【日本の高校生調査】スマホ依存の真犯人はアプリじゃない?「動画・ゲーム・SNS」に共通する意外な心理

スマートフォンを見つめる日本の高校生と、デジタルコンテンツが不安を和らげる様子を描いたイラスト

結論「日本の高校生を調査した結果、最も依存が多いのは「動画」であり、すべての依存に共通する原因は「嫌な気分を紛らわせたい」という心理でした。」

この記事はこんな方におすすめ

✅子どもがスマホばかり見ていて、将来が不安な親御さん
✅「勉強しなさい」とスマホを取り上げても、イタチごっこで疲れてしまった方
✅YouTubeやTikTokをダラダラ見続けてしまう自分の心理を知りたい方
✅生徒のスマホ指導に悩んでいる教育関係者の方

時間のない方・結論だけサクッと知りたい方へ

🔴疑問:スマホ依存になりやすいのは「ゲーム」「動画」「SNS」のどれ?そして、なぜやめられないの?

🟡結果:調査対象の高校生では「動画視聴」への依存傾向が最も多く(約26%)、すべての依存に共通する原因は「嫌な気分を紛らわせたい(気分調整)」という動機でした。

🟢教訓:ただスマホを禁止するのではなく、「ストレス発散の方法(感情調整)」を一緒に見直すことが、依存脱却への近道です。

🔵対象:日本の群馬県の高校1年生246人を対象とした調査であり、私たちの生活環境にそのまま当てはまる信頼性の高いデータです。

※本記事内の画像は主にChat GPTおよびGeminiを用いて、すべてAIで生成しております。
すべてイメージ画像であり、本文の内容を正確に表したものではありません。
あらかじめご了承ください。

はじめに

皆さん、こんにちは!

突然ですが、皆さん、あるいはお子さんは、気づくとスマホを握りしめて1時間、2時間と過ごしてしまっていませんか?

「勉強の合間に少しだけ」と思ってSNSを開いたはずが、気づけば通知を追いかけて深夜になっていた……

そんな経験、きっとあるはずです。

「やめなきゃ」と思えば思うほど、指が止まらなくなるあの感覚、不思議ですよね。

しかし、その行動の裏に、単なる「意思の弱さ」ではない、もっと深い心の理由があるとしたらどうでしょう?

本日ご紹介するのは、日本の高校生を対象に行われた最新の研究です。

掲載されているのは、日本精神神経学会が発行する『Psychiatry and Clinical Neurosciences Reports』。

メンタルヘルスのプロフェッショナルたちが集う信頼ある医学雑誌です。

今回は、「なぜ若者はスマホの画面から目を離せないのか?」

その心のメカニズムを、一緒に読み解いていきましょう。

noteで簡略版も公開しています↓↓↓

高校生調査!スマホ依存の正体は「動画」と「逃避」だった|Dr.礼次郎
スマホ依存=ゲームだと思っていませんか? 日本の高校生を調査した結果、最も依存リスクが高かったのは「動画視聴(約26%)」であり、その根本原因は「嫌な気分を消すための現実逃避」であることが判明しました。 こんにちは! 某県の大規模病院で外科...

自己紹介

こんにちは! 某県の大規模病院で外科医として約20年の経験を持つ「医学論文ハンター・Dr.礼次郎」です。

海外の権威ある医学雑誌に掲載された論文を一編ずつ読み解いた、

生の一次情報をもとに、医学に詳しくない方にもわかりやすく解説しています。

日々、皆さんに信頼できる医療情報をお届けします!

信頼できる医学情報を発信する外科医・Dr.礼次郎が指を指すイラスト

※本記事は、PubMed掲載の査読付き論文をもとに、現役医師が一次情報をわかりやすく解説しています。
以下に出典を明示し、信頼性の高い医療情報をお届けします。

今回読んだ論文

“”Psychological and motivational factors associated with addiction tendencies to gaming, video viewing, and social networking services use among high school students: A cross-sectional study””

(高校生におけるゲーム、動画視聴、SNS使用への依存傾向に関連する心理的および動機づけ要因:横断的研究)

Tokuya Inaguma, Tomoyuki Funatogawa, Ryo Sekizaki, et al.

PCN Rep. 2025 Oct 8;4(4):e70218. doi: 10.1002/pcn5.70218. eCollection 2025 Dec.

PMID: 41079706 DOI: 10.1002/pcn5.70218

掲載雑誌:Psychiatry and Clinical Neurosciences Reports【日本 IF 0.9(2025)】 2025年より

研究の要旨(Abstract)

研究目的

高校生が「ゲーム」「動画」「SNS」のそれぞれに依存してしまう心理的特徴や動機の違いを明らかにすることです。

研究方法

日本の高校1年生246人を対象に、質問紙(アンケート)を用いて、それぞれの依存度や性格、スマホを使う理由などを調査しました。

研究結果

依存傾向者の割合は「動画視聴」が最も高く、すべての依存タイプに共通して「気分調整(嫌なことを忘れるため)」という動機が強く関連していました。

結論

依存の対象(アプリの種類)によって関連する悩み(うつや不安など)は異なりますが、「感情のコントロール」が共通の鍵であることがわかりました。

考察

スマホ使用そのものを制限するだけでなく、個人の性格や「なぜ使っているか」という動機に合わせたサポートが必要です。

研究の目的

これまで「スマホ依存」というと、ひとくくりにされがちでした。

しかし、FPSゲームに熱中するのと、TikTokを延々とスワイプするのとでは、なんとなく心理状態が違いそうですよね?

この研究は、「ゲーム」「動画視聴」「SNS」という3つの主要な活動をあえて区別し、それぞれの依存の背景にどんな違いがあるのか、そして何が共通しているのかを突き止めようとしました。

従来の「スマホは悪!」という単純な図式から一歩進んで、「どのアプリにハマる子は、どんな悩みを抱えているのか?」という、より具体的な解決策を探るための重要な調査なのです。

研究の対象者と背景

今回の調査対象は、非常に私たちに身近な存在です。

対象

日本の群馬県にある高校の1年生、246名。

男女比

男子120名、女子123名とほぼ半々。

平均年齢

16.0歳。

まさに、日本の一般的な高校生のリアルなデータと言えます。

海外の研究データだと「文化が違うから……」と思いがちですが、この結果は日本人の若者、そしてその親御さんにとって、そのまま当てはめて考えることができる非常に貴重な資料です。

研究の手法と分析の概要

研究チームは、生徒たちに詳しいアンケート調査を行いました。

まず、「GAMESテスト」という依存度を測る尺度(もともとはゲーム障害用ですが、今回は動画やSNS用に言葉を置き換えて使用)を使い、それぞれのアプリに依存しているかどうかを判定しました。

同時に、以下の項目についても詳しく聞いています。

精神状態

うつ、不安、孤独感、自尊心など。

性格

衝動性(カッとなりやすいか、計画性があるかなど)。

使用動機

なぜスマホを使うのか?(楽しむため、暇つぶし、みんなと繋がるため、嫌な気分を変えるためなど)。

そして集まったデータを、統計(ロジスティック回帰分析)を使って分析し、「どの要素が依存のリスクを高めているのか」をあぶり出しました。

単なる「相関」ではなく、他の要因の影響を取り除いた上で、真に関連が強い要因を特定しようとする信頼性の高い手法です。

【補足:各種用語】

気分調整(Mood regulation)

ここでは「嫌なことを忘れるため」「不安を和らげるため」にスマホを使う動機のこと。
いわゆる「現実逃避」や「コーピング(対処行動)」に近い使い方のことです。

正の切迫性(Positive urgency)

テンションが上がっているときや、気分が良いときに、つい後先考えずに行動してしまう衝動性のこと。
「楽しいからもっとやっちゃえ!」というブレーキの効かなさです。

忍耐力の欠如(Lack of perseverance)

退屈な作業や難しい課題に対して、集中力を維持するのが苦手な傾向のこと。

研究結果

さて、ここからが皆さんお待ちかねの研究結果です。驚きの事実が見えてきました。

最も依存が多いのは「ゲーム」ではなく「動画」だった!

「スマホ依存=ゲーム」というイメージがあるかもしれませんが、今回の調査では以下の順位になりました。

• 1位:動画視聴(YouTube, TikTokなど)… 26.4%

• 2位:SNS(Instagram, Xなど)… 20.7%

• 3位:ゲーム … 19.5%

なんと、4人に1人以上の高校生が、動画視聴への依存傾向を示したのです。

TikTokやYouTubeなどの人気が影響していると考えられます。

「すべての依存」に共通するたった一つの真犯人

これが今回の研究のハイライトです。

ゲーム、動画、SNS、それぞれハマりやすい性格はバラバラでしたが、唯一、すべてにおいて共通して「依存のリスク」を高めていた要因がありました。

それは、「気分調整(Mood regulation)」という動機です。

つまり、「辛い気持ちや不安を紛らわせるためにスマホを使う」という使い方が、どのアプリにおいても依存への直通ルートになっていることが統計的に証明されたのです。

アプリ別の「ハマりやすい人」の特徴

さらに分析すると、アプリごとに依存しやすいタイプがくっきりと分かれました。

アプリの種類依存しやすい性別関連する心の悩み・性格関連する動機
ゲーム男性うつ暇つぶし、気分調整
動画(性差なし)不安、忍耐力のなさ、正の切迫性暇つぶし、気分調整
SNS女性うつ、計画性のなさ、正の切迫性楽しさ、気分調整

• ゲーム依存は、男性に多く、「うつ傾向」と強く関連していました。

• 動画依存は、「不安」が強いことや、コツコツ頑張るのが苦手なこと(忍耐力の欠如)が関連していました。

• SNS依存は、女性に多く、「うつ」や、楽しい気分のときに歯止めが効かなくなる(正の切迫性)ことが関連していました。

変化がなかった指標(陰性所見)について

一方で、「孤独感」や「社会的サポート(周りに助けてくれる人がいるか)」といった要素は、統計的な調整を行った後では、直接的な依存の予測因子としては残りませんでした。

※単変量解析では一部関連がありましたが、多変量解析で消えました。

これは、「孤独だから依存する」という単純な話ではなく、もっと内面的な「感情の処理の仕方」に問題があることを示唆しています。

これらの結果は、単に偶然そうなったわけではなく、統計的に意味のある(P<0.05)確かな傾向として示されています。

結論として、このデータは私たちにこう語りかけています。 

「スマホを取り上げても解決しない。彼らが『何から逃げようとしているのか(うつや不安)』に目を向けなさい」と。

研究の結論

「スマホ」は心の痛みの鎮痛剤?

この研究の核心は、スマホ依存の正体は「ハードウェアへの執着」ではなく、「満たされない感情の穴埋め」であるという点です。

高校生たちは、うつうつとした気分や、将来への不安、あるいは単純な退屈さを埋めるための「安手で便利な道具」として、それぞれの性格に合ったアプリを選んでいます。

特に「気分調整」が共通要因であることは、彼らが適切なストレス発散方法(コーピング)をまだ持っていないことを意味しています。

礼次郎の考察とまとめ

論文著者らの考察

著者らは、スマホ依存への対策には「オーダーメイドのアプローチ」が必要だと述べています。

たとえば、動画にハマっている子には「不安への対処法」や「我慢強さを育てる支援」が有効かもしれませんし、SNSにハマっている子には「衝動的な行動を抑えるトレーニング」が必要でしょう。

しかし何より、「自分の感情に気づき、受け入れ、適切に調整するスキル(感情調整スキル)」を育てることが、どのタイプの依存予防にも重要であると結論づけています。

日常生活へのアドバイス

この研究結果を、私たち日本人の生活にどう活かせばいいのでしょうか? 

「ダメ!」と言う前に「何か嫌なことあった?」と聞く 

子供がスマホに没頭しているとき、それは「現実逃避(気分調整)」のサインかもしれません。

頭ごなしに叱るのではなく、背景にあるストレスや不安に耳を傾けてみてください。

アプリの種類で子供のSOSを見極める

・ゲームばかりしている息子さん → 「落ち込んでいないか(うつ傾向)」

・動画を延々見ている娘さん → 「何かに不安を感じていないか」

このように、使っているアプリから子供の心の不調を推測するヒントにしてみてください。

スマホ以外の「気晴らし」を一緒に探す 

「気分調整」がスマホ一択になっているのが問題です。

スポーツ、散歩、おしゃべりなど、スマホを使わずに気分転換できる「手札」を増やしてあげましょう。

正直なところ、この論文を読んで「動画依存」の多さにハッとしました。

最近のショート動画は本当に中毒性が高いですよね。

でも、「依存しているのはアプリではなく、自分の心を癒やそうとする必死な行為」だと考えると、スマホを握りしめる子供たちの背中が、少し違って見えてきませんか?

ただの「サボり」ではなく、彼らなりの「セルフケア」のつもりなのかもしれません。

そう理解するだけで、私たちの接し方も優しくなれるはずです。

締めのひとこと

「手のひらの機械を取り上げるより、心の中の重荷を下ろしてあげることが先決です。」

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!

もし本記事が参考になったら、他の記事もぜひのぞいてみてください。

これからも皆さまの知的好奇心を満足させられる情報をお届けできるよう努力していきます。

本ブログでは、Pubmed医中誌Clinical Keyヒポクラm3日経メディカルケアネットなどの信頼性ある医療情報サイトを参考に、論文の検索・選定を行っています。
記事の内容は、筆者自身が論文を読み解き、わかりやすく要約・執筆しています。

画像は主にChat GPT・Geminiを使用しAIで作成しております。

あくまでも、すべてイメージ画像です。

本文の内容を正確に表した画像ではありませんのでご注意ください。

免責事項

本記事でご紹介した内容は、あくまで特定の査読済み医学論文の科学的知見を解説することのみを目的としており、筆者(Dr.礼次郎)個人の、診療上の推奨や個人的な意見ではありません。

特定の治療方法、治療薬、生活スタイル、食品などを批判する意図や、推奨する意図は一切ございません。

本記事は、医師による診断や個別の医療アドバイスに代わるものではありません。

実際の治療方針や服薬については、必ず主治医にご相談ください。

読者の皆様は、記事の内容をご自身の責任において吟味し、適切に判断してご利用ください。

記事内の画像やイラストは、AIを用いて内容をイメージ化したものであり、本文の内容を正確に表したものではありませんので、あらかじめご了承ください。

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