
結論「健診を「3年連続」でサボると糖尿病リスクが激増するが、1〜2回受けるだけでも毎年受ける人と大差ない可能性がある。」
この記事はこんな方におすすめ
✅ 仕事や家事が忙しく、ついつい健康診断をサボりがちな方
✅「毎年行かないと意味がない」と思い込み、一度行かないと足が遠のいてしまう方
✅ 自分は健康だと信じていて、検査の必要性を感じていない方
✅ 将来、糖尿病や人工透析になるリスクを少しでも減らしたい方
時間のない方・結論だけサクッと知りたい方へ
🔴 疑問:健康診断は「毎年」行かないと健康を守れないのか?数年サボると具体的にどれくらいヤバいのか?
🟡 結果:3年間一度も行かなかった人は、毎年行った人に比べて糖尿病リスクが4.69倍も高かった。一方で、3年のうち1回や2回行った人は、毎年行った人とリスクに大きな差はなかった。
🟢 教訓:理想は毎年だが、忙しくて飛ばしてしまっても「3年連続で空ける」ことだけは絶対に避けるべき。数年に1回でも行くことには大きな意味がある。
🔵 対象:日本の宮崎県延岡市の国民健康保険加入者(40歳以上)のデータを用いており、私たち日本人に直接当てはまる信頼性の高い研究。

※本記事内の画像は主にChat GPTおよびGeminiを用いて、すべてAIで生成しております。
すべてイメージ画像であり、本文の内容を正確に表したものではありません。
あらかじめご了承ください。
はじめに
皆さん、こんにちは!
皆さんは「今はどこも痛くないし、今年の健診はパスしてもいいや」と軽く考えていませんか?
医師として病院に勤務していると、健康診断の重要性を蔑ろにした結果、病気の発見と治療が手遅れとなってしまう患者さんに何度も立ち会います。
「痛くなかったから大丈夫だと思っていた」
「仕事が落ち着いたら行こうと思っていた」
――そう語る患者さんが、病気が発見された時にはすでに手術もできないほど病状が進行してしまっているケースです。
特に糖尿病や腎臓病は「Silent Killer(沈黙の殺人者)」と呼ばれ、症状がないまま体を蝕み、気づいた時には人生を大きく変えてしまいます。
「あの時、健診に行っていれば…」と後悔しても、時間を巻き戻すことは、どんなにお金を持っていようが、誰にもできないのです。
本日ご紹介するのは、そんな「健診の空白期間」がどれくらい続くと取り返しがつかなくなるのかについて、明確な答えを出した研究です。
イギリスの公衆衛生専門誌『BMC Public Health』に掲載された日本の延岡市のデータを基に、「3年の未受診が招く糖尿病と透析のリアルなリスク」について、警鐘を込めて解説します。

自己紹介
こんにちは! 某県の大規模病院で外科医として約20年の経験を持つ「医学論文ハンター・Dr.礼次郎」です。
海外の権威ある医学雑誌に掲載された論文を一編ずつ読み解いた、
生の「一次情報」をもとに、医学に詳しくない方にもわかりやすく解説しています。
日々、皆さんに信頼できる医療情報をお届けします!

※本記事は、PubMed掲載の査読付き論文をもとに、現役医師が一次情報をわかりやすく解説しています。
以下に出典を明示し、信頼性の高い医療情報をお届けします。
今回読んだ論文
“”Prevalence of diabetes mellitus and dialysis risk based on annual health checkup frequency among National Health Insurance citizens in Japan””
(日本の国民健康保険加入者における特定健診の受診頻度に基づく糖尿病有病率と透析リスク)
Iori Nakamura, Satoshi Kato, Akari Suda, et al.
BMC Public Health. 2025 Apr 14;25(1):1400. doi: 10.1186/s12889-025-22403-1.
PMID: 40229722 DOI: 10.1186/s12889-025-22403-1
掲載雑誌:BMC Public Health【イギリス IF 3.83(2024)】 2025年より
研究の要旨(Abstract)
研究目的
健康診断の受診頻度(毎年行くか、時々行くか、全く行かないか)が、2型糖尿病の発症や、その後の人工透析のリスクにどう影響しているかを明らかにすること。
研究方法
宮崎県延岡市の40歳以上の国民健康保険加入者約2万2千人のデータを使用。
過去3年間(2018-2020)の健診受診回数(0〜3回)でグループ分けし、2021年時点での糖尿病関連指標(HbA1cなど)や腎機能(eGFR)を比較分析した。
研究結果
3年間一度も健診を受けなかったグループは、毎年受けたグループに比べて2型糖尿病のリスク(HbA1c 6.5%以上)が約4.7倍も高かった。
一方、1〜2回受診したグループでは、毎年受診したグループと有意な差は見られなかった。
結論
3年連続で健診をサボることは、糖尿病リスクの大幅な上昇と関連している。
特にこの「3年放置」グループに対して、行政や医療機関は重点的に介入する必要がある。
考察
糖尿病性腎症は無症状で進行するため、早期発見が透析予防の鍵である。
今回のシミュレーションでは、早期介入によって多くの患者が透析を回避できる可能性が示された。
研究の目的
この研究が解決しようとした最大の問いは、「健康診断をサボること(未受診)が、具体的にどれくらい糖尿病や透析のリスクを高めるのか?」という点です。
これまでも「健診を受ける人は健康だ」という研究はたくさんありましたが、「健診の頻度(回数)」に着目し、特に「どれくらいサボると糖尿病が悪化し、透析予備軍になってしまうのか」まで踏み込んだ研究は多くありませんでした。
この研究は、日本の地域データを使ってその「危険な境界線」をはっきりさせようとしたのです。

研究の対象者と背景
この研究の対象者は、日本の宮崎県延岡市に住む40歳以上の国民健康保険加入者です。
対象人数
22,094名(解析対象となったのは、2021年に健診を受けた3,472名と、未受診者への勧奨でデータが得られた人たちを含む)
健康状態
すでに生活習慣病で治療を受けている人は除外されています。
つまり、「自分は健康だと思っている(あるいは病院に行っていない)人」たちが中心です。
この研究は、まさに私たち日本人(特に40歳以上)のデータを使っています。
海外の研究結果を無理やり日本人に当てはめたものではなく、遺伝的背景や食生活が共通しているデータなので、結果は私たちの生活にダイレクトに当てはまると考えてよいでしょう。

研究の手法と分析の概要
研究チームは、対象者を過去3年間(2018年〜2020年)の健診受診回数によって以下の4つのグループに分けました。
3回受診(毎年皆勤賞)
基準となるグループ
2回受診
1回サボった
1回受診
2回サボった
0回受診
3年間一度も行っていない
そして、2021年時点でのHbA1c(糖尿病の指標)eGFR(腎臓の機能)シミュレーション分析も行っています。
この分析の信頼性を高めるため、年齢や性別、肥満度(BMI)、喫煙習慣などの影響を取り除く統計処理(多変量ロジスティック回帰分析)を行っています。
つまり、「単に高齢だから病気が多い」といった偏りをなくして純粋に「健診頻度」の影響を見ています。

【補足:各種用語】
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)
過去1〜2ヶ月の血糖値の平均を表す数値。
6.5%以上だと糖尿病型と判断されます。
eGFR(推算糸球体濾過量)
腎臓がどれくらい老廃物を濾過できているかを示す数値。
60未満だと腎機能低下(CKD)の疑いがあります。
オッズ比(OR)
ある事象が起こる確率の比。
ここでは「毎年受診した人を基準(1.0)」とした時に、他のグループが何倍病気になりやすいかを示します。
研究結果
さて、ここからが本題です。今回の調査で明らかになった衝撃的な事実をお伝えします。
「3年放置」は危険信号!糖尿病リスクが4.7倍に
最も注目すべき発見は、「3年間一度も健診を受けなかった人」の糖尿病リスクの高さです。 データを解析した結果、毎年受診している人に比べて、3年間未受診だった人はHbA1cが6.5%以上(糖尿病レベル)になるリスクが4.69倍も高いことがわかりました。
これは、年齢や性別、肥満などの影響を調整した上での数字です。
つまり、「太っているから」とか「年だから」ではなく、「長期間検査を受けていないこと(=自分の状態を知らずに放置していること)」自体が、結果的に高血糖状態の放置につながっている可能性が高いのです。
「1〜2回のサボり」なら、実はそこまで差がない?
一方で、希望が持てるデータも出ています。
3年のうち「1回」または「2回」しか受診しなかったグループについては、なんと毎年受診しているグループと比べて、糖尿病リスクに統計的な差がありませんでした。
これは、「一度でもサボったら終わり」ではなく、「数年に一度でもチェックしていれば、最悪の事態は防げている可能性が高い」ということを示唆しています。
結果のまとめ(糖尿病リスク・HbA1c≧6.5%)
| 受診頻度(過去3年) | 糖尿病リスク(オッズ比) | 判定 |
| 3回(毎年) | 1.00(基準) | 優秀 |
| 2回 | 0.97(差なし) | セーフ |
| 1回 | 1.12(差なし) | セーフ |
| 0回(3年放置) | 4.69(激増!) | 危険 |
※数値は調整済みオッズ比。統計的に有意な差があったのは「0回」のみ。

陰性所見:腎機能(eGFR)への影響は?
一方で、腎機能(eGFR)については、受診頻度による明確なリスク差は見られませんでした。これは、腎機能の低下が非常にゆっくり進むため、たった3年の観察期間では差が出にくかった可能性があります。
しかし、影響がなかったからといって安心はできません。
シミュレーション:早期発見が生死を分ける
さらに、研究チームは「もしこのまま未治療で放置したらどうなるか」をシミュレーションしました。
その結果、リスクの高い39人の未受診者のうち32人が生涯のうちに人工透析が必要になると予測されました。
しかし、早期に治療を開始すれば、そのうち31人は透析を回避できるという結果が出ました。
「見つけてすぐに手を打てば、最悪のシナリオは変えられる」ということです。

研究の結論
「3年の壁」を超えてはいけない
この研究の結論は非常にクリアです。
「健康診断を3年以上連続で受けないことは、糖尿病および将来の透析リスクを跳ね上げる」
ということです。
逆に言えば、「完璧に毎年行けなくても、少なくとも3年は空けないように受診する」ことが、私たちの健康を守るための最低限の防波堤になるという科学的な根拠が示されたのです。

礼次郎の考察とまとめ
論文著者らの考察
著者らは、日本では遺伝的に2型糖尿病になりやすい背景があるにもかかわらず、糖尿病性腎症は自覚症状がないまま進行することを懸念しています。
「3年連続未受診」のグループには、実はそれ以前からもっと長く受診していない人が含まれている可能性があり、それがリスクを押し上げたのではないかと推測しています。
また、腎機能検査は安価でできるため、費用対効果の面でも、特にこの「長期未受診者」をターゲットにした対策が急務であると述べています。

日常生活へのアドバイス
この論文から、私たちが明日から活かせる教訓は以下の通りです。
「3年ルール」を自分に課す
毎年行くのがベストですが、もし忙しくて行けなくても「絶対に3年連続では空けない」と決めましょう。
2年空いたら、3年目は何を差し置いても行ってください。
完璧主義を捨てる
「去年行けなかったから、もういいや」と投げやりになるのが一番危険です。
隔年でも、気が向いた時でも、「細く長く続ける」ことに意味があります。
40歳を過ぎたら「自分のデータ」を持つ
今回の対象は40歳以上でした。
この年齢からは体の変化が隠れて進行します。
自分のHbA1cの値を知っているだけで、生活の意識が変わります。
未受診者への手紙は無視しない
研究では、粘り強い勧奨によって受診した人たちからデータが得られました。
役所や健保からのお知らせは、あなたの命を守るラストチャンスかもしれません。

「忙しい」は頑張っている証拠ですが、体はその代償を静かに払っています。
今回の論文の対象疾患は糖尿病でしたが、これが癌などの悪性腫瘍ならと思うと空恐ろしくなりませんか。
実際、年に1回の健康診断という自分への健康投資を軽視した結果、手遅れの状態で病気が発見される患者さんは、大勢います。
そういった論文も今後出てくると思いますが、その際には優先的に取り上げたいと思います。
健康診断にかかる時間など年に1回、せいぜい数時間から半日程度です。
それで人生が買えるなら、健康への自己投資はなによりも優先する価値のあるものです!
締めのひとこと
「「忙しい」を言い訳にして失うには、あなたの健康はあまりに尊すぎます。」

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!
もし本記事が参考になったら、他の記事もぜひのぞいてみてください。
これからも皆さまの知的好奇心を満足させられる情報をお届けできるよう努力していきます。
本ブログでは、Pubmed、医中誌、Clinical Key、ヒポクラ、m3、日経メディカル、ケアネットなどの信頼性ある医療情報サイトを参考に、論文の検索・選定を行っています。
記事の内容は、筆者自身が論文を読み解き、わかりやすく要約・執筆しています。
免責事項
本記事でご紹介した内容は、あくまで特定の査読済み医学論文の科学的知見を解説することのみを目的としており、筆者(Dr.礼次郎)個人の、診療上の推奨や個人的な意見ではありません。
特定の治療方法、治療薬、生活スタイル、食品などを批判する意図や、推奨する意図は一切ございません。
本記事は、医師による診断や個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
実際の治療方針や服薬については、必ず主治医にご相談ください。
読者の皆様は、記事の内容をご自身の責任において吟味し、適切に判断してご利用ください。
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