
結論「週4回の麻雀を12週間継続することで、「脳の反応速度」と「生活の質(QoL)」が明確に改善するという結果が出ました。」
この記事はこんな方におすすめ
✅楽しみながらできる「脳のアンチエイジング」やリハビリを探している方
✅最近「頭の回転が鈍くなった」「とっさの反応が遅れた」と感じている方
✅ご家族のケアをされており、生活の質を少しでも高める活動を探している方
✅医療従事者で、薬を使わない認知機能トレーニングに関心がある方
時間のない方・結論だけサクッと知りたい方へ
🔴疑問:ただの娯楽と思われがちな「麻雀」ですが、実は脳を鍛え、心を元気にする医学的な効果があるのではないか?
🟡結果:週4回の麻雀を12週間続けた結果、何もしなかったグループに比べて「視覚的な反応速度」と「生活の質」が統計的に意味のあるレベルで向上しました。
🟢教訓:楽しみながら手先と頭を使い、人と交流するゲームは、脳の処理速度を高め、日々の幸福感を高める有効なツールになり得ます(賭博はNGです!)。
🔵対象:中国の入院患者49名が対象。病気の方への効果が実証されたことは、健康な私たちの脳のメンテナンスにも応用できる可能性が高い信頼性の高い研究です。

※本記事内の画像は主にChat GPTおよびGeminiを用いて、すべてAIで生成しております。
すべてイメージ画像であり、本文の内容を正確に表したものではありません。
あらかじめご了承ください。
はじめに
皆さん、こんにちは!
皆さんは、最近こんなことを感じていませんか?
「頭の回転が鈍くなった気がする」
「毎日に張り合いがない」
「リハビリや脳トレをしなきゃと思うけど、つまらないと続かない…」
健康な方でも、療養中の方でも、楽しみながら脳を元気に保ちたいという願いは同じですよね。
「良薬口に苦し」と言いますが、もし脳への「良薬」が「最高に楽しい遊び」だったとしたら、こんなに嬉しいことはありません。
本日ご紹介するのは、そんな願いを形にしたような、イギリスの権威ある精神医学雑誌『BMC Psychiatry』の研究です。なんと、
「麻雀を楽しむことが、脳の処理速度と心を元気にする」
という可能性が示されたのです。
今回は、薬だけに頼らない、笑顔になれる脳のメンテナンス法を一緒に読み解いていきましょう。

noteで簡略版も公開しています↓↓↓

自己紹介
こんにちは! 某県の大規模病院で外科医として約20年の経験を持つ「医学論文ハンター・Dr.礼次郎」です。
海外の権威ある医学雑誌に掲載された論文を一編ずつ読み解いた、
生の「一次情報」をもとに、医学に詳しくない方にもわかりやすく解説しています。
日々、皆さんに信頼できる医療情報をお届けします!

※本記事は、PubMed掲載の査読付き論文をもとに、現役医師が一次情報をわかりやすく解説しています。
以下に出典を明示し、信頼性の高い医療情報をお届けします。
今回読んだ論文
“”A study on Mahjong intervention to improve cognitive impairment in patients with schizophrenia: a pilot, single-blind, randomized, controlled trial””
(統合失調症患者の認知機能障害を改善するための麻雀介入に関する研究:パイロット単盲検無作為化比較試験)
Renqin Hu, Zongli Xie, Junyao Li, et al.
BMC Psychiatry. 2025 Nov 7;25(1):1070. doi: 10.1186/s12888-025-07321-1.
PMID: 41204316 DOI: 10.1186/s12888-025-07321-1
掲載雑誌:BMC Psychiatry【イギリス IF 3.82(2025)】 2025年より
研究の要旨(Abstract)
研究目的
統合失調症の患者さんが麻雀を行うことで、認知機能(脳の働き)や生活の質、臨床症状が改善するかどうかを検証することです。
研究方法
49名の患者さんをランダムに2つのグループに分け、片方のグループには12週間、週4回の麻雀を行ってもらい、もう片方は通常の治療のみを行いました。
研究結果
麻雀を行ったグループは、「反応速度(何かを見て反応する速さ)」と「動作の速さ」が向上し、さらに「生活の質(QoL)」も改善しました。
結論
この試験では、麻雀は統合失調症患者さんの特定の認知機能(処理速度など)と生活の質に良い影響を与える可能性があることが示唆されました。
考察
麻雀は、視覚情報を素早く処理する訓練になり、社会的な交流も生まれるため、これらが良い結果につながったと考えられます。
研究の目的
これまで、高齢者や認知症の方々において「麻雀が認知機能を維持・改善する」という研究報告はいくつかありました。
しかし、「統合失調症の患者さん」に対して、麻雀がどのような効果を持つのかは、ほとんど分かっていませんでした。
統合失調症では、幻覚や妄想といった症状だけでなく、「認知機能障害(記憶力、注意力、処理速度の低下)」が社会復帰の大きな壁となります。
しかし、現在の薬物療法だけでは、この認知機能を劇的に改善させることは難しく、専門的なリハビリも専門家の不足などの理由で十分に普及していません。
そこで研究チームは、「楽しみながらできる麻雀なら、専門家がいなくても自分たちで続けられ、脳のリハビリになるのではないか?」と考え、この研究をスタートさせました。

研究の対象者と背景
この研究の対象となったのは、以下の条件を満たす方々です。
場所
中国・重慶市の病院
人数
49名(当初58名から選定)
性別
全員男性(※ここが重要な注意点です)
状態
病状が安定しており、薬の変更がない統合失調症の入院患者さん
年齢
平均40代前半(介入群42.3歳、対照群44.7歳)
今回の研究は「男性のみ」が対象です。
中国では麻雀が非常に人気のある社会的娯楽ですが、女性の患者さんや、麻雀のルールを全く知らない文化圏の人にそのまま結果が当てはまるかは、慎重に考える必要があります。

研究の手法と分析の概要
研究の信頼性を高めるために、「ランダム化比較試験(RCT)」という医学的に非常に質の高いデザインが採用されました。
グループ分け
参加者をくじ引きのような方法で公平に2つに分けました。
介入群
24名:通常の治療 + 麻雀(1回2時間 × 週4回 × 12週間)
対照群
25名:通常の治療のみ
評価方法
「CANTAB」という、世界的に使われているコンピュータによる客観的な認知機能テストを使用しました。
また、生活の質や精神症状についても詳細なアンケート調査を行いました。
分析の信頼性
評価を行うスタッフは、どちらのグループが麻雀をしているかを知らされない状態(単盲検)で検査を行い、バイアス(先入観)が入らないように工夫されました。

【補足:各種用語】
CANTAB(キャンタブ)
言葉の壁に関係なく、タッチパネル操作で脳の機能を測ることができるテストセットです。
今回は「反応時間」「空間記憶」「視覚的記憶」などを測定しました。
RTI(反応時間)
画面に刺激が表示されたとき、どれだけ素早くボタンから指を離してターゲットを押せるかというテスト。
車の運転でいう「ブレーキ反応」のようなものです。
SQLS(統合失調症患者の生活の質尺度)
患者さん自身が「今の生活にどれくらい満足しているか」「気分はどうか」を答えるアンケートです。
スコアが低いほど状態が良いことを示します。
研究結果
ここからは、実際にどんな変化があったのか、具体的なデータを見ていきましょう。
脳と体の反応スピードが劇的にアップ!
最も大きな発見は、麻雀をしたグループにおいて、「反応時間(RTI)」と「動作時間」が回を追うごとに速くなっていたことです。
介入群(麻雀あり)
12週間を通じて、テストのボタンを押すまでの時間がスムーズに短縮しました。
対照群(麻雀なし)
大きな変化は見られず、むしろ一部で遅くなる傾向もありました。
これはつまり、麻雀牌を見て「ポン!」「チー!」と素早く判断して手を動かす訓練が、脳の情報処理スピードと手先の連携を高めたことを強く示唆しています。

「生活の質」が向上し、充実感がアップ
もう一つの嬉しい発見は、SQLS(生活の質)のスコアが改善したことです。
| 評価項目 | 麻雀グループの変化 | 対照グループの変化 |
| 生活の質 (SQLS) | 有意に改善(スコアが低下) | 変化なし |
※SQLSはスコアが低いほうが「調子が良い」ことを意味します。
麻雀という「社会的な楽しみ」に参加することで、孤独感が減り、日々の充実に繋がった可能性があります。
これらの変化は統計学的にも偶然ではない(有意差あり)と確認されました。
変化がなかった部分(陰性所見)について
一方で、すべての能力が魔法のように良くなったわけではありません。
以下の項目には、グループ間で大きな差はありませんでした。
• 記憶力や学習能力(視覚的記憶や新しいことの学習)
• 戦略的思考(複雑な計画を立てる力)
• 精神症状(幻聴や妄想などの症状そのもの)
これらは、「麻雀をしても病気の症状自体が悪化したわけではない(副作用的に悪くはなっていない)」という安心材料でもありますが、「記憶力の向上には、また別のトレーニングが必要かもしれない」ということも示しています。

まとめ
この結果は、麻雀が「脳の回転を速くし、毎日を楽しくする」効果があることを示しています。
難しい記憶力の向上までは確認できませんでしたが、患者さんが活き活きと生活するための第一歩として、非常に意味のある発見だと言えるでしょう。
研究の結論
この研究は、麻雀が統合失調症患者さんの「脳の回転(処理速度)」と「心の元気(QoL)」を高める有望なツールであると結論づけています。
薬だけに頼らず、日常生活の中に「楽しみながら頭と手を使う活動」を取り入れることが、患者さんのリカバリーに役立つ可能性があるのです。
これは統合失調症の患者さんに限らず、「楽しみながら頭と手を使う活動」が、人間の脳機能によい影響を与えるという普遍的な事実を裏付けるものです。

礼次郎の考察とまとめ
論文著者らの考察
著者らは、麻雀が効果的だったメカニズムについて、以下のように述べています。
脳の活性化
牌の種類を目で見て、役を考え、手を動かすという一連の動作が、脳の広い範囲を刺激し、注意力を高めるトレーニングになっている。
これは過去の研究でも、健康な人が手先を使うタスクを行うと脳が活性化することと一致しています。
社会的つながり
4人でテーブルを囲むため、自然とコミュニケーションが生まれ、孤立を防ぎ「所属感」を満たすことができる。
課題
記憶力などのより高度な機能を改善するには、12週間では短かったか、麻雀だけでは特定の記憶トレーニングにはならなかった可能性があるとしています。
日常生活へのアドバイス
この論文の結果は、病気の方だけでなく、健康な私たちにも多くのヒントを与えてくれます。明日から活かせるアドバイスをまとめました。
「指先」と「目」を同時に使うゲームをしよう
麻雀でなくても構いません。
トランプのスピードなど、目で見てすぐに手を動かすゲームは、脳の処理速度を鍛える良い刺激になります。
一人ではなく「誰か」と遊ぼう
生活の質の向上は、ゲームそのものだけでなく「誰かと卓を囲む」ことから生まれます。
家族や友人とボードゲームをする時間を大切にしましょう。
孤独は脳の大敵です。
座りすぎには注意!
論文でも指摘されていますが、長時間座りっぱなしは体に毒です。
1ゲーム終わったら立ち上がってストレッチをするなど、メリハリをつけましょう。
絶対に「賭けない」こと
この研究はあくまで「認知機能トレーニング」としての麻雀です。
ギャンブル依存になっては元も子もありません。健康的な「遊び」として楽しみましょう。

難しい脳トレやリハビリだと思うと気が重くなりますが、「遊び」なら続けられますよね。
「楽しむこと」こそが、誰にとっても最強の脳の特効薬なのかもしれません。
締めのひとこと
「「楽しい」という感情が脳を動かし、人とのつながりが心を癒やす。」

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!
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これからも皆さまの知的好奇心を満足させられる情報をお届けできるよう努力していきます。
本ブログでは、Pubmed、医中誌、Clinical Key、ヒポクラ、m3、日経メディカル、ケアネットなどの信頼性ある医療情報サイトを参考に、論文の検索・選定を行っています。
記事の内容は、筆者自身が論文を読み解き、わかりやすく要約・執筆しています。
免責事項
本記事でご紹介した内容は、あくまで特定の査読済み医学論文の科学的知見を解説することのみを目的としており、筆者(Dr.礼次郎)個人の、診療上の推奨や個人的な意見ではありません。
特定の治療方法、治療薬、生活スタイル、食品などを批判する意図や、推奨する意図は一切ございません。
本記事は、医師による診断や個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
実際の治療方針や服薬については、必ず主治医にご相談ください。
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