ある栄養学雑誌に発表された、乳製品の脂肪分と健康に関する最新の研究です。
今回は、「乳製品は本当に低脂肪にする必要があるのか?」という素朴な疑問に対する驚きの真実を、一緒に読み解いていきましょう。

医学の常識は日々進化しています。
以前私が、投稿した「低脂肪乳製品」に関する記事です。
ご興味がありましたら、ぜひ。
自己紹介
こんにちは! 某県の大規模病院で外科医として約20年の経験を持つ「医学論文ハンター・Dr.礼次郎」です。
海外の権威ある医学雑誌に掲載された論文を一編ずつ読み解いた、
生の「一次情報」をもとに、医学に詳しくない方にもわかりやすく解説しています。
日々、皆さんに信頼できる医療情報をお届けします!

※本記事は、PubMed掲載の査読付き論文をもとに、現役医師が一次情報をわかりやすく解説しています。
以下に出典を明示し、信頼性の高い医療情報をお届けします。
今回読んだ論文
“”Regular-fat and low-fat dairy foods and cardiovascular diseases: perspectives for future dietary recommendations””
(通常脂肪および低脂肪乳製品と心血管疾患:将来の食事摂取基準に向けた展望)
Benoît Lamarche, Arne Astrup, Robert H Eckel, et al.
Am J Clin Nutr. 2025 May;121(5):956-964. doi: 10.1016/j.ajcnut.2025.03.009. Epub 2025 Mar 13.
PMID: 40088974 DOI: 10.1016/j.ajcnut.2025.03.009
掲載雑誌:The American Journal of Clinical Nutrition【アメリカ IF 5.20(2024)】 2025年より
研究の要旨(Abstract)
研究目的
現在の食事ガイドラインで推奨されている「低脂肪乳製品への切り替え」が、本当に心血管疾患予防に有効なのか、科学的根拠を再評価することです。
研究方法
2024年にアムステルダムで開催された国際専門家会議にて、最新の観察研究(疫学調査)およびランダム化比較試験(RCT)のメタ解析データを網羅的にレビューしました。
研究結果
観察研究および臨床試験のいずれにおいても、通常脂肪の乳製品と低脂肪の乳製品の間で、心血管疾患リスクやリスク因子(血圧・脂質等)への影響に差は見られませんでした。
結論
心血管疾患予防のために、乳製品を「低脂肪」に限定して推奨する科学的根拠は不十分であり、脂肪含有量で区別する必要はないと結論づけられました。
考察
乳製品の健康効果は「脂肪の量」だけでなく、カルシウムや膜構造などを含む「食品マトリックス(食品全体の構造)」として捉えるべきです。
研究の目的
この研究が解決しようとしたのは、「『心臓病予防のためには低脂肪乳製品を選ぶべき』という現在のガイドラインは、本当に科学的に正しいのか?」という、極めて具体的かつ重要な問いです。
これまで多くの国の食事ガイドラインでは、「飽和脂肪酸は悪玉コレステロールを上げるため、心血管疾患(CVD)のリスクになる」という前提のもと、乳製品は「低脂肪」が推奨されてきました。
しかし、最新の研究では「食品に含まれる飽和脂肪酸の影響は、食品の種類によって異なるのではないか?」という疑問が浮上しています。
そこで本研究は、ターゲットを「心血管疾患(心臓病・脳卒中)」に絞り、低脂肪と通常脂肪(全脂肪)でリスクに差があるのかを白黒はっきりさせるために行われました。

研究の対象者と背景
この論文は、特定の患者さんを対象とした一つの臨床試験ではなく、世界各国の数十万人規模の参加者を含む複数の大規模研究(メタ解析やPURE研究など)を総括したレビュー論文です。
対象データには、北米・欧州だけでなく、アジアを含む世界21カ国の一般住民が含まれています。
欧米人と比較して日本人は乳製品の摂取量自体が少ない傾向にあります(欧米は1日3サービング以上摂ることも多い)。
しかし、生物学的な反応(乳脂肪が体にどう作用するか)は共通しているため、この結果は私たち日本人にとっても「乳製品選びの基準」として十分に参考になる知見です。

研究の手法と分析の概要
本研究の信頼性を担保しているのは、「エビデンスレベルの高い研究デザイン」を徹底的に集めて議論した点です。
具体的には以下の2つの柱で分析が行われました。
大規模観察研究のメタ解析
何万人もの人々を何年も追跡し、「普段食べている乳製品のタイプ」と「実際に心臓病になったかどうか」の関連を調べた研究のまとめ。
ランダム化比較試験(RCT)のメタ解析
参加者をグループ分けして特定の乳製品を数週間〜数ヶ月食べてもらい、血液検査(コレステロール値や血糖値など)の変化を厳密に比較した試験のまとめ。
これらを国際的なエキスパートたちが集まって精査し、合意形成(コンセンサス)を行っています。

【補足:各種用語】
心血管疾患(CVD)
心筋梗塞や狭心症、脳卒中など、心臓や血管に関わる病気の総称です。
飽和脂肪酸(SFA)
肉の脂身やバター、乳製品などに多く含まれる脂肪酸。
摂りすぎると悪玉コレステロールを上げると言われてきましたが、食品によって影響が異なることがわかってきています。
メタ解析
過去に行われた複数の研究結果を統合して、より信頼性の高い結論を導き出す統計手法のことです。
食品マトリックス
栄養素単体(例:脂肪だけ)ではなく、タンパク質やカルシウム、物理的な構造などが複雑に組み合わさった「食品全体の姿」のこと。これが消化吸収に影響を与えます。
研究結果
今回の調査で明らかになった最大の発見は、これまでの常識を覆す以下の事実です。
脂肪の量による「差」は存在しなかった
世界中の膨大なデータを分析した結果、牛乳・ヨーグルト・チーズのいずれにおいても、「通常脂肪(全脂肪)」を選んでも「低脂肪」を選んでも、心臓病や脳卒中の発症リスクに明確な差はないことが判明しました。
むしろ、全脂肪の乳製品を摂ることで、わずかですが脳卒中のリスクが下がる傾向を示したデータさえありました。
具体的なポイントをまとめると以下のようになります。
| 比較項目 | 結果の概要 |
| 心血管疾患リスク | 通常脂肪・低脂肪ともに関連なし(中立)、もしくはわずかにリスク低下 |
| 悪玉コレステロール | バターと比較して、チーズなどの乳製品として摂取した場合、数値は上昇しにくい |
| 血圧・体重 | 通常脂肪と低脂肪で変化に差なし |
| 糖尿病リスク | 脂肪分に関わらず、ヨーグルト摂取はリスク低下と関連する可能性あり |

変化がなかった指標(陰性所見)
変化がなかった指標として重要なのが、体重や体脂肪です。
「普通の牛乳を飲むと太るのでは?」と心配する方が多いですが、臨床試験の結果では、通常脂肪の乳製品を摂っても、低脂肪に比べて体重や体脂肪が増えるという証拠は見つかりませんでした。
これらの結果は統計的にも信頼性が高く、「心臓を守るために無理して低脂肪を選ぶ必要はない」ということを強く示唆しています。つまり、私たちがスーパーで成分表示を見て悩んでいた時間は、医学的にはあまり意味がなかった可能性があるのです。

研究の結論
「成分」ではなく「食品のチームワーク」を見よ
本研究が導き出した最も重要な結論は、「成人の心血管疾患予防において、乳製品を『脂肪の量(%)』だけで判断して区別する科学的根拠はない」ということです。
これは、「飽和脂肪酸=悪」という単純な図式から脱却し、「食品マトリックス(Food Matrix)」という新しい視点を持つべきだというパラダイムシフトを意味しています。
【補足】「食品マトリックス」とは?
「食品マトリックス」という言葉、少し難しそうですよね。
これは一言で言うと、「栄養素単体(部品)ではなく、食品としての構造(完成品)全体を見る」という考え方です。
もっと噛み砕いて、「スポーツのチーム」で想像してみてください。
栄養素単体(飽和脂肪酸など)
一人の選手。
単独だと、時にはミスをしたり(悪玉コレステロールを上げる)、調子を崩したりするかもしれません。
食品マトリックス(チーズやヨーグルト)
監督や他の選手(カルシウム、タンパク質、特殊な膜など)と一緒になった「チーム」です。
乳製品という「チーム」の中では、脂肪という選手は周りの仲間に支えられています。
例えば、乳脂肪は「乳脂肪球皮膜(MFGM)」という特殊な膜に包まれていたり、カルシウムと結合していたりします。
この「チームワーク(複雑な構造)」のおかげで、脂肪の吸収が穏やかになったり、悪い作用が打ち消されたりするのです。
つまり、「脂肪がいるからダメだ!」と選手一人を悪者にするのではなく、「チーム全体として良い働きをしているか(心臓病のリスクを上げないか)」を見ることが大切なのです。

礼次郎の考察とまとめ
論文著者らの考察
「バター」は例外?
著者らは、同じ乳脂肪でも「バター」と「チーズ」は別物として考えるべきだと指摘しています。
バターは製造過程で他の成分が取り除かれ、ほぼ「脂肪の塊」になっており、マトリックス(チームワーク)の効果が弱いためです。
一方、チーズやヨーグルトはカルシウムなどの栄養素が豊富なマトリックスを保っています。
実際に、チーズはバターよりも悪玉コレステロールを上げにくいというデータがあります。
「木(脂肪)」を見て「森(食事全体)」を見ず
現在のガイドラインが「飽和脂肪酸を減らすこと」に固執しすぎている点に、著者らは警鐘を鳴らしています。
脂肪を減らそうとして、代わりに「精製された炭水化物(砂糖や白パン)」や「低脂肪だが添加物たっぷりの加工食品」を食べてしまっては、心臓病のリスクはかえって高まる可能性があります。
重要なのは、細かい成分計算ではなく、「加工の少ない栄養豊富な食品」を中心とした食事パターンを作ることです。

日常生活へのアドバイス
「食品マトリックス」の力を味方につけ、明日から心臓を守るための具体的なアクションプランです。
「成分表」より「原材料」を見よう
「脂質○g」という数字を睨めっこするよりも、それが「牛乳、乳酸菌」といったシンプルな素材でできているかを確認しましょう。
自然な形で作られた食品(マトリックスがしっかりしている食品)なら、脂肪分を過度に恐れる必要はありません。
バターよりも「ヨーグルト・チーズ」を優先
同じ乳脂肪を摂るなら、栄養のチームワーク(マトリックス)が効いている発酵乳製品(ヨーグルトやチーズ)がおすすめです。
バターは嗜好品として楽しみ、日常的な栄養源としてはヨーグルトなどを選びましょう。
「低脂肪+砂糖」の罠に気をつけて
「脂肪ゼロ」と大きく書かれたヨーグルトでも、裏を見ると「砂糖・果糖ブドウ糖液糖」がたっぷり入っていることがあります。
これではマトリックスの利点を台無しにしてしまいます。
迷ったら「成分無調整」や「プレーン」を選び、甘みは自分で果物などで足すのが正解です。
和食に「ちょい足し」で最強のバランス
魚や野菜中心の和食はヘルシーですが、カルシウムやコクが不足しがちです。
そこにチーズやヨーグルトを「食品全体」として加えることで、無理なく心臓に優しい食卓が完成します。

「一人のスター選手(特定の栄養素)に頼るより、チームワーク(食品全体)で勝つ。」
これが、最新医学が教える食事の極意です。
牛乳というチームが持つ本来の力を、そのまま美味しくいただきましょう。
締めのひとこと
「「脂肪分」という数字の呪縛を解き、「食品そのもの」が持つ自然な力を信じよう!」

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!
もし本記事が参考になったら、他の記事もぜひのぞいてみてください。
これからも皆さまの知的好奇心を満足させられる情報をお届けできるよう努力していきます。
本ブログでは、Pubmed、医中誌、Clinical Key、ヒポクラ、m3、日経メディカル、ケアネットなどの信頼性ある医療情報サイトを参考に、論文の検索・選定を行っています。
記事の内容は、筆者自身が論文を読み解き、わかりやすく要約・執筆しています。
免責事項
本記事でご紹介した内容は、あくまで特定の査読済み医学論文の科学的知見を解説することのみを目的としており、筆者(Dr.礼次郎)個人の、診療上の推奨や個人的な意見ではありません。
特定の治療方法、治療薬、生活スタイル、食品などを批判する意図や、推奨する意図は一切ございません。
本記事は、医師による診断や個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
実際の治療方針や服薬については、必ず主治医にご相談ください。
読者の皆様は、記事の内容をご自身の責任において吟味し、適切に判断してご利用ください。
記事内の画像やイラストは、AIを用いて内容をイメージ化したものであり、本文の内容を正確に表したものではありませんので、あらかじめご了承ください。


コメント