朝ごはんの選び方で“顔の魅力”が変わる?美の国フランスの研究が発見した食事と印象の関係

高GI食品と低GI食品の朝食を食べる男女の比較イラスト|精製炭水化物と全粒穀物の影響

結論「朝に白パンや甘いお菓子などの“高GI食品”を食べると、その後に撮られた顔が、他人から“やや魅力的でない”と評価される傾向があることがわかりました」

この記事はこんな方におすすめ

✅朝は白パン・ジャム・ジュースなど“甘めの朝食”が定番の人
✅「今日は顔が冴えないな」と感じる日がたまにある人
✅肌の印象やむくみに食事が関係しているか気になっている人
✅見た目や第一印象を食生活で少しでも良くしたい人

時間のない方・結論だけサクッと知りたい方へ

🔴疑問:朝に食べるものって、顔の印象に影響することがあるの?
🟡結果:朝に白パンや甘いものを食べた直後は、顔の魅力度が下がったと評価される傾向がありました。
🟢教訓:朝ごはんやおやつの選び方を少し工夫するだけで、印象が良くなる可能性がありそうです。
🔵対象:フランス人男女104名による研究結果ですが、炭水化物と血糖反応の基本メカニズムは日本人にも共通です。

はじめに

皆さん、こんにちは!

朝の顔って、なんとなく日によって印象が違う気がしませんか?

わたしも、鏡を見て「今日はちょっと顔がぼんやりしてるな」と感じることがあって。

体調が悪いわけでもなく、睡眠もそれなりに取れているのに、何が影響しているのかよくわからず、昔から疑問に思ってました。

そんな中で出会ったのが、「食事内容が顔の印象に影響するかもしれない」というユニークな研究です。

正確には“朝起きた顔”ではなく、“朝食をとった後の顔”がどう見えるかを調べたものですが、

読み進めるうちに、「あのぼんやり感、もしかして食べたもののせいだったのかも…?」と妙に納得してしまいました。

今回ご紹介するのは、アメリカのオープンアクセス医学誌「PLOS ONE」に掲載された、フランスの研究チームによる注目の論文です。

「精製された炭水化物と顔の魅力の関係」という、美の国フランス発のちょっと変わったテーマについて、わかりやすく解説していきます。

自己紹介

こんにちは! 某県の大規模病院で外科医として約20年の経験を持つ「医学論文ハンター・Dr.礼次郎」です。

海外の権威ある医学雑誌に掲載された論文を一編ずつ読み解いた、

生の一次情報をもとに、医学に詳しくない方にもわかりやすく解説しています。

日々、皆さんに信頼できる医療情報をお届けします!

信頼できる医学情報を発信する外科医・Dr.礼次郎が指を指すイラスト

今回読んだ論文

“Chronic and immediate refined carbohydrate consumption and facial attractiveness”

(精製炭水化物の慢性的および即時的な摂取が顔の魅力度に与える影響)

PLoS One. 2024 Mar 6;19(3):e0298984.

PMID: 38446775 DOI: 10.1371/journal.pone.0298984

掲載雑誌:PLOS ONE【アメリカ】 2024年3月

研究の目的

この研究の目的は、

「精製された炭水化物を摂ることで、顔の魅力にどのような変化が起きるのか?」を明らかにすることです。

糖質の摂取が血糖値やホルモンバランスに影響を与えることは広く知られていますが、

それが“顔の見た目”や“他人からの印象”にどうつながるのかは、これまで十分に研究されてきませんでした。

そこで研究チームは、

・朝食による短期的な炭水化物の影響

・ふだんの食生活による慢性的な影響

が、顔の魅力(第三者の評価)にどう反映されるかを調べました。

さらに、その効果に男女差があるかどうかも検討しています。

このように、内面的な変化(血糖・ホルモンなど)と外見的な印象(顔)をつなぐ“社会的シグナル”の観点からアプローチしているのがこの研究のユニークな点です。

研究の対象者と背景

この研究は、フランスのモンペリエ大学の研究チームによって行われました。

参加者は、フランス南部に住む健康な成人男女104人(男性52人、女性52人)です。

年齢は20歳から30歳で、全員がヨーロッパ系の祖父母をもつ異性愛者。

これは、文化的・遺伝的なばらつきを最小限に抑えるためです。

被験者は、大学周辺の地域からボランティアとして募集されました。特定の病気がある人や、極端な食事制限をしている人は除外されています。

また、事前に食事内容を記録してもらい、慢性的な炭水化物の摂取量についても評価が行われました。

この研究の対象者は白人フランス人であるため、そのまま日本人に当てはまるとは限りません。

ただし、炭水化物の代謝や血糖反応の基本的な仕組みは共通しているため、私たちにとっても参考になる点は多いと考えられます。

研究の手法と分析の概要

この研究では、短期的な影響(その日の食事)と長期的な影響(ふだんの食生活)をそれぞれ検証するために、二つのアプローチが用いられました。

1.まず、被験者は朝の空腹状態で研究室に来所します。

2.そこで、ランダムに以下のどちらかの朝食が提供されました:

・高GI(血糖を急上昇させる)食品:白パン、ジャム、フルーツジュースなど

・低GI食品:全粒粉パン、無糖ヨーグルト、ナッツ、果物など

3.食事から約2時間後、被験者の無表情の顔写真を撮影します。

メイク、髪型、背景など外的要因は極力統一され、「顔そのものの印象」が反映されるよう設計されています。

照明やカメラ位置も一定に保たれ、再撮影が必要な場合もルールに従って行われました。

4.撮影された顔写真は、異性の評価者に2枚1組で提示され、「どちらが魅力的か」を判断してもらうペア比較法で評価されました。

この方法には、評価者の主観的な好みのバイアスを抑える効果があります。

また、評価者同士の判断の一致度も統計的に有意であり、主観的でありながら再現性のある評価結果といえます。

このように本研究の魅力評価は、恋愛的・社会的な文脈における「異性からの印象」に特化している点が特徴です。

5.また、前日までの食生活もアンケートで記録され、摂取エネルギー量(EI)やグリセミック負荷(GL)といった指標が算出されました。

さらに、評価結果に性別による違いがあるかどうかも分析されています。

【補足:各種用語】

グリセミック負荷(GL)

食べた食品がどれくらい血糖値を上げるかの目安。GLが高いほど、血糖が急上昇しやすい。

エネルギー摂取量(EI)

単純に言うと「その人がどれくらいカロリーを摂ったか」を表す数字。

高GI・低GI食品

GI(グリセミック・インデックス)は食品がどれくらい速く血糖値を上げるかを示す指標。白米や砂糖は高GI、野菜や全粒粉は低GI。

ペア比較法

2枚の写真を並べて提示し、「どちらが魅力的か」を他人が選ぶ方法。個人の主観に頼らず、比較によって評価のばらつきを減らせる。

研究結果:食事で“顔の魅力”は変わる?——驚きの発見

この研究では、短期・長期の炭水化物摂取と顔の魅力の関係を検証したところ、次のような興味深い結果が得られました。

短期的影響(朝食後の顔)

朝に「高GI食品(精製された炭水化物)」を摂取した後の顔写真は、

「低GI食品を食べた後」に比べて、魅力が低く評価されました。

この傾向は男女ともに共通して見られました。

特に男性では、「年齢が高く見える」「肌の質感が落ちた」といった印象の変化が顕著だったと報告されています。

長期的影響(ふだんの食生活)

昼食や夕食といった通常の主食による炭水化物の摂取と、顔の魅力との間には有意な関連は見られませんでした。

つまり、「いつ摂るか」というタイミングが、外見に影響する可能性があります。

一方で、慢性的に間食で精製炭水化物を多く摂っていた男性は、顔の魅力が高く評価される傾向が見られました。

ただし、BMIや総摂取カロリーが高い男性ほど、顔の魅力が低く評価される傾向も報告されており、これらの要素が同時に存在していたことから、単純な因果関係では説明できないことに注意が必要です。

ただし、顔の魅力が低く評価された人が必ずしも「太っていた」とは限らず、BMIと魅力度との直接的な因果は明確ではありません。

評価には体型よりも、顔の質感や印象がより強く反映されている可能性もあります。

女性においては、慢性的な高GI食品の摂取と顔の魅力との間に有意な関係は見られませんでした。

この性差の背景には、ホルモンバランスの違いや、魅力の評価基準における男女差が影響している可能性があり、さらなる研究が求められています。

表:主な結果まとめ

分析対象炭水化物の摂取顔の魅力スコア(異性評価)傾向
短期(朝食後)高GI食品低下(男女とも)有意差あり(p<0.05)
長期(間食傾向)高GI食品(男性)上昇傾向あり統計的に有意(p<0.05)
長期(間食傾向)高GI食品(女性)関連なし有意差なし

変化がなかった点(陰性所見)

日常的な主食(昼食や夕食)での炭水化物摂取と顔の魅力度との間に、有意な関連は見られませんでした。

この結果は、「炭水化物をとること」自体が問題なのではなく、

「どういうタイミングで、どんな種類の炭水化物をとるか」が、見た目に影響するかもしれないという可能性を示しています。

普段のごはんやパンをすべて控える必要はなく、

むしろ朝や間食など、意識しづらい場面での選択がカギになりそうです。

この結果、どう解釈できる?

朝にどんな炭水化物を食べるかで、その日の“顔の第一印象”が変わるかもしれません。

この研究では、同じ人物でも朝食の内容によって顔の魅力の評価が変わることが明らかになりました。

つまり、「他人と比べて見劣りする」というよりも、「自分の印象が日によって変動する」という可能性が示されたのです。

顔写真は朝食から約2時間後に撮影されており、その日の食事が午前中の印象に影響していたことがうかがえます。

たとえば、出社前に何を食べたかが、その日の会議や人間関係に微妙な影響を与えることも考えられるでしょう。

評価には無表情の顔写真が用いられ、異性の評価者によるペア比較法で「どちらが魅力的か」が判断されました。

つまり、笑顔やメイクといった“演出”ではなく、素の顔そのものの印象が、炭水化物の種類によって左右されていたのです。

ここで重要なのは、「他人より魅力が劣る」ことではなく、「同じ人の顔でも、日によって印象が揺らぐ」という点です。

食事によって、自分自身の第一印象がさりげなく変化していたかもしれない——そう考えると、朝食の内容も侮れません。

大切なのは「糖質を避ける」ことではなく、「質を見直す」こと。

朝に選ぶ炭水化物の“種類”が、見た目の印象を左右するカギになる可能性があります。

研究の結論

この研究の結論は次の通りです:

✅️朝食などで直後に摂取する炭水化物の種類は、顔の印象に影響を与える可能性がある。

✅️特に高GI食品を食べたあとの顔は、同じ人物でも「魅力が下がる」と他者に評価されやすい。

✅️慢性的な間食の炭水化物摂取については、性別によって効果が異なる可能性がある。

✅️食事が顔の見た目に及ぼす影響は、私たちが思っている以上に日常的で、かつ社会的な意味をもつかもしれない。

なぜ魅力が下がったのか?──研究者の考察

本研究では、「なぜ高GI食品を摂った後の顔が魅力的に見えにくくなるのか」について、いくつかの仮説が提示されています。

たとえば、高GI食品による血糖値の急上昇は、体内の炎症反応や酸化ストレスを一時的に高め、肌の質感や明るさに影響を与える可能性があります。

また、インスリンの急激な分泌は水分バランスを変化させ、顔にむくみを生じさせることもあり得ます。

こうした一連の生理的変化が、無意識のうちに「顔がぼんやり見える」「魅力度が下がった」と評価される原因になっているのかもしれません。

ただし、これらはあくまで現時点での仮説であり、詳細なメカニズムの解明には今後の研究が必要です。

【礼次郎の考察とまとめ】:食べたものが、顔に出る。

「食事で顔の印象が変わるなんて、正直ちょっと信じがたい」——最初はそう思いました。

でもこの研究結果を読んで、妙に納得してしまったんです。

私たちは毎日、なんとなく朝食やおやつを口にしていますが、その何気ない選択が、“自分では気づきにくい外見の変化”を引き起こしているのかもしれません。

特に印象的だったのは、同じ人の顔でも「朝に何を食べたか」で魅力度に差が出たという事実。

つまり、食べたものがその日の出会いや人間関係に影響を与えている可能性すらあるのです。

しかもポイントは“糖質そのもの”ではなく、血糖値を急上昇させるタイプの炭水化物(高GI食品)。

これを機に、たとえば朝の白パンや甘いジュースを、少しだけ低GIな食材に置き換えてみるのも一つの方法かもしれません。

もちろん、日本人とフランス人では体質や食文化に違いはあります。

でも「食べたものが自分をつくる」という原則は、どこの国でも変わらないはずです。

ほんの少しの朝食の工夫

——たとえば、白パンを全粒粉パンに変える、ジュースの代わりに無糖ヨーグルトを選ぶ——

が、他人に与える印象をさりげなく底上げしてくれるかもしれません。

締めのひとこと

今日の顔は、朝ごはんでつくられる。


以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!

もし本記事が参考になったら、他の記事もぜひのぞいてみてください。

これからも皆さまの知的好奇心を満足させられる情報をお届けできるよう努力していきます。

本ブログでは、Pubmed医中誌Clinical Keyヒポクラm3日経メディカルケアネットなどの信頼性ある医療情報サイトを参考に、論文の検索・選定を行っています。
記事の内容は、筆者自身が論文を読み解き、わかりやすく要約・執筆しています。

画像は主にChat GPT・Geminiを使用しAIで作成しております。

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