
結論「遺伝子レベルの解析で判明:「クレアチン摂取と腎機能低下に因果関係なし」」
この記事はこんな方におすすめ
✅ 筋トレをしていてクレアチンを飲んでいるが、腎臓への負担が心配な方
✅ 健康診断の数値(クレアチニン値など)が気になり始めたトレーニーの方
✅「サプリは肝臓や腎臓に悪い」という噂の真偽を科学的に知りたい方
✅ 感情論ではなく、最新の医学的エビデンスに基づいた安心材料が欲しい方
時間のない方・結論だけサクッと知りたい方へ
🔴 疑問:筋トレ界隈で長年囁かれる「クレアチンを飲むと腎臓が悪くなる」という噂は本当なのか?
🟡 結果:アンケート調査と遺伝子解析の双方において、クレアチン摂取と腎機能障害の間に関連性は認められなかった(P > 0.05)。
🟢 教訓:健康な人が推奨量を守って摂取する分には、腎臓への悪影響を過度に恐れる必要はない。ただし水分摂取は忘れずに。
🔵 対象:中国のフィットネス愛好家1129人の調査データおよび、主にヨーロッパ系集団の大規模な遺伝子データ(GWAS)。日本人にも十分参考になるデータである。

※本記事内の画像は主にChat GPTおよびGeminiを用いて、すべてAIで生成しております。
すべてイメージ画像であり、本文の内容を正確に表したものではありません。
あらかじめご了承ください。
はじめに
皆さん、こんにちは!
「クレアチンを飲むと筋肉がつくけど、腎臓にダメージがあるらしいよ」
ネットの掲示板で、こんな噂を耳にしたことはありませんか?
皆さんも、「もっとパフォーマンスを上げたいけれど、副作用が怖くて手が出せない…」と悩んでいませんか?
実はわたしも、趣味でトレーニングをする一人として、その気持ちが痛いほどわかります。
健康になりたいのか、不健康になりたいのか分からなくなっては本末転倒ですからね。
本日ご紹介するのは、イギリスの医学雑誌『Renal Failure』に掲載された研究です。
今回は、フィットネス愛好家の間での「あるある」な悩みを、最新の遺伝子解析技術を使って解決しようとした画期的な内容を一緒に読み解いていきましょう。

自己紹介
こんにちは! 某県の大規模病院で外科医として約20年の経験を持つ「医学論文ハンター・Dr.礼次郎」です。
海外の権威ある医学雑誌に掲載された論文を一編ずつ読み解いた、
生の「一次情報」をもとに、医学に詳しくない方にもわかりやすく解説しています。
日々、皆さんに信頼できる医療情報をお届けします!

※本記事は、PubMed掲載の査読付き論文をもとに、現役医師が一次情報をわかりやすく解説しています。
以下に出典を明示し、信頼性の高い医療情報をお届けします。
今回読んだ論文
“”Exploring the relationship between creatine supplementation and renal function: insights from Mendelian randomization analysis””
(クレアチン補給と腎機能の関係の探求:メンデルランダム化解析からの洞察)
Bing Zhou, Minping Hong, Liqin Jin, et al.
Ren Fail. 2024 Dec;46(2):2364762. doi: 10.1080/0886022X.2024.2364762. Epub 2024 Jun 14.
PMID: 38874125 DOI: 10.1080/0886022X.2024.2364762
掲載雑誌:Renal Failure【アメリカ IF 3.0(2023)】 2024年より

研究の要旨(Abstract)
研究目的
フィットネス愛好家の間で懸念されている「クレアチン補給が腎機能に悪影響を与えるか」という疑問を、アンケートと遺伝子解析の両面から解明すること。
研究方法
1129人へのオンライン調査による観察研究と、大規模な遺伝子データベースを用いたメンデルランダム化解析(MR)の2段階で調査を行った。
研究結果
アンケートでも遺伝子解析でも、クレアチンレベルと腎機能指標(eGFRや尿酸値など)との間に統計的な関連は見られなかった。
結論
クレアチンレベルは腎機能と統計的に関連しておらず、サプリメント摂取が腎障害の引き金になるという懸念は根拠が薄いことが示唆された。
考察
本研究は、従来の観察研究の弱点(交絡因子)を遺伝子解析で補完しており、クレアチン摂取の安全性について強力なエビデンスを提供するものである。
研究の目的
この研究が解決しようとしたのは、「クレアチン摂取は本当に腎臓を壊すのか?」という、非常にシンプルかつ切実な疑問です。
これまでも同様の研究はありましたが、結果は「高用量は危険」「推奨量なら安全」と意見が分かれていました。
また、従来の観察研究では、「もともと腎臓が弱い人が避けていた」あるいは「プロテインなど他のサプリも飲んでいた」といったノイズ(交絡因子)を排除しきれないという弱点がありました。
そこで研究チームは、より純粋な因果関係を突き止めるため、遺伝子レベルでの解析を試みたのです。

研究の対象者と背景
この研究は2つのパートに分かれています。
リアルな声
中国のフィットネスセンターに通う1129人(男性約92%、女性約8%)を対象としたアンケート調査。
遺伝子データ
公開されている大規模な遺伝子研究データベース(GWAS)。
ここでは主にヨーロッパ系の集団(数万人〜数十万人規模)のデータが使用されています。
アンケートは中国、遺伝子解析は欧州データがベースですが、生物学的な腎臓の機能やクレアチンの代謝メカニズムは人種間で大きく異なりません。
したがって、日本人のトレーニーにとっても十分に参考になるデータと言えますが、人種による体格差などは考慮に入れる必要があります。

研究の手法と分析の概要
この研究の最大のキモは、「メンデルランダム化解析(MR)」という手法を使っている点です。
これは、生まれ持った「遺伝子の組み合わせ(親から受け継ぐクジ引き)」を利用して、まるでランダム化比較試験(RCT)のような信頼性の高い因果関係を推測する手法です。
ステップ1
まずアンケートで「実際の使用者の現状」を把握します。
ステップ2
次にMR解析で、環境要因(食事や生活習慣など)のノイズを取り除き、「純粋にクレアチンレベルが高い体質の人は腎機能が悪いのか?」を検証しました。
これにより、単なる「相関関係」ではなく、より強力な「因果関係」に迫ることができるのです。

【補足:各種用語】
eGFR(推算糸球体濾過量)
腎臓が1分間にどれくらい血液をろ過できているかを示す数値。
この値が低いほど腎機能が悪いことを意味します。
BUN(尿素窒素)
タンパク質の燃えカス。
腎機能が落ちると尿に出せなくなり、血液中の値が高くなります。
メンデルランダム化解析(MR)
遺伝子の違いを利用して、病気や体質のリスク要因を調べる統計手法。
観察研究よりもバイアス(偏り)が少ないとされています。
P値(ピーち)
偶然その結果が出た確率。
「0.05(5%)」より小さいと、統計的に意味がある(有意差あり)と判断されます。
研究結果
さて、ここからがトレーニーの皆さんが一番知りたい結果です。結論から言うと、「クレアチンはシロ」でした。
アンケート結果:使用者の腎機能は正常
まず、1129人のトレーニーへの調査結果です。
クレアチンを使っている人と使っていない人で、自己申告による腎機能の問題に差はあるかを調べました。
結果は、「有意差なし(P = 0.619)」。
つまり、クレアチンユーザーだからといって腎臓が悪いという傾向は全く見られませんでした。
面白い発見として、クレアチン使用者の方がBMI(体格指数)が有意に低い傾向がありました。これはトレーニング意識の高さが反映されているのかもしれません。

遺伝子解析(MR):因果関係は「ゼロ」
次に、より厳密な遺伝子解析の結果です。研究チームは、以下の6つの腎機能マーカーについて詳しく調べました。
| 検査項目 | 結果の概要 | 統計的判定 |
| eGFR(腎臓のろ過能力) | 関連なし | 有意差なし |
| 血清尿酸値 | 関連なし | 有意差なし |
| 尿中微量アルブミン | 関連なし | 有意差なし |
| 尿中クレアチニン酵素 | 関連なし | 有意差なし |
| BUN(尿素窒素) | 関連なし | 有意差なし |
| 血清クレアチニン | 関連なし | 有意差なし |
ご覧の通り、すべての項目において「関連なし(影響を与えていない)」という結果が出ました。
特に重要なのは、P値がすべて0.05を超えている点です。
これは、「データ上、クレアチンが腎臓を悪くしている証拠はどこにも見つからなかった」ということを意味します。
変化がなかったことの意味
「変化がない」というのは、ガッカリする結果ではありません。
むしろ「悪化させていない」という強力な安全性の証明です。
尿酸値やBUNといった、腎臓以外の代謝に関わる数値にも悪影響が見られなかった点は、トレーニーにとって非常に安心できる材料と言えるでしょう。

研究の結論
科学が示した「安全性」の太鼓判
本研究の結論は非常に明確です。
「クレアチンレベルと腎機能障害のリスクには、因果関係がない」。
これまでフィットネス界隈で懸念されていた腎臓へのダメージ説は、少なくとも遺伝学的および統計学的な観点からは否定されました。
これは、健康な人がパフォーマンス向上のためにクレアチンを利用することの正当性を、科学的に後押しするものです。

礼次郎の考察とまとめ
論文著者らの考察
著者らは、今回の研究がアンケートと遺伝子解析(MR)を組み合わせたことで、従来の観察研究よりも信頼性の高い結果が得られたと自負しています。
一方で、限界として以下の点を挙げています。
• アンケートが自己申告に基づいているため、参加者が自分の腎機能を正確に把握していない可能性がある(過小評価や過大評価)。
• 対象集団が特定の層に限られているため、より広範なデータでの検証が必要である。
確かに「健康診断で指摘されましたか?」という自己申告だけでは、隠れ腎臓病を見逃している可能性はあります。
しかし、それを補うための遺伝子解析(MR)であり、ここで明確に「関連なし」が出たことは非常に大きな意味を持ちます。

日常生活へのアドバイス
この論文の結果を踏まえて、明日から皆さんが実践できるアクションプランを提案します。
クレアチンは恐れずに使ってOK
健康な方であれば、腎臓への影響を過度に心配して使用を控える必要はありません。
トレーニングの質を高めるために有効活用しましょう。
水分摂取はこれまで通りしっかりと
論文で「腎毒性はない」とされましたが、クレアチンは筋肉に水分を引き込む性質があります。
脱水を防ぎ、腎臓をいたわるためにも、水はたっぷり(1日2〜3リットル目安)飲みましょう。
「クレアチニン値」の上昇に慌てない
サプリとしてのクレアチンを飲むと、健康診断の「血清クレアチニン値」が見かけ上高くなることがあります。
これは腎機能低下ではなく、代謝産物が増えただけのことが多いです。
「サプリ飲んでます」と医師に伝えましょう。
定期的な健診はサボらない
「安全だ」という結果は、「検診を受けなくていい」という意味ではありません。
自分の体のベースラインを知っておくことは重要です。

筋肉を愛する皆さん、朗報でしたね。「筋肉に良いこと」と「健康であること」は両立できます。正しい知識を武器に、安心してトレーニングに励んでください!
締めのひとこと
「正しい知識こそが、あなたの体を守る最強のプロテクター。」

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!
もし本記事が参考になったら、他の記事もぜひのぞいてみてください。
これからも皆さまの知的好奇心を満足させられる情報をお届けできるよう努力していきます。


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