
結論「週あたりの総負荷量が同じであれば、分割法でも全身法でも筋力向上と筋肥大の効果に差はない。」
この記事はこんな方におすすめ
✅「胸の日」「脚の日」と分けるべきか、毎回全身やるべきか悩んでいる方
✅忙しくて週に数回しかジムに行けないが、効果を最大化したい方
✅筋トレのメニュー作りに迷走している初心者から中級者の方
✅科学的根拠に基づいた効率的なトレーニングを知りたい方
時間のない方・結論だけサクッと知りたい方へ
🔴疑問:筋肉を大きく、強くするためには、部位ごとに日を変えて鍛える「分割法」と、毎回全身を鍛える「全身法」、どちらが優れているのか?
🟡結果:14の研究を統合して解析した結果、週のトレーニング量が同じなら、どちらの方法でも筋力アップ・筋肥大の効果は「ほぼ同じ」であることが判明しました(差はありませんでした)。
🟢教訓:効果に差はないため、個人のスケジュールや好みに合わせて続けやすい方を選べばOKです。重要なのは「分け方」よりも「トータルの量」です。
🔵対象:主に健康な成人男性(一部女性含む)を対象とした14件の研究データ。トレーニング経験者と未経験者の両方が含まれており、多くのトレーニーに当てはまる信頼性の高い結果です。

※本記事内の画像は主にChat GPTおよびGeminiを用いて、すべてAIで生成しております。
すべてイメージ画像であり、本文の内容を正確に表したものではありません。
あらかじめご了承ください。
はじめに
皆さん、こんにちは!
突然ですが、皆さんは筋トレのトレーニングメニュー、どう組んでいますか?
「月曜は胸、火曜は背中……」といわゆる分割法でストイックに回すべきか、それとも「やるたびに全身を鍛える」全身法がいいのか、一度は迷ったことがあるのではないでしょうか?
実はわたしも昔は、「ボディビルダーのように部位を細かく分けないと筋肉はつかない!」と思い込み、忙しい合間を縫って無理やり筋トレしていた時期がありました。
結局、スケジュールが崩れて挫折してしまった苦い経験があります。
本日ご紹介するのは、そんな「メニュー分割の悩み」に科学的な決着をつけてくれる、非常に痛快な研究です。
今回読み解くのは、アメリカの権威あるスポーツ科学雑誌『Journal of Strength and Conditioning Research』に掲載された論文です。
「結局、どっちが効率いいの?」という私たちの素朴な疑問を、膨大なデータを元に検証してくれています。
今回は、この研究内容を一緒に読み解いていきましょう。

noteで簡略版も公開しています↓↓↓

自己紹介
こんにちは! 某県の大規模病院で外科医として約20年の経験を持つ「医学論文ハンター・Dr.礼次郎」です。
海外の権威ある医学雑誌に掲載された論文を一編ずつ読み解いた、
生の「一次情報」をもとに、医学に詳しくない方にもわかりやすく解説しています。
日々、皆さんに信頼できる医療情報をお届けします!

※本記事は、PubMed掲載の査読付き論文をもとに、現役医師が一次情報をわかりやすく解説しています。
以下に出典を明示し、信頼性の高い医療情報をお届けします。
今回読んだ論文
“”Efficacy of Split Versus Full-Body Resistance Training on Strength and Muscle Growth: A Systematic Review With Meta-Analysis””
(筋力と筋成長における「分割ルーチン」対「全身ルーチン」のレジスタンス・トレーニングの有効性:メタアナリシスを伴うシステマティックレビュー)
Domingo J Ramos-Campo, Pedro J Benito-Peinado, Luis Andreu-Caravaca, et al.
J Strength Cond Res. 2024 Jul 1;38(7):1330-1340. doi: 10.1519/JSC.0000000000004774. Epub 2024 Apr 9.
PMID: 38595233 DOI: 10.1519/JSC.0000000000004774
掲載雑誌:Journal of Strength and Conditioning Research【アメリカ IF 3.23(2024)】 2024年より
研究の要旨(Abstract)
研究目的
健康な成人において、分割ルーチン(Sp)と全身ルーチン(FB)が筋力および筋成長に与える影響を比較すること。
研究方法
主要なデータベースから条件に合う14の研究(合計392名の被験者)を抽出し、メタアナリシス(統計的統合解析)を行った。
研究結果
ベンチプレスやスクワットの筋力向上、および腕や脚の筋肥大効果において、両ルーチン間に有意な差は見られなかった。
結論
トレーニングのボリューム(量)が等しければ、分割法か全身法かは筋力・筋肥大の結果に大きな影響を与えない。
考察
個人の好みやスケジュールに合わせてルーチンを選択して問題ないが、ボリューム管理が重要である。
研究の目的
この研究が解決しようとしたのは、長年トレーニング界隈で議論されてきた「トレーニング頻度と分割方法、どちらが最適解なのか?」という問いです。
ボディビルダーの多くは「分割法(スプリットルーチン)」を採用し、特定の筋肉を週1回徹底的に追い込むスタイルを好みます。
一方で、パワーリフターや重量挙げ選手は「全身法(フルボディルーチン)」で頻繁に筋肉を刺激することが多いとされています。
既存の研究では結果がまちまちで、「分割法が良い」「いや全身法だ」と意見が割れていました。
そこで、過去の研究をまとめて分析し、「本当に効果があるのはどっちなのか?」という決定的な答えを出そうとしたのがこの研究です。

研究の対象者と背景
この解析には、厳選された14件の研究が含まれており、対象となったのは合計392名の被験者です。
彼らは18歳から40歳までの「健康な成人」です。
内訳
大半が男性ですが、女性のみを対象とした研究も2件含まれています。
経験
トレーニング未経験者だけでなく、数年の経験を持つ熟練者(Trained)も含まれています。
この研究は特定の国籍に限定されたものではありませんが、人間としての生理学的な反応(筋肉がどう大きくなるか)に人種による極端な違いはないと考えられます。
したがって、我々日本人にとっても、非常に参考になるデータと言えるでしょう。
ただし、女性を対象としたデータ数はまだ少ないため、その点は少し割り引いて考える必要があります。

研究の手法と分析の概要
この研究は「システマティックレビュー・メタアナリシス」という手法をとっています。
これは、一つの実験結果だけでなく、過去に行われた複数の質の高い研究(ランダム化比較試験など)をあつめて、そのデータを統合して解析するものです。
医学・科学の世界では「最も証拠レベルが高い」とされる手法の一つです。
比較条件
トレーニング期間は4〜12週間。
重要なルール
比較する際、「週あたりの総負荷量(ボリューム)」が両グループで同じになるように調整された研究を選んでいます。
これにより、「回数が多いから効いた」といったノイズを取り除き、純粋に「分け方(分割か全身か)」の違いだけを評価できるようになっています。

【補足:各種用語】
1RM(ワン・アールエム)
1回だけ持ち上げることができる最大の重さのこと。
筋力の指標として使われます。
筋断面積(CSA)
筋肉を輪切りにしたときの面積。
これが大きくなっていれば「筋肥大した(筋肉がついた)」といえます。
ボリューム(総負荷量)
「重量 × 回数 × セット数」で計算されるトレーニングの総量。
この研究では、この値が揃えられています。
研究結果
さて、ここからがいよいよ本題です。
筋力アップ効果に「差なし」!
ベンチプレス(上半身のパワー)と、脚のトレーニング(下半身のパワー)の最大筋力(1RM)の変化を分析したところ、分割法で行ったグループと全身法で行ったグループの間で、成長の度合いに統計的な差はありませんでした。
どちらの方法でも、しっかりと筋力は向上しており、その伸び幅はほぼ同じだったのです。
筋肉の大きさ(筋肥大)も「差なし」!
「でも、筋肉を大きくするなら分割法で追い込んだほうがいいのでは?」と思いますよね。
しかし、超音波などで測定した筋肉の断面積(腕の筋肉や太ももの筋肉)や、除脂肪体重(筋肉量の目安)の変化を見ても、両グループ間で有意な差は見つかりませんでした。

分析結果のまとめ
| 測定項目 | 分割法 vs 全身法の結果 |
| ベンチプレス筋力 | 差なし(どちらも向上) |
| 下半身の筋力 | 差なし(どちらも向上) |
| 腕の筋肉(上腕二頭筋・三頭筋)の太さ | 差なし(どちらも太くなった) |
| 太ももの筋肉(外側広筋)の太さ | 差なし(どちらも太くなった) |
| 除脂肪体重(体全体の筋肉量) | 差なし |
重要なのは「メニューの組み方」ではない
この結果が意味することは、「週単位でのトレーニングの総量(ボリューム)」さえ同じであれば、それを週1回にまとめてやろうが、週3回に分けてやろうが、筋肉への効果は変わらないということです。
「分割法だから大きくなる」「全身法だから強くなる」という魔法のような効果は確認されませんでした。

研究の結論
トレーニングの頻度や分割方法は、筋力・筋肥大の主たる要因ではない
これがこの研究の結論です。
筋肉を成長させるアクセルとなるのは、「週に何回その部位を鍛えたか」という頻度や分割のスタイルではなく、「週に合計でどれだけの重さをどれだけの回数挙げたか(ボリューム)」。
「どちらが優れているか」を議論する必要はなく、自分の生活スタイルに合わせて自由に選んで良いということになります。

礼次郎の考察とまとめ
論文著者らの考察
論文の著者らも、この結果を受けて「個人の好みで選んでOK」としています。
ただし、重要な視点も提示しています。もし、非常に多くのトレーニング量をこなしたい上級者の場合、1回のセッション(全身法)ですべてを詰め込むと、時間がかかりすぎたり、後半バテて質が落ちたりする可能性があります。
その場合は、分割法にして日数を増やし、1回あたりの負担を減らすほうが、結果的に高いボリュームを維持できるかもしれない、としています。
逆に言えば、ボリュームさえ確保できるなら、頻度は大きな問題ではないということです。
日常生活へのアドバイス
今回の研究結果は、私たち日本人、特に忙しい現代人にとって非常に勇気づけられるものです。明日からのジム通いに活かせるポイントを整理しました。
「週1回の全身法」でも十分効果あり
平日は仕事で忙しくてジムに行けない…という方は、週末にまとめて全身を鍛えるスタイルでも、平日にコツコツ分けるのと同じ効果が期待できます。
罪悪感を持つ必要はありません。
「毎日少しずつ」派は分割法で
逆に、1回のジム滞在時間を30分以内にしたい方は、部位を細かく分ける分割法が向いています。
短時間集中で毎日通うのも、トータルの量が稼げればOKです。
継続できるスタイルが「正解」
「分割法じゃないとダメ」「全身法こそ至高」というネットの論争に惑わされないでください。
あなたのスケジュールに無理なく組み込める方こそが、あなたにとっての「最強のメソッド」です。

医学の世界でも「これが絶対!」と思われていた常識が、データによって覆ることはよくあります。
今回の論文は、「トレーニングに正解の形はない、あるのは自分に合った形だけだ」と背中を押してくれているようで、なんだか心が軽くなりますね。
締めのひとこと
「形式にこだわるよりも、あなたが汗を流したその「総量」だけが、筋肉への確かな手紙となる。」

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!
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これからも皆さまの知的好奇心を満足させられる情報をお届けできるよう努力していきます。
本ブログでは、Pubmed、医中誌、Clinical Key、ヒポクラ、m3、日経メディカル、ケアネットなどの信頼性ある医療情報サイトを参考に、論文の検索・選定を行っています。
記事の内容は、筆者自身が論文を読み解き、わかりやすく要約・執筆しています。
免責事項
本記事でご紹介した内容は、あくまで特定の査読済み医学論文の科学的知見を解説することのみを目的としており、筆者(Dr.礼次郎)個人の、診療上の推奨や個人的な意見ではありません。
特定の治療方法、治療薬、生活スタイル、食品などを批判する意図や、推奨する意図は一切ございません。
本記事は、医師による診断や個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
実際の治療方針や服薬については、必ず主治医にご相談ください。
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