たった5日×3回の食事制限(ファスティング)で、体内年齢が2.5歳若返るってホント?

ファスティング模倣食で若返りを目指す中年夫婦と健康的な植物性食事のイラスト

結論「たった月5日×3回の「食べる断食」で、体の中が平均2.5歳“若返る”と科学的に証明されました。」

この記事はこんな方におすすめ

✅健康診断で「肝脂肪」や「血糖値」が気になったことがある方
✅無理な運動や極端な食事制限は避けたい方
✅将来の病気リスクをできるだけ減らしたい方
✅「見た目」より「体の中身」を若く保ちたい方

時間のない方・結論だけサクッと知りたい方へ

🔴疑問:ちょっとした食事の工夫で、体の“老化”を止めたり、若返らせたりできるの?
🟡結果:月5日だけ特別な食事を3ヶ月続けると、体の中の年齢が2.5歳若返り、肝脂肪や血糖値も改善!
🟢教訓:「痩せなくても健康に」——体重じゃなく“中の仕組み”を整える新しい食事法
🔵対象:アメリカの成人207人で効果確認。体質的に日本人にも応用できそう!

はじめに

皆さん、こんにちは!

「健康診断では異常なし。でもなんだか疲れやすい…」

「体重はそんなに変わってないのに、年々お腹まわりが…」

そんな違和感を覚えたこと、ありませんか?

実はわたしも、30代後半になったあたりから肝臓の数値や血糖値が少しずつ上がり始めて、「これって、老化のサインかも?」と焦りを感じるようになりました。

でも運動も続かないし、糖質制限や断食はちょっとツラい…。

本日ご紹介するのは、そんなわたしのような方にも希望が持てる研究です。

「たった5日間の“特別な食事”を月1回、3ヶ月続けるだけで、体の中が若返る」

——そんな驚きの結果が報告された最新論文なんです。

この論文は、イギリス発の権威ある科学雑誌『Nature Communications』に2024年に掲載されたもので、

老化や栄養学の専門家チームによる臨床研究がベースになっています。

今回はこの論文をもとに、「ファスティング模倣食って何?」「本当に若返るの?」「日本人にも効果あるの?」といった疑問にわかりやすくお答えしていきます。

どうぞ最後までお付き合いください!

自己紹介

こんにちは! 某県の大規模病院で外科医として約20年の経験を持つ「医学論文ハンター・Dr.礼次郎」です。

海外の権威ある医学雑誌に掲載された論文を一編ずつ読み解いた、

生の「一次情報」をもとに、医学に詳しくない方にもわかりやすく解説しています。

日々、皆さんに信頼できる医療情報をお届けします!

今回読んだ論文

“Fasting-mimicking diet causes hepatic and blood markers changes indicating reduced biological age and disease risk”

(断続的なファスティング模倣食が肝臓と血液マーカーに変化を引き起こし、生物学的年齢と疾患リスクを低下させる)

Nat Commun. 2024 Feb 20;15(1):1309.

PMID: 38378685 DOI: 10.1038/s41467-024-45260-9

掲載雑誌:Nature Communications(ネイチャー・コミュニケーションズ)【イギリス】 2024年2月

研究の目的

最近、「断食(ファスティング)」という言葉を健康法のひとつとして耳にすることが増えてきましたよね。

でも今回の研究で使われたのは、いわゆる「まったく食べない断食」ではありません。

“食べながら断食に近い体の状態をつくる”という、科学的に設計された食事療法

——それが「ファスティング模倣食(FMD)」です。

5日間だけ、カロリーとタンパク質を控えた植物ベースの特別な食事をとることで、体を“飢餓状態に近づけ”、体の修復機能や老化抑制を引き出そうという狙いがあります。

この研究の目的は、

「人間がこのファスティング模倣食(FMD)を取り入れることで、本当に“体の中の年齢”や“病気のリスク”が改善されるのか?」

を、科学的に確かめることでした。

近年、肝臓にたまる脂肪(肝脂肪)や、血糖値が高めになる「糖尿病予備群」、免疫力の低下などが、

「目に見えない体内の老化」=生物学的年齢の進行と強く関係していることが分かってきました。

これらが進むと、糖尿病・心疾患・がんといった生活習慣病のリスクが高まります。

そこでこの研究では、

健康な大人ややや肥満傾向のある人を対象に、FMDを月に1回・5日間、3ヶ月間だけ実践してもらい、

その前後で「生物学的年齢」「肝脂肪」「血糖値」「免疫バランス」などにどんな変化があるかを詳しく調べました。

つまりこの研究は、

「ほんの少しだけ“食べ方”を変えることで、私たちの体の老化を抑えたり、病気を遠ざけたりできるのか?」

という“老化と栄養”の新たな可能性を、実際の人間の体で検証した初めての試みのひとつなのです。

研究の対象者と背景

この研究は、アメリカで実施された2つの臨床試験の参加者合計207人を対象に行われました。

年齢層は30代〜60代の健康な成人から、やや肥満気味の人や糖尿病の予備軍(血糖値が高め)まで幅広く含まれています。

参加者の多くは欧米人(主に白人)で、性別のバランスもおおよそ均等に保たれていました。

また、試験期間中はすべての人に医師の監督のもと、同じ条件で食事制限が行われました。

この研究の対象者は欧米人中心ですが、実は日本人の方が肝脂肪や糖代謝の異常が出やすいと言われています。

体格が細くても「内臓脂肪が多い」タイプの人が多いんですね。

つまり、「日本人にとっても、この“食事法で体を若返らせる”という研究結果は十分意味がある」と考えられます。

ただし、高齢者や持病のある方は、自己判断ではなく医師と相談のうえでの実践が必要です。

研究の手法と分析の概要

この研究は、科学的にもっとも信頼性が高いとされる「ランダム化比較試験(RCT)」という方法で行われました。

具体的な手順

1.参加者を2つのグループに分ける

– グループA:通常の食生活を継続
– グループB:ファスティング模倣食(FMD)を月1回×5日間、3ヶ月間実施

2.実施前と実施後に以下を測定:

– MRI検査で肝脂肪の量を測定
– 血液検査で血糖値・インスリン抵抗性などをチェック
– 白血球の比率から免疫系の“若さ”を評価
– 血圧や肝機能も含めた生物学的年齢をAIで推定

3.体重の変化とは切り離して、「それ以外の要素だけでの変化」を分析

なぜこの手法が使われたの?

断食や食事制限には「体重が減る=健康改善したように見える」という落とし穴があります。

そこでこの研究では、体重の影響をできるだけ除外し、

「本当に食事内容の変化だけで体の中が変わるのか?」

を確かめた点が特徴です。

また、比較対象として通常の生活をしていたグループがあることで、

「FMDをやったからこその効果かどうか?」をはっきり区別することができます。

このように、ただ痩せるだけではなく、“体の仕組みそのもの”が変わったのか?を慎重に確かめたのが、この研究の大きなポイントです。

【補足:各種用語】

無作為化比較試験(RCT)

読んで字のごとく「くじ引きのようにグループを割り振って比較する」試験方法。
バイアス(先入観や条件の偏り)を避けるため、科学的信頼性が最も高いとされています。

MRIで肝脂肪を測る理由

血液検査ではわからない「内臓の脂肪のつき方」を可視化できる方法。
肝脂肪は生活習慣病リスクのサインとして注目されています。

インスリン抵抗性

食後に血糖値が上がったとき、体がうまく“インスリン”を使って処理できるかどうかの指標。
抵抗性が高い=糖尿病のリスクが高い状態。

生物学的年齢

カレンダー上の年齢ではなく、血液や内臓の状態から割り出される「体の中の年齢」のこと。
実年齢より若いと健康リスクが少なく、老化がゆっくり進んでいると考えられます。

研究結果:「体の中の年齢」が2.5歳若返るという衝撃!

この研究でもっとも注目すべきポイントは、

ファスティング模倣食(FMD)を月1回・5日間、合計3回実施しただけで、「体の中の年齢(生物学的年齢)」が平均2.5歳若返った

という事実です。

この“体の中の年齢”は、血液検査や臓器の状態からAIが算出するもので、実年齢よりも健康や寿命に密接に関わる指標とされています。

特筆すべきは、この若返り効果が体重の減少とは関係なく確認された点です。

つまり「ただ痩せたから若返った」のではなく、体内の代謝や免疫など“根本のしくみ”が改善されたことを示しています。

主要な改善ポイントまとめ(FMD群の変化)

評価項目改善内容・変化の大きさ統計的有意差(信頼度)
生物学的年齢平均−2.5歳の若返り(最大−3.5歳)p < 0.05(有意)
肝脂肪量(MRI)平均−3.2%、肝脂肪の多かった人は−7.2%の減少p < 0.01(有意)
インスリン抵抗性(HOMA-IR)明らかな改善p < 0.05(有意)
免疫年齢(リンパ球/骨髄球)免疫の“若返り”を示すバランス改善p < 0.01(有意)
体重わずかに減少(約−1〜2kg)p < 0.05(有意)

「若返り」の実感

たとえばある被験者は、FMD開始前の生物学的年齢が「実年齢より+1.2歳」だったのが、

3ヶ月後には「実年齢より−1.3歳」へと逆転。

つまり3.5歳分の“中の若返り”が起こっていたのです。

また、肝脂肪についても、肝脂肪が多かった人ほど改善幅が大きく、

脂肪肝傾向にあった参加者の多くが「正常なレベル」に近づきました。

変化がなかった項目にも注目

膵脂肪(すいぞう)やHDLコレステロール(善玉)には大きな変化は見られませんでした。

しかし、これは「悪化していない」という意味でもあり、短期間での副作用や負担が少ない方法であることが確認されたといえます。

研究の結論

この研究が導き出した結論は、非常に明快です。


✅ 月に1回・5日間の「ファスティング模倣食(FMD)」を3ヶ月間行うだけで、

✅ 生物学的年齢が平均2.5歳若返る

✅ 同時に、肝脂肪、血糖のコントロール、免疫バランスといった重要な健康指標も改善する

✅ しかもその効果は「体重の減少とは関係なく」確認された


つまり、これは“ただ痩せるため”のダイエットではなく、“体の中の老化そのもの”に働きかける食事法であるという点が重要です。

この研究は、従来の

「体重を減らせば健康になる」

という考えに対して、

「体の中の年齢=生物学的年齢を若返らせることで、病気のリスクを根本から下げる」

というまったく新しいアプローチの可能性を示しました。

しかも方法はシンプルで、

「きつい断食」や「ハードな運動」ではなく、月に5日間だけ、特別に設計された食事をとるだけでよい

という点も、多くの人にとって無理なく取り入れやすい希望ある提案と言えるでしょう。

ファスティング模倣食(FMD)の中身とやり方

この記事で紹介した「ファスティング模倣食(FMD)」ですが、実際に何をどのように食べるのか?が気になる方も多いと思います。
以下に、論文に記載された内容と、それをもとにした実践のヒントをまとめました。

論文に記載されたFMDの構成(研究プロトコル)

この研究では、「ProLon®」という実績あるFMDキットに準拠した食事が使われました。
以下はその内容をもとにした、5日間の食事ルールの基本です:

日数カロリー量(目安)特徴
1日目約1100 kcal脂質中心・野菜多め
2〜5日目約700〜800 kcal糖質・タンパク質を抑え、脂質メイン

低タンパク・低糖質・高脂質(ただし植物性脂質が中心)
・主な構成:
– 野菜スープ
– ナッツ・種実類
– オリーブオイルなどの健康的な脂質
– 専用の栄養バーやサプリメント(ビタミン・ミネラル補助)

✅ 食事は1日3回に分けて摂取。糖質は少なめ、血糖値の上昇を避けることが目的

✅ 水分(特にハーブティーなど)は自由に摂取OK

一般の方向け・まねできるFMDの例(家庭でも応用しやすいヒント)

「じゃあ自分でやるとしたら、何を食べればいいの?」という方のために、
市販品などでも工夫できる食事例を紹介します(※医師の指導のもとで実施推奨)。

✅ FMD中の1日食事例(2〜5日目想定)

・朝:
– 野菜スープ(粉末やレトルトでOK)
– ナッツ(無塩・20g以内)

・昼:
– アボカド半分+オリーブオイル+サラダ
– スープ(再度)

・夜:
– 豆乳スープ or トマトベーススープ
– 小さなライ麦クラッカー or キヌア(少量)

・飲み物:水、白湯、ノンカフェインハーブティーなど自由にOK

・サプリ:マルチビタミン・ミネラルを補助的に加えると安心

⚠ ごはん・パン・肉・魚・卵・乳製品は控えます(特に動物性タンパク質)

注意とポイント

・自己判断での長期実践はNG:この方法は5日間だけ限定で行うものです。
持病のある方・妊娠中・高齢の方は必ず医師と相談
目的は“体重を減らす”ことではなく、“体内の修復スイッチ”を入れること
このように、FMDは「断食」とは違い、

“少しだけ食べる”ことで体を飢餓状態に近づけ、老化や代謝異常に働きかける新しいアプローチです。

正しいやり方で実践すれば、健康的な体内リセットをめざす手段として、将来ますます注目されそうですね。

【礼次郎の考察とまとめ】食事の“質”と“タイミング”が、私たちの未来を変えるかもしれない

私たちはふだん、健康のために「食べすぎないようにしよう」「野菜を増やそう」と意識することはあっても、

“何も食べない時間”や“食べない日”がどれほど体に大きな影響を与えるかまでは、深く考えることは少ないのではないでしょうか。

この研究は、まさにその“盲点”を突いています。

「少し食べ方を変えるだけで、体の中が若返る」

「月に数日、特別な食事をとるだけで、老化のスピードが落ちる」

そんな可能性が、医学的に確認されつつあるのです。

もちろん、FMDの導入には個人差もありますし、自己流で始めるのは推奨されません。

しかし、この結果は「私たちの食事が、老化そのものをコントロールするカギになる」ということを明確に教えてくれています。

特に日本人は、見た目はスリムでも内臓脂肪や血糖コントロールの問題を抱えやすい体質であるとも言われています。

そう考えると、日本人にとっても

「体重だけに頼らない、体内の老化を見つめる」アプローチが必要になってくるかもしれません。

「何を食べるか」だけでなく、「いつ・どのように食べるか」

その視点を持つことで、私たちの健康観は一歩進んでいけるのではないでしょうか。

締めのひとこと

“痩せる”ではなく“若返る”ための食事法、あなたも始めてみたくなりませんか?


以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!

もし本記事が参考になったら、他の記事もぜひのぞいてみてください。

これからも皆さまの知的好奇心を満足させられる情報をお届けできるよう努力していきます。

本ブログでは、Pubmed医中誌Clinical Keyヒポクラm3日経メディカルケアネットなどの信頼性ある医療情報サイトを参考に、論文の検索・選定を行っています。
記事の内容は、筆者自身が論文を読み解き、わかりやすく要約・執筆しています。

画像は主にChat GPT・Geminiを使用しAIで作成しております。

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