
結論「寝すぎも寝不足もNG。7時間睡眠が“体の若さ”を守るベストラインかもしれません。」
この記事はこんな方におすすめ
✅寝不足や寝すぎで体に悪影響がないか心配な方
✅最近「なんとなく老けたかも…」と感じている方
✅睡眠を見直して、健康寿命を延ばしたい方
✅睡眠と老化の関係を信頼できるデータで知りたい方
時間のない方・結論だけサクッと知りたい方へ
🔴疑問:結局、何時間寝るのが一番健康に良いの?
🟡結果:イギリスの24万人の調査で「7時間睡眠」が最も老化が遅くなると判明。5時間以下・9時間以上では加齢の進行が加速。
🟢教訓:休日の寝だめや、慢性的な睡眠不足をやめて、毎日7時間前後の睡眠を意識することが、将来の若さを守るカギに。
🔵対象:イギリスの中高年(37〜73歳)24万人。日本人にもほぼ参考になる内容。

※本記事内の画像は主にChat GPTおよびGeminiを用いて、すべてAIで生成しております。すべてイメージ画像であり、本文の内容を正確に表したものではありません。あらかじめご了承ください。
はじめに
皆さん、こんにちは!
皆さんは、日中に眠くならないくらい、しっかり睡眠とれていますか?
わたしはというと…正直あんまり自信がありません。
仕事から帰って、ブログを書いていると、気づけば深夜1時。
「まあ、週末にいっぱい寝れば大丈夫でしょ」なんて思って、土日に“ねだめ”するのが毎週のお決まりです。
ですが――それ、ちょっと怪しいらしいんです。
どうやら、短すぎる睡眠も、長すぎる睡眠も、体の“老化”を進めてしまう可能性があるとのこと。
本日ご紹介するのは、そんな睡眠と加齢の関係について、イギリスの24万人超を対象に調べた大規模研究です。
この論文は、イギリス発の加齢医学専門誌『Aging Cell(エイジング・セル)』に掲載されたもので、
わたしたちの“いつも通りの睡眠時間”が体の若さにどんな影響を与えているのかを、科学的に検証したものです。
今回はこの研究をもとに、
「何時間寝るのがいちばん若さを保てるのか?」
について、わかりやすく解説していきます。

自己紹介
こんにちは! 某県の大規模病院で外科医として約20年の経験を持つ「医学論文ハンター・Dr.礼次郎」です。
海外の権威ある医学雑誌に掲載された論文を一編ずつ読み解いた、
生の「一次情報」をもとに、医学に詳しくない方にもわかりやすく解説しています。
日々、皆さんに信頼できる医療情報をお届けします!

今回読んだ論文
“U-shaped association between sleep duration and biological aging: Evidence from the UK Biobank study”
(睡眠時間と生物学的加齢との間にU字型の関連がある:UKバイオバンク研究による証拠)
Aging Cell. 2024 Jul;23(7):e14159.
PMID: 38556842 DOI: 10.1111/acel.14159
掲載雑誌:Aging Cell【イギリス】 2024年7月
研究の要旨
研究目的
睡眠時間と生物学的加齢との最適な関係(用量反応曲線)を明らかにすること。
研究方法
UK Biobankのデータを用い、自己申告の睡眠時間と4つの生物学的加齢指標の関係を多変量回帰で分析。
研究結果
睡眠時間と加齢指標の関係はU字型を示し、短時間・長時間の睡眠は加齢を加速させることが示唆された。
結論
5時間以下や9時間以上の睡眠は、7時間と比較して生物学的加齢が進みやすい可能性がある。
研究の目的
この研究では、「睡眠時間と生物学的加齢の関係」を明らかにすることが目的とされています。
これまでにも睡眠と健康リスク(死亡率や心血管疾患など)の関係を調べた研究は数多くありましたが、
実は「体の老化そのものに睡眠時間がどのように影響しているか」については、十分な知見がありませんでした。
特に、生物学的年齢(見た目や気分ではなく、血液マーカーなどで客観的に測る“体の実年齢”)との関連性を明確にした大規模な研究は非常に限られていました。
また、これまでの一部研究では「睡眠が短すぎても長すぎても、健康に悪い」という“U字型”のリスクが示唆されてきましたが、
それが本当に「老化」にも当てはまるのかははっきりしていませんでした。
そこで今回、大規模なUK Biobankのデータ(24万人以上)を用い、さまざまな加齢指標をもとに、
睡眠時間と“老化の進み方”との関係を客観的に検証することが、本研究の目的とされました 。

研究の対象者と背景
この研究では、イギリスの大規模な健康調査プロジェクト「UK Biobank」に登録している人々を対象に、睡眠と老化の関係を調べました。

具体的には、37歳から73歳の男女、合計24万1,713人が分析対象となりました。
対象者は主に白人で、登録時に健康状態や生活習慣、血液検査のデータなどが詳細に記録されています。
UK Biobankは、健康や遺伝、生活習慣がどのように病気や加齢に関係するのかを明らかにするための、国レベルの巨大データベースです。
対象はイギリス人ですが、睡眠と老化という“人間共通の生理現象”に着目した研究であるため、わたしたち日本人にも十分参考になる内容だと考えられます。
ただし、遺伝や文化の違いにより“最適な睡眠時間”に多少のズレがある可能性には、注意が必要です。

研究の手法と分析の概要
この研究は、イギリスの大規模健康調査「UK Biobank」を用いた“前向きコホート研究”に基づいて行われました。
登録者(37歳〜73歳)から収集された生活習慣や血液データを活用し、特に「睡眠時間と生物学的加齢指標との関係」を、ベースライン時点で解析する“横断的分析”が実施されました。
研究デザイン
前向きコホート研究(ただし今回は横断的解析)
対象人数
241,713人
調査内容
過去4週間の平均的な1日の睡眠時間(自己申告)
評価指標
以下いずれも「血液検査などから算出される生物学的加齢スコア」です
PhenoAge(フェノエイジ)=血液データから推定した体内年齢
見た目ではなく“体の中”の老化度を示すスコア
血液マーカー(白血球数、アルブミン、クレアチニンなど)を用いて、その人の“体内年齢”が実年齢よりどれくらい進んでいるかを数値化したものです。
この値が高いほど、生物学的に“年をとっている”状態とされます。
KDM(Klemera-Doubal Method:クレメラ=ドゥバル法)=複数の生体指標を統合した年齢予測
複数の健康指標を組み合わせて“本当の年齢”を推定する統計モデル
身長・体重・血圧・血液検査など、複数の身体データを統合的に解析することで、その人の「見かけよりも体がどれくらい老けているか/若いか」を推定します。
PhenoAgeと同様に“体内年齢”を測る方法のひとつです。
HD(Homeostatic Dysregulation)=ホメオスタシス(恒常性)の乱れ
体内のバランス調整機能がどれだけ崩れているかを表す指標
健康な体は、血糖・血圧・体温などを一定に保とうとする“ホメオスタシス(恒常性)”という働きを持っています。
この機能が弱まると、病気にかかりやすくなり、老化が進みます。HDはこのバランスの乱れ具合を数値化したものです。
AL(Allostatic Load:アロスタティック・ロード)=ストレスの蓄積度合い
ストレスや生活習慣の影響で蓄積された「体への負担」を示す指標
日常のストレスや不規則な生活が長く続くと、ホルモンや免疫系に影響が出てきます。
ALは、こうしたストレスの“負債”がどれくらい体に蓄積しているかをあらわします。数値が高いほど、加齢のリスクが大きいとされます。
これらは、いずれも“実年齢”ではなく、“体の状態から見た本当の年齢”を測る方法で、睡眠との関係を見るうえで非常に重要な指標です。
統計解析
・多変量回帰分析:年齢・性別・生活習慣などを調整しながら、睡眠時間と加齢指標の関係を検討
・スプライン回帰:非線形な関係(U字型など)をなめらかな曲線で評価
・加えて、腎機能マーカー(シスタチンC)や肝機能マーカー(GGT)などを“媒介変数”として解析し、老化に関わる生理学的メカニズムにも迫っています。

【補足:各種用語】
多変量回帰分析
年齢や性別、持病など、さまざまな条件を同時に考慮しながら、特定の要因(今回は睡眠時間)との関係を調べる方法です。
スプライン回帰
直線では表せない関係(たとえば“U字型”など)を、なめらかな曲線で解析する統計手法です。
研究結果
睡眠は“長すぎても短すぎても”老化が加速する──理想は7時間!
この研究では、睡眠時間と体の加齢スコア(PhenoAgeやKDMなど)の関係を調べた結果、
7時間睡眠が最も生物学的老化を抑えていた
ことが明らかになりました。
一方で、
5時間未満や9時間以上の睡眠では、体の老化が進んでいる傾向
が示され、全体として“U字型の傾向”が見られました。
睡眠時間 | 生物学的年齢の傾向 | 説明 |
5時間未満 | 老化が加速しやすい | 体への負担が大きい状態 |
6時間 | やや老化傾向 | 安定域の入り口付近 |
7時間 | 最も老化が緩やか | 理想的な睡眠時間 |
8時間 | やや老化傾向 | まだ安全域内 |
9時間以上 | 老化が再び進む傾向 | 長時間睡眠も要注意 |
たとえば、7時間睡眠に対して、
5時間睡眠ではPhenoAge(体内年齢)が+0.75歳、
9時間睡眠では+0.42歳ほど進んでいたというデータが得られています(※調整済みモデルにて)。
わずか1~2時間の違いでも、「体の老け方」に差が出ることがわかります。
この傾向は4種類の加齢スコア(PhenoAge・KDM・HD・AL)のすべてで一致しており、一貫性のある結果が得られています。
また、実年齢との差(年齢残差)を分析したところ、7時間睡眠の人は体内年齢が実年齢より若い傾向がありました。
これは、ただ若く見えるだけでなく、「血液データ上でも若い」ことを意味します。

補足:年齢残差
実年齢と比べて、体の中が“若いか老けているか”を示す指標です。
血液検査などのデータから算出された「体内年齢(老化スコア)」と、実際の年齢の差を見て、
体内年齢が若ければ「マイナス(=若々しい)」
老けていれば「プラス(=老化が進んでいる)」
というふうに「実年齢と体の実際の若さのズレ」が数値化されます。
睡眠と老化をつなぐ“カラダの中の変化”
睡眠と関連のあった体内マーカー
以下のような、血液検査で確認できる数値が、睡眠と老化のあいだに関係していたのです
・炎症の程度(CRP)
・腎臓のはたらき(シスタチンC)
・肝臓の状態(GGT=γ-GTP)
・血糖コントロール(HbA1c)
睡眠時間が短すぎたり長すぎたりすると、こうした内臓機能や代謝のバランスがくずれやすくなり、
その結果として、体の老化が進みやすくなる
――そんな流れがデータから読み取れました。
「体感の健康」ともリンク
また、「自分は健康だと思っている人」は、実際に加齢スコアが低く、体内的にも若い傾向にあることもわかりました。
主観的な健康感と、体の実際の状態が一致している可能性があるという、興味深い発見です。
男女差について
この“U字型の傾向”は男女ともに共通で、大きな性差は見られませんでした。
年齢差について
この“U字型の傾向”は、すべての年齢層(40代〜70代)で共通して観察されており、
どの年代でも“7時間前後”の睡眠がもっとも体内年齢を若く保つ結果となっていました。
データの正確さについて
この研究では「睡眠の“質”ではなく、“平均的な量”」を評価しており、途中で目覚めるなどの睡眠障害は対象外です。
年齢、性別、BMI、喫煙、飲酒、運動習慣などを統計的に調整したうえで分析が行われており、
すべての結果は統計的に有意(p<0.05)とされています。

研究の結論
7時間睡眠が「老けにくさ」の分かれ道
この研究の結論は、とてもシンプルです。
✅️「毎日の平均睡眠時間が7時間前後の人が、もっとも体の老化が進みにくかった」
つまり、短すぎても、長すぎても、体の“見た目年齢”ではなく“体の中の年齢”が進んでしまうという“U字型の傾向”が見られました。
この関係は年齢や性別、生活習慣などを統計的に調整したあとでも変わらず、信頼できる結果として示されています。

【礼次郎の考察とまとめ】
7時間“寝るだけ”が最高のアンチエイジングだった
この研究が教えてくれるのは、睡眠は「回復」だけでなく
「老化を遅らせる鍵」
でもあるということ。
わたしたちの多くは、つい仕事や家事を優先して、睡眠を削ってしまいがちです。
でもこの研究では、毎日の睡眠がほんの1~2時間違うだけで、体の“若さ”に差が出ることが、24万人のデータから示されました。
特に印象的なのは、睡眠時間が「短すぎても」「長すぎても」体の老化が進みやすくなるという点。
つまり、“長く寝たから安心”でも、“短くても平気”でもなく、「ちょうどよい長さを続けること」が大切なのです。
明日から取り入れたいヒント
「睡眠7時間」がベストとは言っても、生活リズムは人それぞれ。
そこで、実践しやすいポイントをいくつかまとめてみました:
・平日・休日で寝る時間や起きる時間を極端にズラさない(プラスマイナス1時間以内が理想)
・就寝前1時間はスマホやPCのブルーライトを避けて、脳を休ませる
・寝る直前の食事やカフェインを控える
・起きたら朝日を浴びて、体内時計をリセット
また、「寝ても疲れが取れない」「夜中に何度も起きる」などの症状が続く方は、寝具などで睡眠の質にも目を向けてみるとよいかもしれません。
この研究はイギリス人を対象としていますが、日本人もOECD諸国で最も睡眠時間が短い国のひとつ。
われわれ日本人の文化的背景、“とにかく睡眠を削って頑張る”スタイルが、実は体を早く老けさせているようです。
『毎日7時間寝るだけ』
シンプルだけど難しいバランスが、健康と若さの分かれ道になっているという研究結果でした。

締めのひとこと
今日の睡眠が、10年後のあなたをつくります。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!
もし本記事が参考になったら、他の記事もぜひのぞいてみてください。
これからも皆さまの知的好奇心を満足させられる情報をお届けできるよう努力していきます。
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