【新発見】うなずきには「文法」があった!回数で変わる頭の動きと、相手に伝わる「無意識の合図」

会話中にうなずく人物の横顔と、最初が最も大きくその後徐々に減衰していく波形軌跡を重ねたコミュニケーション分析イラスト

結論「うなずきの動きはランダムではなく、回数や順序によって綿密に計算された「構造」を持っており、それが相手への重要な合図となっていました。」

この記事はこんな方におすすめ

✅ コミュニケーションの「間」や「空気」を読むのが苦手だと感じている方
✅ 人の心理や無意識の行動パターンに興味がある方
✅ 聞き上手になりたい、相手の反応をより深く理解したい方
✅ 言語学や身体表現のメカニズムに関心がある方

時間のない方・結論だけサクッと知りたい方へ

🔴疑問:私たちが会話中に何気なく行っている「うなずき」。あれはただ適当に頭を上下させているだけなのでしょうか?それとも相手に何かを伝える法則があるのでしょうか?

🟡結果:明確な法則がありました。長く連続してうなずく時ほど、最初のひと振りが無意識に大きくなります。そして最後は必ず「小さく」終わります。

🟢教訓:相手のうなずきの「最初の大きさ」を見れば、その人がどれくらい深く、長く話を聞こうとしているかが予測できます。また、小さなうなずきは「ターン終了」の合図かもしれません。

🔵対象:日本の大学などで収集された、友人同士の自然な会話データ(日本人36名)を分析した信頼性の高い研究で

※本記事内の画像は主にChat GPTおよびGeminiを用いて、すべてAIで生成しております。
すべてイメージ画像であり、本文の内容を正確に表したものではありません。
あらかじめご了承ください。

はじめに

皆さん、こんにちは!

皆さんは、誰かと話しているときに「あ、この人すごく納得してくれてるな」とか、逆に「今のうなずき、適当だな~」と感じることはありませんか?

自分でも気づかないうちに、相手のうなずきの回数や強さを見て、その人の気持ちを推し量っていますよね。

わたしも先日、友人の話を聞いているときに「うんうん」とうなずいていたつもりが、「本当に聞いてる?」とツッコミを入れられてしまいました(笑)。

どうやら私のうなずきには、相手に「聞いてるよ」と伝えるための重要なシグナルが欠けていたようなのです。

本日ご紹介するのは、そんな「うなずき」の動きそのものを徹底的に分析した研究です。

掲載されている『PLoS One』は、アメリカの有名な科学雑誌で、世界中の面白い研究が集まる場所です。

今回は、私たちが無意識に行っている「うなずきの正体」について、一緒に読み解いていきましょう。

自己紹介

こんにちは! 某県の大規模病院で外科医として約20年の経験を持つ「医学論文ハンター・Dr.礼次郎」です。

海外の権威ある医学雑誌に掲載された論文を一編ずつ読み解いた、

生の一次情報をもとに、医学に詳しくない方にもわかりやすく解説しています。

日々、皆さんに信頼できる医療情報をお届けします!

信頼できる医学情報を発信する外科医・Dr.礼次郎が指を指すイラスト

※本記事は、PubMed掲載の査読付き論文をもとに、現役医師が一次情報をわかりやすく解説しています。
以下に出典を明示し、信頼性の高い医療情報をお届けします。

今回読んだ論文

“”Structure of nods in conversation””

(会話におけるうなずきの構造)

Taiga Mori, Yasuharu Den, Kristiina Jokinen

PLoS One. 2025 May 22;20(5):e0323448. doi: 10.1371/journal.pone.0323448. eCollection 2025.

PMID: 40402959 DOI: 10.1371/journal.pone.0323448

掲載雑誌:PLoS One【アメリカ IF 2.82(2024)】 2025年より

Structure of nods in conversation - PubMed
Head nods are a commonly observed gesture in daily conversations and has attracted the interest of many researchers in h...

研究の要旨(Abstract)

研究目的

会話中のうなずきが単なるランダムな頭の上下運動なのか、それとも特定の構造(法則性)を持っているのかを解明すること。

研究方法

36名の日本人による自然な会話を録画し、AI技術(OpenFace)を用いて頭の動きを3次元解析。9,000回以上のうなずきデータを抽出し、統計モデルを作成して分析しました。

研究結果

うなずきの動きには、長さ(回数)や順序に応じて大きさが変化する3つの明確なパターン(予期的上昇、漸降、終結下降)があることが判明しました。

結論

うなずきはランダムな運動ではなく、話し言葉のイントネーションやリズムと同様の、普遍的な構造を持った動作であると結論づけられました。

考察

この構造は、発話時の声の高さの変化(話し始めが高く、徐々に下がる)と酷似しており、相手に対して「まだうなずきが続く」あるいは「もう終わる」という情報を伝える機能を持っている可能性があります。

研究の目的

この研究が明らかにしたかったのは、「うなずきという動作は、適当に行われているのか、それとも計画的なのか?」という点です。

これまで、うなずきの「頻度」や「タイミング」に関する研究は多くありましたが、頭の動きそのもの(振幅の変化やリズム)の物理的な構造に着目した研究はほとんどありませんでした。

研究チームは、「うなずきも言葉と同じように、決まったルールで動いているのではないか?」という疑問を抱き、その構造を数学的に証明しようと試みたのです。

研究の対象者と背景

この研究では、「千葉三者会話コーパス」というデータセットを使用しています。

対象者

日本人36名(大学生、大学院生、ポスドク研究員など)。

構成

友人同士のグループ(計12グループ)による、顔を合わせたカジュアルな雑談。

データ量

合計342分間の会話から抽出された、9,230回のうなずき。

対象者が日本の若者が中心であるため、この結果は「日本人のうなずき文化」を色濃く反映している可能性があります。

うなずきの頻度や意味合いは文化によって異なるため、欧米人や他の文化圏の人にそのまま当てはまるとは限りませんが、人間の身体的なメカニズムに基づいている可能性も高いと考えられます。

研究の手法と分析の概要

研究チームは、目視ではなく客観的なデータで分析するために、以下の手法をとりました。

3D顔追跡技術(OpenFace)

ビデオ映像から頭の角度(ピッチ:上下の動き)をフレーム単位で数値化しました。

サイクルの定義

頭が「下がって上がる」までの一連の動きを「1サイクル」と定義し、うなずきの長さ(何回うなずいたか)と、動きの大きさ(Magnitude)を算出しました。

統計モデリング

うなずきの回数や順序によって、頭の動きの大きさがどう変化するかを、高度な統計モデル(一般化線形混合モデル)を使って解析しました。

なぜこれを行ったかというと、人間の目では「なんとなく大きいうなずき」としか分からないものを、「角度として何度動いたか」という数値で厳密に証明するためです。

【補足:各種用語】

サイクル(Cycle)

うなずきの最小単位のこと。「頭を下げる動き+上げる動き」の1セットを指します。
いわゆる「うん」という1回の動作です。

マグニチュード(Magnitude)

ここでは「うなずきの動きの大きさ(振幅)」を指します。
頭が一番高い位置から一番低い位置までどれくらい動いたか(角度)のことです。

予期的上昇(Anticipatory rising)

一連の動作の「最初」が、全体の長さに応じて強くなる現象。
例えば、長い文章を話す時に最初の一音が高くなるように、長いうなずきほど最初が大きくなること。

漸降(Declination)

時間が経つにつれて、徐々に動きや勢いが弱まっていく現象。

研究結果

さて、ここからが一番面白いところです。分析の結果、私たちの「頭の動き」には驚くべき3つの法則が見つかりました。

最初の一振りで「長さ」が決まっている!(予期的上昇) 

これが最大の発見です。

複数回連続してうなずく場合(「うん、うん、うん」)、うなずく回数が多ければ多いほど、一番最初の1回目のうなずきが大きくなっていました。

つまり、私たちの体は、うなずき始めた瞬間に「今回は長くうなずくぞ」と計画しており、無意識に最初の動きに勢いをつけているのです。

だんだん動きは小さくなる(漸降) 

うなずき続けている間、頭の動きの大きさは一定ではありません。

回数を重ねるごとに、一定の割合で徐々に動きが小さくなっていきます。

これはうなずきの全体の長さに関わらず共通して見られた現象です。

最後は「チョン」と終わる(終結下降) 

繰り返しのうなずきの一番最後の1回は、それまでのリズムから予測されるよりも、さらにガクンと動きが小さくなります。

まるで「これでおしまい」という合図を送るかのように、小さな動きで締めくくられるのです。

今回の発見をまとめ

項目発見された法則意味すること
最初の動き回数が多いほど大きくなる最初から「長くうなずく」つもりで動き出している
途中の動き徐々に小さくなるエネルギーが減衰するように自然にフェードアウトする
最後の動き極端に小さくなる「終了」のサインとして機能している可能性がある

変化がなかった指標について 

最後の1回の大きさに関しては、うなずき全体の長さ(2回連続でも5回連続でも)に関わらず、ほぼ一定の小ささでした。

つまり、どんなに熱心に長くうなずいても、最後は冷静に小さく終わるということです。

これらの結果は統計的にも有意(偶然ではない)であることが確認されています。

この結果は、私たちが適当に首を振っているのではなく、無意識のうちに高度なコントロールを行っていることを示しています。

研究の結論

うなずきは、言葉と同じ構造を持っている

これがこの研究の結論です。 研究チームは、この「最初が高く(大きく)、だんだん下がり、最後は低く終わる」というパターンが、話し言葉のピッチ(声の高さ)の変化とそっくりであると指摘しています。

うなずきは単なる筋肉の反射運動ではなく、言語と同じような「文法」や「リズム」を持った、洗練されたコミュニケーションツールなのです。

礼次郎の考察とまとめ

論文著者らの考察

著者らは、この構造が単なる物理現象以上の意味を持っていると考察しています。

特に重要なのは、「相手への合図(シグナル)」としての機能です。

予測のヒント 

最初のうなずきが大きい場合、対話相手は「あ、この人は長くうなずく(=長く話を聞く)つもりだな」と無意識に予測できます。

これにより、相手は安心して話を続けることができます。

終了の合図 

動きが徐々に小さくなり、最後に極小になることで、「うなずきはこれで終わり(=次は私が話します、あるいは話題を変えましょう)」というターン交代の合図になっている可能性があります。

つまり、うなずきの構造そのものが、会話をスムーズに進めるための「見えない信号機」の役割を果たしているのです。

日常生活へのアドバイス

この研究結果は、明日からの会話で「相手の心」を読み、スムーズな関係を築くための強力なヒントになります。

相手の「第一打」で本気度を測る 

相手が最初にガツンと大きくうなずいたら、それは「しっかり長く聞くよ」というサインです。逆に最初から小さければ、軽い相槌で終わる可能性が高いです。

相手の「聞く姿勢」を最初の動きから感じ取ってみましょう。

「終わりの合図」を見逃さない 

相手のうなずきが極端に小さくなったら、それは「うなずき終了」のサインです。

ここが話の切り替え時や、相手が話し始めるタイミングです。

このリズムを掴むと、会話の衝突(カブり)が減るはずです。

自分のうなずきで「聞いている感」を演出する 

相手に「あなたの話をしっかり聞いていますよ」と伝えたいときは、意識して最初の一回を大きくしてみてください。

それだけで、相手は無意識に「深い関心」を感じ取り、話しやすくなるでしょう。

「たかがうなずき、されどうなずき」ですね。私たちが普段言葉にせずとも意思疎通ができているのは、こうした「無意識の合図」をお互いに読み取っているからなんですね。

最初のひと振りの大きさこそが、あなたの「聞く覚悟」を相手に伝える無言のメッセージなのかもしれませんね。

締めのひとこと

「 体は口ほどにものを言う、その「文法」が証明されました。」

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!

もし本記事が参考になったら、他の記事もぜひのぞいてみてください。

これからも皆さまの知的好奇心を満足させられる情報をお届けできるよう努力していきます。

本ブログでは、Pubmed医中誌Clinical Keyヒポクラm3日経メディカルケアネットなどの信頼性ある医療情報サイトを参考に、論文の検索・選定を行っています。
記事の内容は、筆者自身が論文を読み解き、わかりやすく要約・執筆しています。

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免責事項

本記事でご紹介した内容は、あくまで特定の査読済み医学論文の科学的知見を解説することのみを目的としており、筆者(Dr.礼次郎)個人の、診療上の推奨や個人的な意見ではありません。

特定の治療方法、治療薬、生活スタイル、食品などを批判する意図や、推奨する意図は一切ございません。

本記事は、医師による診断や個別の医療アドバイスに代わるものではありません。

実際の治療方針や服薬については、必ず主治医にご相談ください。

読者の皆様は、記事の内容をご自身の責任において吟味し、適切に判断してご利用ください。

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