
結論「「何を食べるか」だけでなく「どういう食感か」を選ぶだけで、我慢せずにカロリーを大幅カットできることが科学的に証明されました。」
この記事はこんな方におすすめ
✅ついつい早食いしてしまい、気づくと食べ過ぎている方
✅ダイエット中だが、どうしても市販の加工食品を完全に断つのは難しい方
✅厳しい食事制限ではなく、自然に食べる量を減らす方法を知りたい方
✅「超加工食品」がなぜ太りやすいのか、その本当の理由を知りたい方
時間のない方・結論だけサクッと知りたい方へ
🔴疑問:「超加工食品は太りやすい」とよく聞きますが、それは食品の成分のせいなのでしょうか?それとも「柔らかくて早く食べられてしまう」という食感のせいなのでしょうか?
🟡結果:同じような栄養成分の超加工食品でも、「硬めの食感」にして食べるスピードを遅くしたグループは、早く食べるグループより1日の摂取カロリーが平均369kcalも少なくなりました。
🟢教訓:忙しくて加工食品に頼る時でも、「しっかり噛む必要がある硬めのもの」を選ぶだけで、脳が満足しやすくなり、無理なくダイエットにつながる可能性があります。
🔵対象:オランダで行われた、21歳から50歳の健康な男女41名を対象とした精密な研究です。人種による細かな差はあるものの、食べ過ぎを防ぐ脳のメカニズムは日本人にも共通して応用できると考えられます。

※本記事内の画像は主にChat GPTおよびGeminiを用いて、すべてAIで生成しております。
すべてイメージ画像であり、本文の内容を正確に表したものではありません。
あらかじめご了承ください。
はじめに
皆さん、こんにちは!
皆さんは、仕事や家事に追われて「お昼休みが5分しかない!」という時に、つい柔らかいパンやゼリー飲料を流し込むように食べてしまった経験はありませんか?
あるいは、テレビを見ながらお菓子を食べていたら、気づかないうちに袋が空になっていた……なんてことも。
わたしも、カップ麺を数分で完食するのが日常茶飯事です。
その結果、健康診断の数値を見て青ざめるということを毎年繰り返しております。
本日ご紹介するのは、そんな「食べる速さ」と「太りやすさ」の意外な関係を解き明かした、非常に興味深い研究です。
この論文が掲載されたのは、アメリカの栄養学専門誌の中でもトップクラスの権威を誇る『The American Journal of Clinical Nutrition』。
今回は、巷で話題の「超加工食品」を食べながらでも、賢く摂取カロリーを抑えるためのヒントを一緒に読み解いていきましょう。

noteで簡略版も公開しています↓↓↓

自己紹介
こんにちは! 某県の大規模病院で外科医として約20年の経験を持つ「医学論文ハンター・Dr.礼次郎」です。
海外の権威ある医学雑誌に掲載された論文を一編ずつ読み解いた、
生の「一次情報」をもとに、医学に詳しくない方にもわかりやすく解説しています。
日々、皆さんに信頼できる医療情報をお届けします!

※本記事は、PubMed掲載の査読付き論文をもとに、現役医師が一次情報をわかりやすく解説しています。
以下に出典を明示し、信頼性の高い医療情報をお届けします。
今回読んだ論文
“”Eating rate has sustained effects on energy intake from ultraprocessed diets: a 2-week ad libitum dietary randomized controlled crossover trial””
(超加工食品の食事摂取量に対する食べる速度の持続的影響:2週間の自由摂取による無作為化比較クロスオーバー試験)
Ciarán G Forde, Lise Aj Heuven, Marieke van Bruinessen, et al.
Am J Clin Nutr. 2025 Nov 26:S0002-9165(25)00710-5. doi: 10.1016/j.ajcnut.2025.11.012. Online ahead of print.
PMID: 41314613 DOI: 10.1016/j.ajcnut.2025.11.012
掲載雑誌:The American Journal of Clinical Nutrition【アメリカ IF 6.9(2025)】 2025年より
研究の要旨(Abstract)
研究目的
超加工食品の摂取カロリーが増える原因が、食品の「食感(硬さ)」による「食べる速さ」にあるのかを検証することです。
研究方法
41名の男女が、同じ超加工食品でも「ゆっくり食べる食感」と「早く食べる食感」の食事を、それぞれ2週間ずつ自由摂取しました。
研究結果
ゆっくり食べる食感の食事では、早く食べる食事より、1日の摂取エネルギーが平均369kcal減少しました。
結論
食べ物の硬さが食べる速度を物理的に制御し、それが2週間にわたって摂取エネルギーの調節に大きな影響を与え続けました。
考察
食品の加工度そのものよりも、食感による「食べやすさ(速さ)」が過剰摂取を招く重要な要因である可能性が示唆されました。
研究の目的
この研究が解決しようとしたのは、「なぜ超加工食品を食べると摂取カロリーが増えてしまうのか?」という根本的な疑問です。
これまでの研究で、超加工食品中心の生活は太りやすいことが分かっていました。
しかし、それが添加物のせいなのか、栄養バランスのせいなのか、あるいは「柔らかくてあっという間に食べられてしまうから」なのかは、完全には明らかではありませんでした。
そこで研究チームは、「もし超加工食品であっても、食感を硬くして食べるスピードを遅くすれば、自然に食べる量は減るのではないか?」と考え、この精密な実験を行いました。

【そもそも「超加工食品」とは何か?】
ここで、最近よく耳にする「超加工食品(UPF)」について整理しておきましょう。
論文内では「Nova分類」という基準が使われていますが、これは食品を加工度合いで4つのグループに分けるものです。
その中で最も加工度が高い「超加工食品」とは、「食品由来の成分や添加物を組み合わせ、工業的な工程を経て作られた、元の食材の形がほとんど残っていない食品」を指します。
具体的には、以下のようなものが含まれます:
• 菓子パンやスナック菓子
• インスタントラーメンやカップ麺
• チキンナゲットや冷凍ピザ
• 清涼飲料水
これらは安価で美味しく、日持ちがして非常に便利ですが、一方で「柔らかくて噛まずに食べられる」ものが多く、それが食べ過ぎを招く一因ではないかと疑われているのです。
研究の対象者と背景
この研究の舞台となったのは、栄養学の研究が盛んなオランダのワーヘニンゲン大学です。
対象者の詳細
人数
41名(男性21名、女性20名)
年齢
平均27歳(21歳〜50歳)
健康状態
BMIが平均23.4で、健康状態が良好な人たち
選定基準
普段から極端に超加工食品ばかりを食べているわけではない人を選び、実験の影響が正しく出るように配慮されています。

日本人に当てはめる際の注意点
この研究の対象者は主に白人層ですが、「速く食べると満腹中枢が働く前に食べ過ぎる」という人間の生理現象は共通しています。
ただし、日本人は欧米人に比べてインスリンの分泌能力が低い傾向があるため、食べる速さによる血糖値の急上昇が体に与える影響は、日本人の方がより敏感に出る可能性がある点は考慮すべきでしょう。
研究の手法と分析の概要
今回の研究は、科学的信頼性が非常に高い「ランダム化クロスオーバー試験」という手法で行われました。
実験の工夫
41名の参加者は、以下の2つの食事パターンをどちらも体験します
ゆっくり食べる超加工食品(Slow-ER)
硬めのパンや生野菜など、噛みごたえのある食事
早く食べる超加工食品(Fast-ER)
柔らかいパンや加工された野菜など、飲み込みやすい食事
それぞれの期間は2週間で、その間は「好きなだけ食べてよい(自由摂取)」というルールでした。
信頼性を担保する工夫
この研究が凄いのは、提供された食事の「美味しさ」「栄養密度」「炭水化物や脂質の割合」を、2つのグループでほぼ同じに揃えている点です。
つまり、「不味いから食べなかった」のではなく、純粋に「食べるスピード(食感)」だけの影響を炙り出すことに成功しています。

【補足:各種用語】
食べる速度(ER)
1分間に何グラムの食べ物を口に運んだかを示す指標。
自由摂取(ad libitum)
制限なく、自分が満足するまで食べてよいという実験条件。
ランダム化クロスオーバー試験
参加者を2つのグループに分け、時期をずらして両方の食事を試してもらうことで、個人の好みの差などを排除する試験方法。
研究結果
この実験の結果、ダイエットの常識を塗り替えるような驚きのデータが示されました。
1日369kcalの劇的な減少
最大の発見は、「ゆっくり食べる食感」の食事を選んだだけで、1日の摂取エネルギーが平均369kcalも減ったことです。
この「369kcal」がどれほどの影響か、具体的に見てみましょう:
• おにぎり約2個分
• ウォーキングなら約1.5〜2時間分
これだけのエネルギーが、我慢することなく、単に「硬いもの」を選んで食べるだけで自然にカットされたのです。

驚くべき一貫性
この効果は、実験の初日だけでなく14日間ずっと続きました。
• 朝食・昼食・夕食のすべてで摂取量が減少。
• 参加者の90%において、摂取カロリーの減少が確認されました。
変化がなかった指標(陰性所見)
興味深いことに、食事に対する「満足度」や「美味しさ」、そして「空腹感」には両グループで差がありませんでした。
「ゆっくり食べる食事は、少ない量でも、早く食べる食事と同じくらい満足できた」ということを意味しています。
つまり、「お腹が空いて辛い」という感覚がないのです。
体組成への影響
わずか2週間の実験でしたが、ゆっくり食べるグループでは体脂肪が平均0.43kg減少しました。
一方で、筋肉量などの脂肪以外の組織には変化がありませんでした。

研究の結論
この研究の核心は、「食べ物の硬さが脳への満腹信号をコントロールする強力なスイッチである」ということです。
たとえ加工度の高い食品であっても、その「テクスチャー(食感)」を工夫して食べるスピードを物理的に遅くすれば、私たちの体は自然に適切な量で満足してくれます。
これは、現代の「柔らかくて高カロリー」な食品があふれた環境で健康を守るための、極めて実践的な武器になると言えます。

礼次郎の考察とまとめ
論文著者らの考察
著者らは、今回の結果から、超加工食品そのものが悪というより、その「食べやすすぎる食感」が過剰摂取の真犯人である可能性を強調しています。
また、食品の「加工度」という大まかな分類だけでなく、個々の食品の「食感」や「食べる速さ」に注目した新しい食事ガイドラインが必要だと提言しています。

日常生活へのアドバイス
さて、明日から実践できる「太らない食べ方」ヒントをまとめました。
「サクサク」より「ガリガリ」を選ぶ
加工食品を選ぶ際、柔らかいドーナツよりは全粒粉の硬いビスケット、マッシュポテトよりは歯ごたえのある野菜スティックなど、噛む回数が増えるものを選びましょう。
「流動食」を減らして「固形物」を
スムージーやスープは食べる(飲む)スピードが非常に速くなります。
できるだけ「咀嚼」が必要な形での摂取を心がけましょう。
一口のサイズを小さく、回数を多く
一口の量が少ないほど、口の中にある時間が長くなり、脳に満腹信号が届きやすくなります。
「1日350kcal」の威力を味方につける
今回の研究で減った369kcalを1ヶ月続ければ、理論上は1.5kg程度の脂肪燃焼に相当します。

無理な断食をするより、まずは「硬いもの」を1つ増やすことから始めませんか?
「何を食べるか」を完璧にするのは疲れてしまいますが、「しっかり噛んで食べる」ことなら今日から、次の食事から始められますよね。
あなたの体は、あなたが噛んだ回数分だけ、きっと健康へと近づいてくれますよ。
締めのひとこと
「「噛みしめる喜び」が、あなたの体を変える最高のご馳走になります。」

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!
もし本記事が参考になったら、他の記事もぜひのぞいてみてください。
これからも皆さまの知的好奇心を満足させられる情報をお届けできるよう努力していきます。
本ブログでは、Pubmed、医中誌、Clinical Key、ヒポクラ、m3、日経メディカル、ケアネットなどの信頼性ある医療情報サイトを参考に、論文の検索・選定を行っています。
記事の内容は、筆者自身が論文を読み解き、わかりやすく要約・執筆しています。
免責事項
本記事でご紹介した内容は、あくまで特定の査読済み医学論文の科学的知見を解説することのみを目的としており、筆者(Dr.礼次郎)個人の、診療上の推奨や個人的な意見ではありません。
特定の治療方法、治療薬、生活スタイル、食品などを批判する意図や、推奨する意図は一切ございません。
本記事は、医師による診断や個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
実際の治療方針や服薬については、必ず主治医にご相談ください。
読者の皆様は、記事の内容をご自身の責任において吟味し、適切に判断してご利用ください。
記事内の画像やイラストは、AIを用いて内容をイメージ化したものであり、本文の内容を正確に表したものではありませんので、あらかじめご了承ください。


コメント