
結論「高血圧の方必見!2週間「毎日同じ時間に寝る」だけで、24時間の収縮期血圧が平均4mmHg低下することが実証されました。」
この記事はこんな方におすすめ
✅健康診断で「血圧が高め」と言われて気になっている方
✅降圧薬を飲んでいるが、もう少し数値を改善したい方
✅忙しくて運動や食事制限などの生活改善が続かない方
✅ついつい夜更かしをしてしまい、就寝時間がバラバラな方
時間のない方・結論だけサクッと知りたい方へ
🔴疑問:睡眠時間が短いと血圧に悪いのは有名だけど、「寝る時間のバラつき」を直すだけでも血圧は下がるの?
🟡結果:下がりました。2週間、就寝時間を一定にするだけで、上の血圧(収縮期)が24時間平均で4mmHg、夜間は5mmHgも低下しました。
🟢教訓:睡眠時間を無理に伸ばそうと気負わなくても大丈夫。「毎日同じ時刻にベッドに入る」ことから始めましょう。
🔵対象:米国の平均年齢53歳の高血圧患者(肥満傾向あり)を対象とした研究です。日本人にも十分応用可能な生活習慣の知恵です。

※本記事内の画像は主にChat GPTおよびGeminiを用いて、すべてAIで生成しております。
すべてイメージ画像であり、本文の内容を正確に表したものではありません。
あらかじめご了承ください。
はじめに
皆さん、こんにちは!
突然ですが、皆さんは「昨日は23時に寝たけど、今日は深夜1時過ぎちゃったな…」なんてこと、ありませんか?
実はわたしも外科医という仕事柄、緊急手術が入ると生活リズムがガタガタになりがちで、このテーマは耳が痛い話なんです。
でも、「寝不足」が体に悪いのは知っていても、「寝る時間が不規則」なこと自体がどれくらい体にダメージを与えるか、意外と意識していない人も多いのではないでしょうか?
本日ご紹介するのは、そんな悩みに答えてくれる「睡眠の規則正しさと血圧」に関する最新の研究です。
今回取り上げる論文は、睡眠研究の権威ある学会(Sleep Research Society)の公式ジャーナルで、オックスフォード大学出版局から発行されている『SLEEP Advances』に掲載された、非常に興味深い報告です。
今回は、この「ただ寝る時間を揃えるだけで健康になれるのか?」という夢のような研究内容を、皆さんと一緒に読み解いていきましょう。

noteで簡略版も公開しています↓↓↓

自己紹介
こんにちは! 某県の大規模病院で外科医として約20年の経験を持つ「医学論文ハンター・Dr.礼次郎」です。
海外の権威ある医学雑誌に掲載された論文を一編ずつ読み解いた、
生の「一次情報」をもとに、医学に詳しくない方にもわかりやすく解説しています。
日々、皆さんに信頼できる医療情報をお届けします!

※本記事は、PubMed掲載の査読付き論文をもとに、現役医師が一次情報をわかりやすく解説しています。
以下に出典を明示し、信頼性の高い医療情報をお届けします。
今回読んだ論文
“”Bedtime regularization as a potential adjunct therapy for hypertension: a proof-of-concept study””
(高血圧の補助療法としての就寝時間の規則化:概念実証研究)
Saurabh S Thosar, Alakananda M Sreeramadas, Megan Jones, et al.
Sleep Adv. 2025 Nov 17;6(4):zpaf082. doi: 10.1093/sleepadvances/zpaf082. eCollection 2025.
PMID: 41357358 DOI: 10.1093/sleepadvances/zpaf082
掲載雑誌:SLEEP Advances【イギリス IF 2.42(2024)】 2025年より
研究の要旨(Abstract)
研究目的
睡眠時間の「長さ」ではなく、就寝時刻の「規則正しさ」を高血圧患者で改善させた場合、血圧が下がるかどうかを検証すること。
研究方法
高血圧を持つ11名の男女に対し、2週間「自分で決めた一定の時間に就寝する」という介入を行い、血圧の変化を測定しました。
研究結果
介入後、就寝時間のバラつきが劇的に減少し、それに伴い24時間の収縮期血圧および夜間の収縮期血圧が有意に低下しました。
結論
就寝時間を規則正しくすることは、高血圧患者にとってシンプルかつ低リスクな、有効な補助療法になり得ます。
考察
睡眠時間そのものは増えていないため、体内時計(概日リズム)が整ったことなどが血圧低下の要因と考えられます。
研究の目的
この研究が立ち向かった「問い」は非常にシンプルかつ重要です。
これまで、「睡眠不足(睡眠時間が短いこと)」が高血圧のリスクになることは、山のような研究で証明されてきました。
しかし、「睡眠の規則正しさ(毎日同じ時間に寝ること)」そのものが血圧を下げる治療になるか? という点は、実はあまりわかっていなかったのです。
既存の治療(薬など)を受けていても、血圧がコントロールできている高血圧患者はわずか20%程度しかいないと言われています。
そこで研究チームは、「薬に頼らない、新しいアプローチはないか?」と考え、「寝る時間を揃える」という超シンプルな方法に注目したのです。

研究の対象者と背景
今回の研究に参加したのは、以下のような方々です。
人数
11名(男性4名、女性7名)
年齢
平均53歳(45歳〜62歳)
健康状態
高血圧あり(上の血圧が130〜160mmHg程度、または降圧薬を服用中)。その他の持病や睡眠障害はない人たちです。
体型
BMI平均32(※ここが重要です!)
この研究の対象者はBMIが32と、日本人で言えば「かなりの肥満」に分類される体型の方々です(米国では一般的ですが)。
日本人はこれより痩せている方が多いですが、体内時計のメカニズムは人類共通ですので、結果の傾向は十分参考になると考えられます。
ただし、対象人数が11名と少ない「概念実証研究(Proof-of-Concept)」である点は頭の片隅に置いておいてください。

研究の手法と分析の概要
では、具体的にどんな実験をしたのか見てみましょう。
ベースライン期間(1週間)
まずは普段通りの生活をしてもらい、腕時計型の活動量計(アクチグラフィ)と睡眠日誌で「いつもの睡眠」と「血圧」を記録します。
介入期間(2週間)
参加者に「自分で就寝時間を決めて、2週間その時間に寝るように努力してください」と指示しました。
それだけです。昼寝は避けるように言われましたが、それ以外(食事や運動など)は変えないように指示されました。
評価方法
睡眠の質
アクチグラフィで客観的に測定。
血圧
これがすごいのですが、24時間自由行動下血圧測定(ABPM)を行っています。病院で一回測るだけでなく、日常生活の中で20〜30分おきに自動で血圧を測り続ける、非常に精度の高い検査です。
なぜこの手法かというと、病院で測る血圧よりも、24時間の(特に寝ている間の)血圧の方が、将来の脳卒中や心臓病のリスクを正確に予測できるからです。

【補足:各種用語】
24時間自由行動下血圧測定(ABPM)
腕に機械を巻きつけ、昼も夜も定期的(20〜30分おき)に勝手に血圧を測ってくれる検査です。
「白衣高血圧(お医者さんの前だと緊張して高くなる)」を除外でき、本当の血圧の実力がわかります。
収縮期血圧 / 拡張期血圧
いわゆる「上の血圧」が収縮期、「下の血圧」が拡張期です。
心臓がギュッと縮んで血液を送り出した時の圧力が「上」です。
P値
統計的に「偶然その結果になった確率」のこと。
通常、P < 0.05(5%未満)だと「偶然ではなく、意味のある差だ(有意差あり)」と判断されます。
研究結果
就寝時間のバラつきが劇的に改善!
まず、「寝る時間を揃えて」と言われた結果、参加者の就寝時刻のバラつき(標準偏差)は、平均32分から7分へと激減しました(P = .001)。
つまり、皆さんかなり真面目に「毎日同じ時間に寝る」を実行できたということです。

血圧はこれだけ下がった!
その結果、血圧には以下のような素晴らしい変化が現れました。
24時間 収縮期血圧(上の血圧)
平均 −4 ± 4 mmHg 低下(統計的に有意!)
24時間 拡張期血圧(下の血圧)
平均 −3 ± 3 mmHg 低下(統計的に有意!)
夜間 収縮期血圧
平均 −5 ± 7 mmHg 低下(統計的に有意!)
夜間 拡張期血圧
平均 −4 ± 5 mmHg 低下(統計的に有意!)
これを表にまとめると以下のようになります。
| 測定項目 | 変化量(平均) | 統計的意味 |
| 24時間 上の血圧 | -4 mmHg | 改善あり |
| 24時間 下の血圧 | -3 mmHg | 改善あり |
| 夜間 上の血圧 | -5 mmHg | 改善あり |
| 夜間 下の血圧 | -4 mmHg | 改善あり |
「たった4〜5mmHg?」10%以上減らす可能性があるとされています。
また、この下げ幅は、減塩や運動療法を行った時の効果に匹敵するレベルなんです。

変わらなかったもの(陰性所見)とその意味
一方で、変わらなかった指標もありました。
睡眠時間(長さ)
8.3時間のまま変化なし。
睡眠効率
変化なし。
心拍数
変化なし。
これが何を意味するかというと、「睡眠時間を無理に長くしたから血圧が下がったわけではない」ということです。
純粋に「タイミングを揃えたこと」が効いている可能性が高いのです。

研究の結論
「就寝時間の規則化」は、シンプルかつ副作用のない、強力な高血圧対策である。
この研究は、薬を飲んでいる人も含めて、わずか2週間で血圧を有意に下げることを示しました。
高血圧治療において、「何時間寝るか」だけでなく「いつ寝るか(定時に寝るか)」も、非常に重要な治療ターゲットになり得ることを科学的に証明したのです。

礼次郎の考察とまとめ
論文著者らの考察
著者らは、なぜ血圧が下がったのかについて、「概日リズム(体内時計)のアライメント(調整)」が関係しているのではないかと推測しています。
就寝時間がバラバラだと、夜に光を浴びる時間がズレてしまい、体内時計が乱れます。
毎日同じ時間に寝ることで、不適切な時間の光浴びが減り、体内時計が整い、結果として夜間の血圧コントロール機能が正常化したのではないか、というわけです。
また、すでに降圧薬を飲んでいる参加者でも効果が出た(4人中3人で血圧低下)点も強調されています。

日常生活へのアドバイス
この論文の結果は、日本の皆さんの生活にも今日からすぐに活かせます。
わたしからの具体的なアドバイスは以下の3つです。
「就寝アラーム」をセットしよう
朝起きるための目覚まし時計は使っていても、「寝るためのアラーム」を使っている人は少ないのでは?
スマホのリマインダー機能を使い、「もうすぐ寝る時間です」と自分に通知しましょう。
週末も平日と同じ時間に寝る
「明日は休みだから夜更かし…」これが一番のリズムの乱れの原因です。
休日も可能な限り平日と同じ時間にベッドに入りましょう。
これが「ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ボケ)」を防ぎます。
睡眠時間にこだわらない
「7時間寝なきゃ!」と思うとプレッシャーになります。
まずは「長さ」は置いておいて、「タイミング」を揃えることだけに集中してみてください。
それだけで血圧に良い効果があるかもしれません。

忙しい現代人にとって「睡眠時間を増やす」のは至難の業ですが、「寝る時刻を決める」だけなら、コストもかからず今日からできますよね。
自分の体を守るための「入眠儀式」、今夜から始めてみませんか?
締めのひとこと
「寝る時間を守ることは、あなたの心臓を守る、最強の約束です。」

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!
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これからも皆さまの知的好奇心を満足させられる情報をお届けできるよう努力していきます。
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記事の内容は、筆者自身が論文を読み解き、わかりやすく要約・執筆しています。
免責事項
本記事でご紹介した内容は、あくまで特定の査読済み医学論文の科学的知見を解説することのみを目的としており、筆者(Dr.礼次郎)個人の、診療上の推奨や個人的な意見ではありません。
特定の治療方法、治療薬、生活スタイル、食品などを批判する意図や、推奨する意図は一切ございません。
本記事は、医師による診断や個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
実際の治療方針や服薬については、必ず主治医にご相談ください。
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